気が付けば、本当に年の瀬です。

 

 今年は12月の初旬からニューヨークに行き、コインチェックグループのNASDAQ上場に向けた最後の追い込み、上場、その後対応と続き、更に翌週はマスターカードの取締役会その他もあり、約2週間バリバリの仕事を異国の地でしていたため、帰国すると既に年末だったのですが、ワープしてしまったようで全く年末感が身に付かず、加えて2週間東京を空けたために今週もミーティングが鮨詰め状態で、クリスマス感も全くないまま、今日に至ってしまいました。

 

 もしかしたら、社会人生活で一番季節感のない、仕事だらけの12月だったかも知れません。

 

 2024年は私にとってどんな年だったでしょうか。アクティビストファンドの運用を深化(&進化)し、良好な運用成績も上げ、東証や東大に於ける活動で日本の資本市場改革にそれなりに貢献した自負があり、プライベートには茶名をいただき、そして何と云ってもコインチェックグループのNASDAQ上場をやり切りました。超手前味噌の、自画自賛状態で、書いていても恥ずかしい次第ですが、それでも尚、今年はそれなりに充実した年だったように思うので、ご容赦下さい。相も変わらず、前進し続けた一年でした。

 

 今年は辰年でしたが来年は巳年。龍のように活動的に前進した一年の後に、充実した実りのある年を迎えたいです。皆さまに於かれましても、今年が良い年であったことを祈りつつ、巳年に相応しい、ふくよかな年を迎えられることを祈念いたします。

 

 今年の私のつぶやきは今日が最後です。本年も一年間、マネックス証券をご愛用いただき、或いはまたこのつぶやきをご愛読いただき、誠にありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。良いお年をお迎え下さい!!

 

 今日、ニューヨークを発ちます。今回は久し振りに長くいました。先週は主にコインチェックグループのNASDAQ上場のため、今週は主にマスターカードの取締役会のため、二週間近くニューヨークにいました。ずっと仕事をしていたので、美術館も行けず、ジャズを聴きにも行けず、限られた場所を行ったり来たりすることが多かったのですが、それでもやはり、ニューヨークをじわじわと感じました。満喫とまでは云えないけれども、ニューヨークに包まれた感じです。

 どこに何があるか、どうすればどこに行けるか、が分かるからではなく、やはり知り合いに会うから、身近に、包まれたように感じるのだと思います。仕事関係で知り合いが大勢いる、友達が住んでいる、行きつけのレストランやホテルに知り合いがいる、そういう人間ネットワークがあるので、ニューヨークは私にとって居心地の良い、第二の故郷的な、特別な地なんだと思います。

 実はこのつぶやきを書いているのは現地時間の木曜日の夕方で、あといくつかミーティングをするとニューヨークでの仕事が終わり、現地時間の明日にここを発ちます。だから今晩だけ、ようやくちょっと自由な時間が出来ます。どう過ごそうかな。ここまで体調も崩さず、何も事故も起こさず来たので、おとなしくしておくのもひとつの考え。最終日だから、ジャズでも聴きに行くのもひとつの考え。

 40年間、来続けた街、ニューヨーク。思い起こせば、成人になってからずっと来続けた街。コインチェックグループのNASDAQ上場があったから、今回は特別な感慨があります。だからこそ、丁寧に最終日の時間を過ごしたいと思います。

 コインチェックグループが、米ナスダック市場に上場しました。現地時間12月11日(水)の朝、私がスピーチをして、コインチェックとマネックスの仲間と一緒に、オープニングベルを押しました。タイムズスクエアの大きなナスダックタワーの円筒型の電光掲示板に、コインチェックグループのお披露目ビデオと、オープニングベルセレモニーの様子が、1時間流れ続けました。

 

 これからコインチェックグループは、ナスダック上場株式という世界最強の買収通貨を活用して、グローバルに暗号資産関連企業・web3企業を買収し、有能な人材を獲得し、大きく成長していきます。マネックスグループが現時点ではコインチェックグループの株式の8割以上を所有しているので、グループ全体の成長戦略を強く推進していきます。

