教育基本法案と現行教育基本法の比較(参考資料) |
基本法改正案の比較表を見てどう思われましたか?
下記、メディアや、野党の主張どおり、「『戦争する国家』を目指す教育基本法」の改悪と思いましたか?
通常変更、変革に反対を主張する場合は
1 変更の必要を感じない。(現状が最善である、全く問題がない等)
2 変更案より、現行のほうが優れている。(改悪である)
3 変革の必要はあるが、改革案では不十分だ。(不足)
4 変更案の一部分に問題点がある、表現に問題があるなど。(削除、訂正など)
5 自分の信念と合わぬ。自らを変革できない。
6 認めると、相手を利する。自己利益にならない。
7 圧力
8 内容はどうあれ、とにかく反対だ。どうでもいい。などなど....。
1,2の場合は「反対」して当然でしょう、きちんと反対の議論(主張)をすべきだし、3,4,ならより良い内容に変えるよう議論すべき、いずれにしても審議拒否や、問題をすり替えたりせず話し合いが必要だと思います。
あり得ないと思いますが、5~8だとしたら、残念ながら議員失格だと思います。ちなみにもっとも議論をよんでいる、「愛国心」についての”民主党案”では自民党より踏み込んだ内容になっています。
”日本を愛する心を涵養し、祖先を敬い、子孫に想いをいたし、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求する(前文)”
にもかかわらず、社共にすりより、「時間切れ」を目指す審議拒否とはどういうことなのか理解に苦しむ。
社説:毎日新聞2006年11月12日教育基本法改正 一から論議をやり直す時だ
タウンミーティングの「やらせ質問」問題は、政府の「この催しで教育基本法改正案に国民的な理解を深めてきた」という説明に根拠がないことを裏付けた。履修不足問題を文部科学省が見過ごしていたことも発覚した。こうなっては「真理と正義を希求し」(改正案前文)の文言も空疎に響く。改正案成立を焦らず、真に「国民的理解を深める」ため一から論議をやり直すべきだ。
衆議院特別委員会で再開された審議は、折しも続発した「いじめ自殺」「履修不足」「教育委員会改革」などをめぐる質疑が大きなウエートを占め、法案自体の論議は棚上げになった観がある。
そこへ「やらせ質問」問題が発覚した。さらに、履修不足問題では、文科省の委託調査研究会が既に02年の時点で大学生の16%が高校必修の世界史を不履修と突き止めていたことがわかった。
文科省は内部で情報が行き止まっていたといい「問題意識が至らず見逃した。連絡体制の不備を反省する」と苦しい弁明をする。しかし、その時、深刻な問題ととらえ、改善策を講じておれば、校長を自殺にまで追い込んだ今回の大混乱は避けえたはずだ。
この事態を軽視してはならない。やらせで「民意のでっち上げ」ともいうべき操作をやり、学習指導要領の根幹にかかわる大量履修不足を「問題意識なく」見逃す文科省は今や信を失ったといっても過言ではない。
こんな状況のままで、基本法の改正案の審議が国民の納得と信頼に支えられて進められるなどというのは絵空事だ。根本から論議を提起し直し、改めて真に国民の理解と意見を反映する努力をしなければならない。それを怠り「審議は十分尽くした」と強弁するなら、「百年の大計」と意気込んで作られた改正案自体が内実のない作文とみなされかねない。
教育目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」など徳目や公共の精神をうたい、生涯学習の理念や国の教育振興基本計画策定義務などを盛り込んだ改正案は、そもそも何のために法を改めるのかという原点がはっきりしないまま今日に至っている。
新たな時代にふさわしい理念を追加するとか、国が責任を持って施策を進めるためとか、説明はあるが、現行基本法がネックになっているわけではない。また法を改めずともほとんどのことは現行の教育関連法規の運用で実行できるものだ。その辺もすっきりと納得できる政府側の説明はない。
結局は「現行法は占領軍に押しつけられた。全面的に改めたい」という認識と動機が第一で、法改正そのものが自己目的化しているのではないかと思いたくなる。それが誤解というなら、深みのある論議を十分に経ないまま「残り時間」を言い立てるようなことはすべきではない。
そして、実のある論議の大前提として、やらせや履修不足問題看過など発覚した重大な問題について責任の所在の明確化と必要な措置をとることはいうまでもない。
教育基本法改正:反対3000人が集会・デモ 在日コリアンも呼びかけ
毎日新聞2006年11月12日
大阪 ◇中央区で
「愛国心」を強調した教育基本法改正案に反対する集会とデモ行進が11日、大阪市中央区の大阪城公園などであり、府の教員ら約3000人が参加した。
