「直線型」打法を強力に実現する「交差連結」の動き
「回転型」と「直線型」という表現は、「今年の目標」(09-01-01)で初めて登場しました。しかしそこでの説明では、これらの型を生む体の動きの構造は議論されていません。
「核心打法」は体の各部の動きを検討し、スイングの動きから不確実な動きを排除することで作り上げられました。したがって、その構造は明確であり、バックの動きとダウンの動きが体の右側で十字星(十字座;Cruxすなわち核心)のように交差するというイメージから「核心打法」と名付けられたわけです。
しかしスイングとして実用化するイメージとしては、まだまだ構造が複雑過ぎます。そこで逆に最も特徴的な動きでスイングの特性を捉えると、「右腕でクラブを振れば「直線型」、左腕でクラブを振れば「回転型」になる」となります。
右腕でクラブを振る気になれば、右手でしっかりクラブを握り、左手は右腕の動きを支える形の握り方になります。「核心打法」の「マジック・グリップ」は、この形の握り方の具体化です。これに対して、左腕でクラブを振ろうとすれば、左手でしっかりクラブを握り、これに右手の握りを添える形になります。伝統的なグリップはこの形になります。
これらの握り方でクラブを握り、それぞれ右腕主体あるいは左腕主体でクラブを振ってみて下さい。
右腕主体の場合はダウンで左腕が伸び、この動きに引かれて右腕が引き下ろされ、これで伸びた右腕がクラブを押してボールを直線的に打ち抜きます。これに対して左腕主体の場合には、左腕が伸びてボールに向けてクラブを引き、右腕は肘が曲がって縮まった状態からインパクトで伸びます。
此らの腕の動きを有効に使う体の動きを作ってみると、右腕主体では「直線型」、左腕主体では「回転型」になります。
試して見れば、これらの説明の内容が明瞭に把握できます。
「核心打法」は体の各部の動きを検討し、スイングの動きから不確実な動きを排除することで作り上げられました。したがって、その構造は明確であり、バックの動きとダウンの動きが体の右側で十字星(十字座;Cruxすなわち核心)のように交差するというイメージから「核心打法」と名付けられたわけです。
しかしスイングとして実用化するイメージとしては、まだまだ構造が複雑過ぎます。そこで逆に最も特徴的な動きでスイングの特性を捉えると、「右腕でクラブを振れば「直線型」、左腕でクラブを振れば「回転型」になる」となります。
右腕でクラブを振る気になれば、右手でしっかりクラブを握り、左手は右腕の動きを支える形の握り方になります。「核心打法」の「マジック・グリップ」は、この形の握り方の具体化です。これに対して、左腕でクラブを振ろうとすれば、左手でしっかりクラブを握り、これに右手の握りを添える形になります。伝統的なグリップはこの形になります。
これらの握り方でクラブを握り、それぞれ右腕主体あるいは左腕主体でクラブを振ってみて下さい。
右腕主体の場合はダウンで左腕が伸び、この動きに引かれて右腕が引き下ろされ、これで伸びた右腕がクラブを押してボールを直線的に打ち抜きます。これに対して左腕主体の場合には、左腕が伸びてボールに向けてクラブを引き、右腕は肘が曲がって縮まった状態からインパクトで伸びます。
此らの腕の動きを有効に使う体の動きを作ってみると、右腕主体では「直線型」、左腕主体では「回転型」になります。
試して見れば、これらの説明の内容が明瞭に把握できます。
「直線型」打法を強力に実現する「交差連結」の動き
「左右の脚と腕の交差連結がスイングを作る」(08-12-04)で見たように、スイングを作り出す力強く腕を振る脚と腕の動きの繋がりは左右が交差するものです。
この組み合わせから、ダウンの最初の右脚の踏ん張りで振られる左腕の動きがクラブの上下の動きを生み出し、インパクトの振り抜きの右腕の動きは左脚の踏ん張りで生み出されます。
この左右の脚と腕の交差連結の仕組みを意識してダウンスイングの実行法を固めれば、引き締まったスイングの動きが出来上がります。