 

 とここまでは会社としてのコメント。ここからは私の個人的な思いです。

 

 1984年、20歳の時、生まれて初めての海外旅行先がニューヨークでした。ジャズが大好きだった私の憧れの地だったのです。そこでジャズ以外にもとても大きな刺激を得て、すっかりニューヨークの虜になり、英語を話せるようになりたい、いつかニューヨークの摩天楼に住みたい、という思いから、ウォールストリートの投資銀行に就職しました。

 

 あれから40年。200回以上ニューヨークには来ました。私にとっては、様々な意味で、憧れと想い出の地であり、そして第2の故郷のようなものです。そのニューヨークのナスダックに、私が代表者である会社が上場して、タイムズスクエアに私の英語のスピーチも流れた。思えば遠くへ来たもんだ。ドキドキするような感覚はないのですが、そしてこれからのアメリカの上場企業としてのプレッシャーを強く感じるのですが、でもやはり、或る重要なチェックポイントを通過したような、何とも言葉で言い表せない感情があります。何か違うことも、これからじわじわ感じてくるのかな。

 

 ゆっくりとそれを丁寧に噛みしめながら、また前を向いて、進んでいきたいと思います。

 

 今年、中国とドイツの国債長期金利が、日本のそれを下回りました。あまり大勢の人は気が付いてもいないかも知れませんが、これは凄いことです。中国とヨーロッパは、あたかも日本の1990年代のバランスシート調整による不況が、今、始まっているような感じさえします。

 

 片や日本では、長期金利が上がり始め、活気が一部では戻って来ています。日本は昔から、先進国中の先進国、先進国が抱える様々な問題を最初に経験する、先進問題国などと揶揄もされましたが、今、日本は、そこから抜け出す機会を見つけつつあると思います。もちろん日本には日本独自の問題も山積しています。然しながら、悪いところばかりでなく、いいところを見て、前向きに進むべきだと思います。

 

 Japan will be back!

 今日は三の酉。二の酉が日曜日だったので、そこで酉の市に行くつもりだったのですが、突発状況で行けなくなり、今日の三の酉に行くことにしました。然しながら日中も夜も用事が詰まってて行けないため、昨日の深夜に行くことにしました。浅草の鷲(おおとり)神社の酉の市は、酉の日の0時から24時までの開催なので、今日未明、午前1時半頃に行ったのです。

 私達は毎年酉の市に行きますが、いつも大混雑で大変です。しかし今日はあまりにも時間が早くて(というか深夜のため)、大勢の人は居るものの、混雑という状況ではなく、普通に歩けて、お詣りも出来て、ゴキゲンでした。

 鷲神社の酉の市は、各店の熊手がモリモリとボルダリングの壁のように、碁盤の目に作られている歩く径の両脇にそびえています。特に夜はそれらが本当に煌めいていて、神社本殿前の提灯も大量にあり、異世界かアニメの世界に迷い込んだようで、とても幻想的で素敵です。そして各お店では、酉の市独特の拍子の手締めと掛け声が鳴り響き、まさにワンダーランドです。今回は午前2時頃に居たので、飲み屋さんが終わった後に酉の市に来たお客さんやお店の人も多く、雰囲気が更に幅というか拡がりがありました。

 去年も買ったお店で、マネックスグループと松本家用の熊手をそれぞれ買い、両親の分も買い、お店の人と一緒に手締めをしました。江戸の風物詩、我が家の年間行事です。今朝、場が開く前にオフィスに熊手を飾って、私のささやかな、何年もずっと続けている、大切な仕事を終えました。清々しい気持ちです!