改正案が来週中にも衆院を通過しかねず、弁護士や在日コリアンら112人が呼びかけた。
集会のリレートークでは、府内の女性教諭(31)が「いじめや不登校など山積する教育問題は基本法を変えても解決しない。今の基本法の理念の追求こそ必要」などと指摘した。
また、大戦で友人を失った鈴木祥蔵・関西大名誉教授(88)が「戦時中は、国や天皇のために死ぬことが一番の名誉と教えられた。愛国心は麻薬だ。人間らしい生活が再び脅かされている」と訴えた。
集会後、参加者は御堂筋などでデモ行進。のぼりやプラカードを掲げ「愛国心を押しつけるな」と訴えた。
【大場弘行】
改正阻止呼び掛け集会 教基法、やらせ批判相次ぐ
毎日新聞 2006年11月12日(日)
教育基本法改正案の衆院採決をめぐり与野党の攻防がヤマ場を迎えるなか、同法改正に反対する市民団体などは12日、東京の日比谷野外大音楽堂で集会を開催。
全国から約8000人(主催者発表)が集まり「いじめや未履修などの教育の問題は、改正で一層悪化する」と改正阻止を呼び掛けるアピールを採択した。
政府主催の教育改革タウンミーティングでの「やらせ質問」が発覚したことを受け、ステージに立った各団体の代表者らからは「政府や文部科学省こそ規範意識がない」「やらせをやる政府に教育を語る資格はない」といった発言が相次いだ。
集会に招かれた福島瑞穂社民党党首も「国家権力が言いたいことを、やらせで言わせていた。モラルと倫理観の欠如だ」と批判した。
教育基本法改正案の反対集会に8000人 東京
朝日新聞 2006年11月13日
教育基本法の改正案に反対する集会が12日、東京の日比谷公園で開かれ、約8000人(主催者発表)が集まり、 「『戦争する国家』を目指す教育基本法の改悪を全力で阻止する」とするアピールを採択した。
市民団体や教職員組合が参加を呼びかけた集会では、政府主催のタウンミーティングで基本法改正に賛成の立場からの「やらせ質問」が発覚したことをめぐり、「文部科学省はモラルや倫理について発言する資格がない」などと批判する発言が相次いだ。
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教育基本法案と現行教育基本法の比較(参考資料) |
毎日新聞の自説(思想)を無理に押し付けるような社説には失望する。
教育基本法改正案と、自民党の不手際を無理矢理リンクさせ、「だから、改悪」と誘導、”こじつけ”も甚だしい、よく読むと「改正案」の内容について具体的反論は全くない。
毎日のように、いじめ問題、それが原因の自殺、少年犯罪、履修科目漏れ問題等、教育現場の問題が噴出して危機的状況であると思われる。メディアも連日取り上げて危機感を募らせている。
にも拘らず、「現行基本法がネックになっているわけではない。また法を改めずともほとんどのことは現行の教育関連法規の運用で実行できるものだ。」と、楽観的だ。これほど社会問題化していること自体が今のままでは対応できないことを表している、現実を直視すれば「今のままでいい」はずはなく、教育改革の基本点から見直すのは作業を進める上でも至極当然のことだと思う。
以前にも書き、今日のTVニュースでもやっていたが、「子供たちに、命の大切さを訴えた」と自殺した子供の学校の校長が話していた。人を殺してしまう少年、自殺する子供、事件が起きて初めて「モラルと倫理の欠如」に気ついたかのような校長先生の言葉。やっぱりおかしい。
<基本法改正案 追加案>
1-2-1) 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、
健やかな身体を養うこと。
1-2-4) 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
反対派の人々の反対理由は、「愛国心」一点に集中している。
つまり、「愛国心」 → 「戦前戦中の忠誠心教育」 → 「戦争をする国」との連想だ。
そもそも、「愛国心」と言う言葉自体が忌み嫌われる「悪」のイメージがある。人を”愛”する、自然を”愛”すると同様に「国を愛する」と堂々といえない国家こそ、異常ではないだろうか。
反対の理由に、「愛国心は強制するものでなく自然と備わるものだ」ともおっしゃる、その通りだと思う。
しかし、その方々(教職の立場の人が多い)は、「愛国心」を持つことを否定しているし、時として「悪」と教えている、育てる立場の人々が「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことに消極的(否定的)である限り改善を促すのは国家を憂う立場としては放置しておけないと思うのも当然ではないだろうか。
