・世界中から孤立した韓国 ~北朝鮮ミサイル発射の余波~
<中央時評>国際社会の笑い物になる盧武鉉政府の「民族共助」;中央日報
盧武鉉政府の‘民族外交’に国内・海外で赤信号が灯っている。 国連安保理決議で、北朝鮮の核およびミサイル問題が「北朝鮮-米国」ではなく「北朝鮮-国際社会」の構図に変わり、「民族共助」の意味が薄れている。 今後、国際社会の対北朝鮮圧力に連動して行動を共にすることも難しく、かといって国際社会の流れを拒否して北朝鮮をかばうこともできない、深刻なジレンマに陥ったのだ。
実際、安保理の対北朝鮮決議は緩和されたとはいえ、その強度は意外に強い。 北朝鮮に対して6カ国協議に入る道を開いただけで、それ以外のいかなる挑戦的行為も制裁がともなうよう多者の枠組みによる‘網’がかけられている。 韓国の仲裁が入り込む余地はなく、朝米対話や金融制裁緩和などの前提条件ももはや意味を失った状況だ。 核およびミサイル問題とは別に南北間経済協力事業が持続したとしても、その透明性に対する国際的の視線は避けられない。
安保理決議に続いて主要国(G8)首脳らの対北朝鮮要求声明など国際社会の断固たる対処で北朝鮮はがけっぷちに追い込まれ、最後まで説得に注力した中国も体面を汚した。 しかし何といっても最もダメージが大きかったのは韓国の盧武鉉政府。 「北朝鮮ミサイル発射は特定の誰かを狙ったものではなく、安保上の非常事態ではない政治的事件だ」という青瓦台(大統領府)側の強弁は、国際社会の笑い物になっている。 ミサイルを発射した北朝鮮よりも、これに対する日本の過敏反応を叱責、問題視するとんでもない本末転倒に、盧大統領と外交安保チームは国民の信頼はもちろん、対外的な信頼までも失った。
盧政府の「民族外交」は誰からも歓迎されない「除け者外交」に帰着している。 北朝鮮ミサイルの最大当事者は韓国であるが、米国と日本は対北朝鮮決議案の立案過程で事前協議もしなかった。 中国とロシアは両国間で修正決議案を作成し、韓国政府に支持してほしいという事後通報があっただけだ。 北朝鮮は「核とミサイルは米国との問題だ」とし、韓国側とは経済協力問題だけを議論しようと固執している。 米日も、中ロも、われわれが抱き込もうとする北朝鮮さえも、われわれの味方ではないのだ。
民族共助の太陽(包容)政策は、北朝鮮を変化させるよりも、韓国の安保意識と国家アイデンティティーを揺るがし‘南南葛藤’を助長した側面が大きい。 あたかも韓国人民の赤化が終わったかのように、北朝鮮が次第に傲慢になっているのもこのためだ。 北朝鮮は、南北海外7000万人の民族と民族意識をあらゆる問題解決の出発点として前面に押し出している。 しかし一民族二国家間の共助は民族意識や民族情緒ではなく、国家対国家間のゲームルールが基礎にならなければならない。 同族間の感性的接近は実体ではなく盲目に近い。 民族はあっても国がない悲しみを体験し、民族という言葉にとりわけ弱くなった社会であるほど、感性的になり、政治に悪用される危険性が高い。
分断当時の東西ドイツは一定の規則の下、自由に出入りして経済交流の幅を広め、ある日突然‘統一に奇襲’された。 重要なのはこの規則だ。 西ドイツの東ドイツ政策は統一を狙ったものではなく平和政策だった。 また東ドイツは予測可能であり、国際条約を履行する正常国家だった。 西ドイツは東ドイツの国家予算に資金を公式支援し、東ドイツは政治的に譲歩しながら、緊張緩和と協力を実現させた。
これに対し、北朝鮮は破産状態であるうえ、外交的に孤立しており、国際条約を違反する予測不能な国家だ。 規則に基づく国家対国家の外交が難しい相手を民族共助で抱き込む過程で、盧武鉉外交の持つナンセンスと無理が出てきた。 民族という排他的単一性よりも、多民族、多言語、多宗教の開かれた多様性が調和する時に国家の活力が極大化されるグローバル時代だ。 民族よりは人類に接近し、人権を重視する時、外交の品格も国の格も高まる。 これ以上、民族共助がわれわれの生活の基礎である大韓民国を揺さぶり、大韓民国の外交を国際的な笑い物にしてはならない。 韓民族よりも国家、大韓民国が優先されなければならない。
中央日報の社説ですが、この新聞社は、自国については時にまともな分析をすることがあります。今回の社説もその部類に入ると思います。
北東アジアのバランサーなどという言葉とは裏腹に、北朝鮮礼賛、親中、反米、そして徹底した反日を貫き、日本はアジアで孤立していると吹聴して回った結果、蓋を開けてみたら世界中から孤立していたのは韓国の方であったと、何とも皮肉な話です。世界の流れを読めず、夢想的自大主義に陥り、自国を客観史できない政治を盧武鉉大統領の基でメディアも国民も一丸となって行ったのですから、当然と言えば当然なわけですが、今回それにやっと気付いたことだけでも評価すべきでしょうか。
盧大統領「日本とは対決しなければならない」 :朝鮮日報
盧武鉉大統領が今月11日に行われた与党ヨルリン・ウリ党の指導部および国会の統一外交通商委員会に所属する議員らとの晩さん懇談会で行った発言が波紋を呼んでいる。一部新聞は懇談会出席者の証言を引用し、盧大統領は「ブッシュ米大統領が北朝鮮問題を善と悪の対立概念で見ているため、説得が難しくなっている。米国は友邦なので厳しく責めることは出来ないが、日本とは対決しなければならない」と語ったと伝えた。
韓国のメディアが自らの国家が進んだ道の愚かさに気付いたのはいいのですが、残念ながらトップは相変わらずのようです。「反日政策」は自分の支持率をアップさせる求心力ではなく、自らの国家を貶め、結果として自分の首を絞める結果になるということにまだ気付かないのでしょうか。既に落ちたところまで落ちた感がある韓国ですが、このままどこへ行こうとしているのでしょうか。盧武鉉大統領にはそのビジョンが見えているのでしょうか。日本も今後はこの国とは、今までと違う付き合い方が必要になりそうです。北朝鮮制裁決議案ではいつにない外交力を見せた日本ですが、今後の対韓国外交でも、その手腕に期待したいです。
参考書籍:
「反日・親北」韓国の暴走―「韓流ブーム」ではわからない
呉 善花
韓国分裂―親北左派vs韓米日同盟派の戦い
西岡 力