 当社にとっての恩人、出井伸之さんが私たちの前からいなくなって約二年半になります。昨晩は出井さんに近しかった四人で集まり、出井さんをおかず(?)にした飲み会をしました。何故なら今日11月22日は出井さんの誕生日で、昔良くその前後に、サプライズの小パーティを企画したからです。

 

 出井さんの好きなフレンチビストロの店に集まりました。昨日はボジョレーヌーヴォーの解禁日でもあったので、先ずはそれを飲み、それから白、赤と進みました。出井さんは全てを曝け出すことはしない方だったので、四人四様に知っている出井さんがあり、それはそれなりにかなりの深度なのですが、四人はお互いに他の人が知っている出井さんを知らず、四人の話を総合するとようやく出井さんの全体像がちょっと浮かんでくるという感じでした。時折出井さんに謝りながら、暴露ではありませんが、思い出話に花を咲かせました。

 

 その後カラオケにて二次会。また飲んで、歌い、最後は出井さんの好きな歌をみんなで歌ってお開きにしました。出井さんの話は中々尽きません。いっぱい報告したいこともあるし、いやもっと報告することの中身が大きくなるように、これからも頑張っていきたいと思います。

 コインチェックの親会社として設立したコインチェックグループを、アメリカのNASDAQに上場しているSPACと合併させ、結果コインチェックグループをNASDAQに上場させるプロジェクト。このプロジェクトにおよそ3年間、ほぼ毎日、私は力を注いできました。私も仕事人生が長いですが、同じディールに3年間取り組むのは、明らかに私史上最長です。

 それは何故か?それは強い目的があるからです。web3、ブロックチェーン、暗号資産というグローバルなビジネスに於いて成長させるために、それらのビジネスや人材を買収・獲得するための世界共通の買収通貨・世界共通言語を得るために、このプロジェクトをずっと遂行してきました。

 グローバルに戦う、という文脈で常に思いを馳せるのは、日本の野球です。日本の野球はアメリカの大リーグと同じルールです。(一塁、二塁、三塁、ホームという)四角ベースで、同じ球で、同じ球場のサイズで、同じカウントで、野球をやっています。だから野茂選手が出現し、イチロー選手が活躍し、そして今大谷翔平選手が大リーグで一番の大活躍をしています。三角ベースだったら、球の仕様が大きく違っていたら、サイズやカウントが違っていたら、このようには永遠にならなかったでしょう。

 世界の舞台で世界共通の言語と手段を使うことで、初めて世界で戦うための入場券を得られる。そんな気持ちです。グローバルに成長することは、常に私の夢です。まだまだこれからやり遂げなければいけないことが一杯あります。頑張ります!

※松本大インタビュー記事もよろしければ参考にお読み下さい(CoinDeskJAPANのウェブサイトに遷移します)。
⇒コインチェック、米ナスダック上場の目的・グローバル戦略 メジャーで戦うために『世界共通買収通貨』を手に入れる

 果たしてアメリカ大統領選はトランプ前大統領(以下、敬称略)が勝ちました。一部マスメディアは大接戦になると直前まで報道していましたが、アメリカの選挙に特化したメディアではトランプ優勢が報告されていましたし、賭けマーケットでは圧倒的にトランプが優勢でしたから、トランプが勝つことは容易に予想出来ました。ところが、いざ開票が始まり、トランプの優勢が伝えられると、日本株は大きく上昇しました。アメリカの長期金利が上昇し、円安にもなりました。これらは皆、トランプが勝てばそうなると予想されていたことです。これは興味深い反応です。

 

 そして更に興味深いのは、大統領選翌日のアメリカ市場でも、米株式がとても大きく上昇したことです。これらの現象は何を表しているでしょうか?客観的に誰が優勢かを予め観察し、それに合ったポジションにしておけばこのような大きな動きは出なかった筈です。自らの政治的ポジションや信条、候補者に対する好き嫌いから、客観的な情勢判断に対して自らのバイアスを掛け、自らの思いや願いを優先したポジションになっていたので、そしてそういう投資家・トレーダーが多かったので、実際の選挙結果が出て来て、ポジションの解消やショートカバーが発生し、あのような大きな動きになったのでしょう。

 

 まさに行動心理学=ノーベル経済学賞を取ったプロスペクト理論の示唆する通りです。世の中で最も経済客観的な行動を取ると思われているトレーダーさえも、7~8割は感情によって行動が大きく影響を受ける。そしてこのことは、「政治」という最も個人従属的で、あたかも甘党か辛党かとか、酒飲みかそうじゃないかとかに似た相容れないテーマに於いて、特に強くその現象が発生したのだと思います。いやー、マーケットは面白いなぁ。そして感情をなくす、或いはコントロールすることが出来ると、大きなトクが得られることが分かりますね!