腰の回転で腕を振る「回転型」の打法では、ダウンで一気に左脚体重に移るために、左腕が伸びて右腕は肘の所で曲がり、インパクトで右肘が伸びる動きに入ります。この時に右前腕の動きを間違えると、リストがターンしてスライスもフックも出る可能性が生まれます。タイミングが難しい打法になる筈です。
振りやすいクラブを握って、これらの動きの特性を確認してみて下さい。
この組み合わせから、ダウンの最初の右脚の踏ん張りで振られる左腕の動きがクラブの上下の動きを生み出し、インパクトの振り抜きの右腕の動きは左脚の踏ん張りで生み出されます。
この左右の脚と腕の交差連結の仕組みを意識してダウンスイングの実行法を固めれば、引き締まったスイングの動きが出来上がります。
腰の回転で腕を振る「回転型」の打法では、ダウンで一気に左脚体重に移るために、左腕が伸びて右腕は肘の所で曲がり、インパクトで右肘が伸びる動きに入ります。この時に右前腕の動きを間違えると、リストがターンしてスライスもフックも出る可能性が生まれます。タイミングが難しい打法になる筈です。
振りやすいクラブを握って、これらの動きの特性を確認してみて下さい。
「直線型」はインパクトで右腕を使う
戸田籐一郎プロは、体は回さずひねりを使うということで、体の左サイドを残してバックし、インパクトでは右腕を使って打つと言ったとのことです(杉山悟著「プロの極意」白馬出版1987 pp.106-108)。また「ボールは右手で上げて右手で打つもの」とも言ったとされています(浜伸吾編著「ゴルフ日本のテクニック」ベースボール・マガジン社1986 pp.46-47)。
また青木功プロも「右手で思い切り打つ」と言っています(「青木功のインパクトゴルフ」サンケイ出版1980 p72)。またインパクトゾ-ンを長くして振り抜くとも言っています(青木功「賢者のゴルフ」光文社1997 p.34)。
これらの記述から、戸田プロも青木プロも日本では珍しいインパクトで右腕を使う「直線型」のスイングであることが分かります。
戸田籐一郎プロがこの打法の採用でドライバーの飛距離が200ヤードから300ヤードに伸びたという話や、青木功プロが世界のゴルフ界で素晴らしい成績を上げて来ているのを見れば、右腕を使う「直線型」の優位性は明瞭です。
しかしその実行の動きには一定の型があります。その内容については次回に。
また青木功プロも「右手で思い切り打つ」と言っています(「青木功のインパクトゴルフ」サンケイ出版1980 p72)。またインパクトゾ-ンを長くして振り抜くとも言っています(青木功「賢者のゴルフ」光文社1997 p.34)。
これらの記述から、戸田プロも青木プロも日本では珍しいインパクトで右腕を使う「直線型」のスイングであることが分かります。
戸田籐一郎プロがこの打法の採用でドライバーの飛距離が200ヤードから300ヤードに伸びたという話や、青木功プロが世界のゴルフ界で素晴らしい成績を上げて来ているのを見れば、右腕を使う「直線型」の優位性は明瞭です。
しかしその実行の動きには一定の型があります。その内容については次回に。
呼吸法はスイングの型に依存する
「ゴルフでは理屈も大切」(08-11-13)では、名手中村寅吉氏が、バックスイングからダウンスイングにかけてはだれでも息を止めるが、それをどこで吐くかが問題であるとし、その実験的確認法としてアドレスでタバコの煙を口に含み、スイングのどこで煙が噴き出すかを見れば、インパクト前に煙が出るとスライス、遅れればフックとしているという話を書きました。
ところが中村寅吉氏のスイングは典型的な腰回し打法、すなわち「回転型」です。したがってその呼吸法は「回転型」打法に適したものになっている筈です。
実際に「回転型」の動きでクラブを振ってみると、バックで吸い込んだ息を吐き出すだけで、ダウンからインパクトの動きが実行されます。
ところがこれでは「直線型」の動きは実現しません。ダウンでは腕を振り抜くまで腹全体を強く締め続ける必要があります。これで脚腰背骨の緊張が発生して体を地球に強く結びつけ、背筋の伸びた体勢でインパクトを実行することができます。振り抜き終わった状態で腹の緊張をゆるめると自然に下腹が膨らみ、臍下丹田の緊張を利用した腹式呼吸が完成します。
