協生農法には穀物についての記載がない。
世界の農地、日本の農地の大半を占めるのは穀倉地帯。
穀物に手を付けずして表土の復元は実現出来ない。
物理学者の原人も当初は穀物が先決だと考えていた。
しかし野人にそのつもりはまったくなかった。
無農薬・無肥料で生産は出来るが最初から後回しにしている。
協生農法を創った大きな目的は地球環境の復元だが、まずは業として生計が成り立つ1次産業の復興、過疎化対策だったからだ。
だから穀物ではなく野菜や果物から始めた。
穀物では生計は成り立たず、過疎化問題も解決出来ない。 驚異的な生産量が望めないからであり、穀物は農地があればついでにやる副業としての位置付けだ。
世界の農業を支えているのは小規模農家であり、今や国内では壊滅状況にある。
現状は単作栽培の穀物を、協生農法で混生すれば健全なものが出来るが、生産量は伸びず、野菜に比べて周年を通して収穫効率も悪くなる。
だから、ついでなのだが・・
主食が何故ついでなのか、理解し難い事だろうな。
日本だけでなく多くの国家において穀物は主食であり、食糧生産の根幹。
その為に農業開始以来世界各地で品種改良の努力が続けられてきた。
19世紀以降には農業革命が起き、科学的な品種改良の理論が確立され、近代的な育種が行われ穀物の収量は激増した。
20世紀後半には肥料の多用に耐えられる穀物品種の開発によって世界人口の急増を支えられるようになった。
穀物は狭義にはイネ科植物の種子であり、米、麦、トウモロコシ。
広義にはマメ科植物の種子、他科の植物の種子を含む。
これらは1年草、2年草であり、可食部は種子だ。
大量の穀物は世界人口を支え、不可欠なものだが、野人理論においては人間本来の食べ物ではない。
上記の内容でもわかるように人間によって生み出された人知の産物。
しかも、作られる全穀物の大半は家畜の飼料用であり、その為に膨大な農地が使われている。
現在の野菜果物も人知の産物には違いないが、野菜は主食ではなく、果肉は人間本来の食べ物。
野菜の消費量は少なくて穀物の比ではなく、惣材として用いられている。
穀物、野菜、果物、ともに肥料を使うことを前提に品種改良され、技術も確立されて来た。
野人は、環境破壊、健康破壊の主因として、田畑は耕し続けることと肥料、果物は肥料、食肉は肥料で作られ、その飼料は「食性に合わない飼料」と特定して来た。
つまり、この窮状は現在の農業の在り方が招いたものだが、これらの仕組みの改善は困難を極める。
どこから手を付ければ良いのか・・
何年間も考え続けて答を出しそれに沿って進めている。
今の食生活の在り方が変わらない限り、この構造は変わる事がなく、穀物中心、さらに家畜の為に穀倉地帯は広がり続ける。
広がり続ければやがて破滅が待っている。
農機や石油燃料はあっても土地がなく、土地はあっても水がない。
石油に頼り切った農業・・その石油より先に水が枯渇してしまう。
水が無くなれば現在の農地も使えなくなり、アフリカがそうであるように砂漠化が進む。
このまま世界人口が増え続ければ待ち受けるのは飢餓であり、現にそうなりつつある。
四面そうか・そうかと納得している場合ではないな。
何が何でもやり遂げようとする燃える闘魂が萎えることなどない。
ささやかな知性を
最後のマヨネーズのように絞り出して
野人兵法が導き出した戦略とは・・
続く・・
未来への道
http://ameblo.jp/muu8/entry-12279592473.html
世界と日本の食糧事情