 先週末は日本で総選挙、そして来週はアメリカで大統領選並びに議会選挙です。どちらも選挙後に与野党拮抗したり、或いは選挙前から与野党拮抗の中での選挙です。そうするとどうしても、世間に迎合した政策に寄りがちになります。どの国でも世間の関心事項で一番高いのは経済ですから、何かしらの意味でお金をばら撒いて経済を刺激したり、或いはより直接的に懐を温かくする政策が採られがちになります。それらのコストはもちろんいつか誰かが返さなければいけないのですが、二日酔いのことを考えながらお酒を飲む人はいないし、皆、今に酔うのです。日本でもアメリカでも、結果どのような政治体制になろうとも、この方向は当面は変わらないでしょう。

 

 そうするとどうなるか?お金、即ち流動性が増えれば、あたかもダムに入る水が増えれば湖面が全般に上昇するように、株式や不動産などのインフレ資産の値段が上がります。お金が増えて単位当たりのお金の価値が減るので、資産の名目価格が大きくなるとも云えます。だから、今日のようなブレは当然ありますが、日米の株価は当面は上がりやすいでしょう。何故日米か?それはヨーロッパや中国の今の状況を考えると、色々な意味で不安定で、それらには中々投資しにくいからです。

 

 そして増えすぎるお金を背景に、通貨に対する不安もありますから、金(ゴールド)やビットコイン等の或る意味通貨から離れた存在にも一定のお金が流れ込んでいくでしょう。そんな状況でしょうか、今は。でもそれってなんか不安です。しかし不安な気持ちがある間は、バブルは弾けないものです。今日のように時にビビりながら、それでも尚マーケットに入っていくのかな。

 

 さて来週はアメリカの選挙です。大注目しましょう!

 先日、或るレセプションに着物で参加しました。場所はハーグ。国際刑事裁判所や国際司法裁判所がある、国連に似た雰囲気のある場所です。場所は某国大使公邸。人権擁護NGO(Human Rights Watch=HRW)のレセプションでした。ハーグもHRWも、極めて国際的で、各国・各民族、延いては各人の多様性を尊重する基盤がとても強い場所や団体です

 

 以前からレセプションに着物で出てみたいと考えていたのですが、悪目立ちしないかとか、中々躊躇して踏み切れなかったのですが、ハーグ+HRWとは、これ以上に相応しい機会はないと思い、実施してみました。着物は二次元の物なので、折り畳んでパッキング出来るのでかさばらず、タキシードやスーツよりも荷物としてラクです。ブルー系の長着に、紺の羽織、黒系の帯をしていきました。

 

 果たして、大袈裟な反応は一切なく、普通にすんなりと受け入れられ、そして多くの人に「いいですね」と云われ、案ずるより産むが易しと云うか、大成功でした。これからは日本でも海外でも、タキシードを着るような機会に、いつでも着物で出掛ける自信が付きました。紺のスーツの中にも溶け込みやすい色合いも良かったかも知れません。

 

 今回のことで一番強く心に残ったのは、多様性が受け入れられることの大切さです。異なるものが、優しさと一定の敬意・理解をもって受け入れられると、受け入れられた者はきちんと立って前を向くことが出来る。私にとってそのような「受け入れ場所」は、いくつかあります。ベースとかドックと云うべき場所。友達が一番のベースでしょうか。自分もそのような役割を、友達に限らず様々な人に対して、ちゃんと果たしていきたいと思ったのでした。