こうして、スイングの型を「回転型」と「直線型」に分類することによって始めて、ゴルフの呼吸法のあり方も明瞭になることが分かります。
中村寅吉氏のスイングは「回転型」で、これが我が国のスイング観で支配的になり、一方アメリカ遠征で会得した右腕リードで打つスイングの要領を持ち帰った戸田籐一郎の「直線型」は、その後も十分に評価されないままになったように見えます。
「核心打法」は、本来「複雑な体の動きの仕組みを実用的に表現するイメージの構成」という研究の実例なのですが、その実用上の役割も無視できない感じがします。
ところが中村寅吉氏のスイングは典型的な腰回し打法、すなわち「回転型」です。したがってその呼吸法は「回転型」打法に適したものになっている筈です。
実際に「回転型」の動きでクラブを振ってみると、バックで吸い込んだ息を吐き出すだけで、ダウンからインパクトの動きが実行されます。
ところがこれでは「直線型」の動きは実現しません。ダウンでは腕を振り抜くまで腹全体を強く締め続ける必要があります。これで脚腰背骨の緊張が発生して体を地球に強く結びつけ、背筋の伸びた体勢でインパクトを実行することができます。振り抜き終わった状態で腹の緊張をゆるめると自然に下腹が膨らみ、臍下丹田の緊張を利用した腹式呼吸が完成します。
こうして、スイングの型を「回転型」と「直線型」に分類することによって始めて、ゴルフの呼吸法のあり方も明瞭になることが分かります。
中村寅吉氏のスイングは「回転型」で、これが我が国のスイング観で支配的になり、一方アメリカ遠征で会得した右腕リードで打つスイングの要領を持ち帰った戸田籐一郎の「直線型」は、その後も十分に評価されないままになったように見えます。
「核心打法」は、本来「複雑な体の動きの仕組みを実用的に表現するイメージの構成」という研究の実例なのですが、その実用上の役割も無視できない感じがします。
呼吸法の複雑さ
これまでいろいろ呼吸法について議論して来ましたが、大事な話が欠落していました。それは何のために呼吸をするのかということです。
激しい運動をしてみれば分かりますが、これで息がハーハーします。素人(しろうと)の考えでも、これは運動の実行に必要な血液中の酸素が足りなくなるためだと分かります。
この場合、必要な酸素の補給のために呼吸をしているわけですが、何かの準備に緊張するだけでもこれが起こります。「ハーと息を吐くのもしっかり吸うための準備」なのです。このことから意識的に呼吸を調整する時の要領が分かります。
大きく息を吸う動作を実現するには、胸を広げる動きが必要になります。例えば「両方の乳を結ぶ線(中丹田とも呼ばれる部分)を引き上げる」というような意識で息を吸い込むと胸が広げられ、大きな吸い込みの動きが実現します。
緊張で思わず息がハアハアとなる時は、腹をゆるめるだけで吐き出した分を吸い戻します。これでは、静かに眠っている時の呼吸には十分でも運動の実行には不十分で、積極的に胸を広げるような動きが必要になります。
「ゴルフの呼吸法」などと簡単に言ってみても、実際はこんなに複雑なものです。面倒なことです。しかしこれを知っていると、ぎりぎりの場面で「違いが分かる男」という古いコマーシャルのような効果が現れることになります。通常の生活でも役に立つ場面が有るかも知れません。「智は力なり」です。
さて、これで分かったような気になっても、まだ見落としていることがあります。これについては次回に書きます。
激しい運動をしてみれば分かりますが、これで息がハーハーします。素人(しろうと)の考えでも、これは運動の実行に必要な血液中の酸素が足りなくなるためだと分かります。
この場合、必要な酸素の補給のために呼吸をしているわけですが、何かの準備に緊張するだけでもこれが起こります。「ハーと息を吐くのもしっかり吸うための準備」なのです。このことから意識的に呼吸を調整する時の要領が分かります。
大きく息を吸う動作を実現するには、胸を広げる動きが必要になります。例えば「両方の乳を結ぶ線(中丹田とも呼ばれる部分)を引き上げる」というような意識で息を吸い込むと胸が広げられ、大きな吸い込みの動きが実現します。
