今まで、試験勉強の方法論について書いてきました。
まだまだ書きたいことはあるのですが、実は、昨日のヤフーニュースに「企業の35歳から45歳の社員の4割は20代の社員と仕事のスタイルが合わない」という記事を読み、非常に心を痛めました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140425-00628667-sspa-soci
これは、いわゆる”ジェネレーション・ギャップ”という一言で解決できるような単純な問題ではなく、これからの日本の組織、ひいては日本人のあり方に大きな影響を及ぼす根本的な問題であると考えています。
今の組織は、まったく異なる価値観を持つ人たちの集団になりつつあります。
そして、この流れは将来的にますます急激なものとなっていくでしょう。
具体的には、現在の日本の組織は、正社員と非正規社員、日本人社員と外国人社員、男性社員と(対等な)女性社員・・・等々、様々な価値観を持つ個人が集まりであり、旧来のような単一の価値観を共有する家族的組織ではなくなりつつあります。
更に、各人が対等の立場でコラボする「クロス・ファンクショナル・チーム(専門横断組織)」に活用も増加していくことでしょう。
このように、日本の組織が急激に変化している環境下において、従来の「上司が権力を盾にとって上意下達する」「上司の価値観を押しつける」という古典的な方法は、もはや通用しなくなりつつあります。
ましては、以心伝心などというものを期待するのは、既に時代遅れといえましょう。
これは、なにも組織だけの問題に限らず、私的な個人間の問題として捉えることもできます。
価値観の多様化が否応なく進んでいる現代社会においては、しかるべき方法をわきまえないと、(例えば恋愛のような)極めて個人的なコミュニケーションさえ困難になってしまうでしょう。
「どうして、私の気持ちがわからないの?」
と言われても、価値観の異なる相手にしてみれば、
「ただただそう言われても、わからないものはわからないよ」
と答えざるを得ません。
夫婦や親子の間でもこのような事態が生じることはは容易に想像できますし、現に、意思疎通ができないことで軋轢が発生している家庭も多いようです。
そこで、私は、すべての人々が最低限度の「説得の方法論」を身に付けておく必要性を現在とみに痛感しています。
交渉ではありません。
説得です。
自分の考えを、理解可能な形で相手に伝え、理解させ、できるだけ納得してもらう、というプロセスです。
交渉は、(典型的なケースとしては)利害の対立する当事者間の主張を、いかに自己に有利にすすめるかという双方向性を持っているのに対し、説得は、説得者から相手方への一方通行的アプローチであるという点で異なります。
そのプロセスについて、私が今まで蓄積した経験知と、書籍などを通して学習し実際に試行してみた知識を踏まえて、ご説明していきたいと考えています。
もちろん、これは書籍ではなくブログですので、日によっては「試験勉強の方法論」に戻ることもあるでしょうし、まったく別なことを書いていくかもしれません。
(今でも、書籍のご紹介と私自身の復習効果を兼ねて「最近読んだ本」を書いています)
そのあたりのわがままをお許しいただくとして、これから「説得の方法論」を書いていくつもりであります。
まずは、次回以降は、従来から確立されてきた、以下の”効果的な説得ステップ”を、順次ご説明していきます。
1 相手の信頼を得る。
2 落としどころを探る。
3 説得内容に至った論理的プロセスを説明する。
4 相手と感情面でつながる。
乞うご期待・・・であります(^^;)