また、象徴天皇の現代でも、「国や天皇のために死ぬことが愛国心」と思い込んでいる人が子供を教育していることに”寒気”がする。自らの国を愛せず、誇りも持てぬ子供に、郷土愛や、隣人愛、親子の絆、友人への思いやりを語れるはずもない。
「戦争をする国」ではなく、
1-2-5) 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
のできる人を育てるのも大人の務めではないだろうか。
反対集会に集まった「在日コリアン」はじめ中韓等の人は「祖国愛(愛国心)」からの参加ではないのですか?そう思えば、確かに「間違った愛国教育は危険だ。」
「愛国心=戦争する国」と思っている人にとっては反対することが「愛国心(国を愛する心)」なのだろう。
そこまで考えが至らない私は修行が足りないのかも。
= 日本テレビ世論調査 抜粋・引用 =
調査日: 2006年 11月10(金) ~ 11月12日(日) サンプル数:1000 回答数:547 回答率:54.7%少数点第2位以下を四捨五入
<<小中学校教育・高校未履修問題・日本核保有論議世論調査>>
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●あなたは、小中学校で児童・生徒への指導力が足りない教師が増えていると思いますか、思いませんか?
(1) 思う 70.4 % (2) 思わない 12.3 % (3) わからない、答えない 17.4 %
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●[上記で「(1)思う」答えた方へ]指導力が足りない教師をどのように処遇するべきだと思いますか?
(1) 学校内で問題を抱える教師の手助けができる態勢をつくる 8.6 % (2) 教員資格を更新する制度をつくり、一定期間ごとに見極め解雇できるようにする 40.5 % (3) 教師を増やして複数の教師で対応できるようにする 14.0 % (4) 現役教師の研修制度を充実させる 24.7 % (5) 別の学校に異動させて教師本人に再起を促す 1.8 % (6) その他(具体的内容を記入) 6.2 % (7) わからない、答えない 4.2 %
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● あなたは、小中学校の先生に、何を最も求めたいと思いますか?
(1) 国語・算数など教科を教える力 7.5 % (2) 児童・生徒を統率する力 13.0 % (3) 人間性を育てる力 71.5 % (4) その他(具体的内容を記入) 4.4 % (5) わからない、答えない 3.7 %
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● あなたは、どこに「未履修」の原因があるとお考えですか?
(1) 国が義務づけた科目に問題があるから 5.5 % (2) 高校教師自体が受験に偏りすぎだから 20.1 % (3) 受験戦争が一層激しくなっているから 29.4 % (4) ゆとり教育で授業数を減らしたから 31.8 % (5) その他(具体的原因を記入) 5.7 % (6) わからない、答えない 7.5 %
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●あなたは、自殺者が出るまでに至った児童・生徒による「いじめ」について、その要因は、何だとお考えですか?
(1) 家庭教育の不足 28.5 % (2) 国としての一貫した取り組みの欠如 1.3 % (3) 社会全体の道徳・モラルの低下 45.7 % (4) 適切でない学校・教師の対応 13.5 % (5) その他(具体的要因を記入) 6.8 % (6) わからない、答えない 4.2 %
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<蛇足>
● 政府・自民党内で、日本の核保有をめぐる議論が出ています。安倍総理は、「核は保有しない」「非核三原則は守る」とした上で、核の議論を容認する考えを明らかにしています。あなたは、核について具体的な議論をすることについてどう考えますか?
(1) 積極的に議論すべきだ 25.4 % (2) 議論があってもよい 46.6 % (3) 議論をする必要を感じない 12.1 % (4) 絶対に議論すべきでない 9.7 % (5) わからない、答えない 6.2 %
自民、民主が賛成しており、国民も危機感を覚えている、日本の将来についての大事な議論が、「党利党略」、「思想闘争」できちんとした審議さえ行われない。
「愛国心の欠如」も甚だしい。