緊張で思わず息がハアハアとなる時は、腹をゆるめるだけで吐き出した分を吸い戻します。これでは、静かに眠っている時の呼吸には十分でも運動の実行には不十分で、積極的に胸を広げるような動きが必要になります。
「ゴルフの呼吸法」などと簡単に言ってみても、実際はこんなに複雑なものです。面倒なことです。しかしこれを知っていると、ぎりぎりの場面で「違いが分かる男」という古いコマーシャルのような効果が現れることになります。通常の生活でも役に立つ場面が有るかも知れません。「智は力なり」です。
さて、これで分かったような気になっても、まだ見落としていることがあります。これについては次回に書きます。
呼吸法について
これまで何回か呼吸法について書いてきています。これらの呼吸法を整理した見方が「日常の呼吸:再論」(08-11-17)に纏められてあります。
それでもまだ不十分な感じがします。それは胸の動きだけに注目しているからで、実は呼吸法は体の姿勢そのものの動きにも依存するのです。
これを確認するには、胸の前後の動きに注目するのではなく、胸を引き上げるような動きに注目します。この場合両方の乳を結ぶ線(中丹田とも呼ばれる部分)を引き上げると考えてもよいでしょう。胸を前に張り出して膨らめるのではなく、胸(中丹田)を引き上げるように意識して息を吸うのです。
これで、オフィスの仕事で丸くなりがちの背中が首を引き上げられるような形に伸び、背骨が伸びた良い姿勢になります。
この背骨が伸びた姿勢でアドレスに入ると、腰の動きと共に息が吐き出されます。そこからバックをスタートさせれば自然に空気を吸い込む動きが現れますから、ダウンではここで吸い込まれた空気が吐き出される動きが現れる筈です。
それでもまだ不十分な感じがします。それは胸の動きだけに注目しているからで、実は呼吸法は体の姿勢そのものの動きにも依存するのです。
これを確認するには、胸の前後の動きに注目するのではなく、胸を引き上げるような動きに注目します。この場合両方の乳を結ぶ線(中丹田とも呼ばれる部分)を引き上げると考えてもよいでしょう。胸を前に張り出して膨らめるのではなく、胸(中丹田)を引き上げるように意識して息を吸うのです。
これで、オフィスの仕事で丸くなりがちの背中が首を引き上げられるような形に伸び、背骨が伸びた良い姿勢になります。
この背骨が伸びた姿勢でアドレスに入ると、腰の動きと共に息が吐き出されます。そこからバックをスタートさせれば自然に空気を吸い込む動きが現れますから、ダウンではここで吸い込まれた空気が吐き出される動きが現れる筈です。
「直線型」打法の優位性の確認
さて、典型的な「直線型」打法の選手であるアニカ・ソレンスタムは、これまでに優れた成績を残して既に2003年に世界ゴルフ殿堂入りを果たしています。最近引退を表明しました。
これに対し近頃めざましい成績を上げているロレーナ・オチョア選手のスイングについては以前にも触れたことがありますが、ソレンスタムよりも両足の間隔が狭いにも関わらず、体の右サイドで急激に直線的に引き下ろして打つ動きが特徴的です。
この特徴的な動きにより、オチョアのスイングも「直線型」になります。最近の彼女の成績は文字通りめざましいものがあります。
これらの事実は「直線型」の優位性を雄弁に物語るものと言えましょう。
最近偶然のことに週刊現代上で上田桃子プロの師匠江連忠プロの記事「桃子に学べ」を見る機会がありました。そこではバックで右脚体重、ダウンからインパクトで左脚体重の形の動きが説明されていました。弟子の上田プロの動きは典型的な「回転型」に見えることから、この体重移動型の動きの説明は「回転型」の勧めのように思われます。
同じ週刊現代の別の記事で、江連プロは回転型」の上田プロの2009年米国女子ツアーでの優勝を予言し期待をしています。活躍を期待したいものです。しかし、体力や運動神経に恵まれない我々普通のゴルファーにとっては「回転型」は難しいスイングになると思われますから、十分な検討が必要でしょう。
これに対し近頃めざましい成績を上げているロレーナ・オチョア選手のスイングについては以前にも触れたことがありますが、ソレンスタムよりも両足の間隔が狭いにも関わらず、体の右サイドで急激に直線的に引き下ろして打つ動きが特徴的です。
この特徴的な動きにより、オチョアのスイングも「直線型」になります。最近の彼女の成績は文字通りめざましいものがあります。
これらの事実は「直線型」の優位性を雄弁に物語るものと言えましょう。
最近偶然のことに週刊現代上で上田桃子プロの師匠江連忠プロの記事「桃子に学べ」を見る機会がありました。そこではバックで右脚体重、ダウンからインパクトで左脚体重の形の動きが説明されていました。弟子の上田プロの動きは典型的な「回転型」に見えることから、この体重移動型の動きの説明は「回転型」の勧めのように思われます。
同じ週刊現代の別の記事で、江連プロは回転型」の上田プロの2009年米国女子ツアーでの優勝を予言し期待をしています。活躍を期待したいものです。しかし、体力や運動神経に恵まれない我々普通のゴルファーにとっては「回転型」は難しいスイングになると思われますから、十分な検討が必要でしょう。
「直線打法」の決め手の動き
「回転打法」で打っている人には、「直線打法」の決め手になる動きが何であるかが分からないと思います。
この動きはダウンで一気にクラブを引き下ろし、その限界で発生する急激な左方向への方向転換の仕組みです。これでヘッドの強力な左への直線的な動きが現れます。「核心打法」はこの動きを安定して実現する仕組みの具体化です。
これに対して「回転打法」は腰の回転的な動きを利用してクラブを振るもので、この場合は大まかに言えば、ヘッドの回転的な動きの半径が一番短くなるところで得られる、最大の加速を利用してボールを打つことになります。
この場合既に指摘してあるように、「直線打法」では左腕が外側にまわり、ヘッドが右の一番遠くにまで振られますが、「回転打法」では左腕が内側回りに回り、ヘッドの右への十分な動きを作るためには右への体重移動が必要になります。
何れにしても、ダウンでクラブを急激に引き下ろし、その限界で発生する腕の動きを利用してヘッドを左へ急速に走らせることが「直線打法」の特徴です。
「楽天スキンズマッチ観戦記」(08-12-30)では、一見したところ出場選手のなかでアニカ・ソレンスタムがこの「直線打法」型であり、上田桃子が「回転打法」型であることを指摘してあります。
そこでこれを確認するためにインターネット上で見られる動画で確認してみました。やはりソレンスタムは「核心打法」に殆ど一致する動きを示し、上田はバックで右脚に、ダウンで左脚に体重移動をする典型的な「回転打法」の動きを示していました。
そこで問題は、この何れが有利なスイングの動きかということです。これについてはロレーナ・オチョア選手のスイングをも加えて次回に議論したいと思います。
この動きはダウンで一気にクラブを引き下ろし、その限界で発生する急激な左方向への方向転換の仕組みです。これでヘッドの強力な左への直線的な動きが現れます。「核心打法」はこの動きを安定して実現する仕組みの具体化です。
これに対して「回転打法」は腰の回転的な動きを利用してクラブを振るもので、この場合は大まかに言えば、ヘッドの回転的な動きの半径が一番短くなるところで得られる、最大の加速を利用してボールを打つことになります。
この場合既に指摘してあるように、「直線打法」では左腕が外側にまわり、ヘッドが右の一番遠くにまで振られますが、「回転打法」では左腕が内側回りに回り、ヘッドの右への十分な動きを作るためには右への体重移動が必要になります。
何れにしても、ダウンでクラブを急激に引き下ろし、その限界で発生する腕の動きを利用してヘッドを左へ急速に走らせることが「直線打法」の特徴です。
「楽天スキンズマッチ観戦記」(08-12-30)では、一見したところ出場選手のなかでアニカ・ソレンスタムがこの「直線打法」型であり、上田桃子が「回転打法」型であることを指摘してあります。
そこでこれを確認するためにインターネット上で見られる動画で確認してみました。やはりソレンスタムは「核心打法」に殆ど一致する動きを示し、上田はバックで右脚に、ダウンで左脚に体重移動をする典型的な「回転打法」の動きを示していました。
そこで問題は、この何れが有利なスイングの動きかということです。これについてはロレーナ・オチョア選手のスイングをも加えて次回に議論したいと思います。
今年の目標
あれこれ体の不調に悩まされながらも、どうやら新しい年を迎えることが出来ました。当然ここで新年の抱負を語らねばなりません。
このブログではあれこれの話題について関連する体の動きを検討して来ました。そこで今年はこれらを使いやすい形に纏める仕事に入らねばなりません。
そこで、まずクラブを握って体を回す動きで振ってみて下さい。この動きでヘッドをボールに向けて上手く当てることはなかなか難しいことが分かります。ボールを打つ力も出しにくいのです。
これに対してクラブを体の前で直線的に右から左へ引き抜こうとすると、脚腰背骨が踏ん張って腕を左に引き抜く動きが現れます。当然力が入ります。
ところが多くのゴルフの指導書の著者には、これほど簡単な「回転型」と「直線型」の動きの違いが、なかなか分かって貰えないのです。
今年は、更にこの違いを簡単明瞭にしながら、効果的な体の動きのあれこれを追求することにします。
このブログではあれこれの話題について関連する体の動きを検討して来ました。そこで今年はこれらを使いやすい形に纏める仕事に入らねばなりません。
そこで、まずクラブを握って体を回す動きで振ってみて下さい。この動きでヘッドをボールに向けて上手く当てることはなかなか難しいことが分かります。ボールを打つ力も出しにくいのです。
これに対してクラブを体の前で直線的に右から左へ引き抜こうとすると、脚腰背骨が踏ん張って腕を左に引き抜く動きが現れます。当然力が入ります。
ところが多くのゴルフの指導書の著者には、これほど簡単な「回転型」と「直線型」の動きの違いが、なかなか分かって貰えないのです。
今年は、更にこの違いを簡単明瞭にしながら、効果的な体の動きのあれこれを追求することにします。
直線イメージ具体化の鍵
「回転イメージか直線イメージか」(08-12-28)では、直線イメージの優位性を議論しました。この直線イメージを具体化する鍵は、「バックで左腕を外側に回す」ことです。
直線イメージ具体化の典型例である「核心打法」では、一貫して左腕は外側回り、右腕は内側回りになります。当然この場合はバックで左腕は外側に回ります。
「核心打法」の全貌が分からなくても、バックの腕の動きが外側回りになれば、ダウンでは直線的に引っ張る動きでインパクトが実現します。これは自分で試してみれば分かります。
この直線的な動きは、グリーン回りのショート・ゲームでも重要な役割を果たします。デイブ・ペルツのShort Game Bible(Dave Pelz’s Short Game Bible, Broadway Books,1999)を見ると、得点の決め手となるショート・ゲームでの方向性確保のために、一貫して左腕が外側に回る動きで打っていることが分かります。
「バックで左腕を外側に回す」という動作は、直線イメージ具体化のための簡単明瞭な鍵なのです。
直線イメージ具体化の典型例である「核心打法」では、一貫して左腕は外側回り、右腕は内側回りになります。当然この場合はバックで左腕は外側に回ります。
「核心打法」の全貌が分からなくても、バックの腕の動きが外側回りになれば、ダウンでは直線的に引っ張る動きでインパクトが実現します。これは自分で試してみれば分かります。
この直線的な動きは、グリーン回りのショート・ゲームでも重要な役割を果たします。デイブ・ペルツのShort Game Bible(Dave Pelz’s Short Game Bible, Broadway Books,1999)を見ると、得点の決め手となるショート・ゲームでの方向性確保のために、一貫して左腕が外側に回る動きで打っていることが分かります。
「バックで左腕を外側に回す」という動作は、直線イメージ具体化のための簡単明瞭な鍵なのです。