ネット上には驚くべきほど、さくらももこへの誹謗中傷が多い。
自分は彼女の著作をすべて読んでいる言っても過言ではないファンなので、
ネット上で言われていることに違和感を持つ。誇張やデマがほとんどなのだ。
一個一個まとめていこう。
①「メルヘン翁」について
「メルヘン翁」は「もものかんづめ」に収録されているエピソードの一つ。
ちびまるこちゃんで優しいおじいさんとして登場する「友蔵」が
実際にはろくでもない爺さんであったことが発覚する話だ。
ネット上では「さくらももこは友蔵の死をゲラゲラ笑った」と書かれているがそれは誇張だ。
確かにさくらももこは友蔵の死を悲しまなかった。
しかし笑ったのは実際は姉であり、死に装束があまりにもおかしかったのでついつい笑ってしまったのだ。
死そのものを笑ったわけではない。
この話は当時も批判されたが、それにたいしてさくら氏は、
もものかんづめのあとがきで
家族の愛というものが血縁による先天的なものではないとしたうえで、
私の作品を不快と思う人はどうか読むのをやめてほしい。
なぜなら、私は恐らく今後もあなたを不快にさせるだろうから。という趣旨を答えている。
②「やきそばうえだ」について
やきそばうえだの内容も誇張が多い。
ネット上の書き込みを見ると、
さくらももこが植田氏をだまして破産させて焼きそば屋を孤独で開店させた等が書いてあるが事実は違う。
企画をしてお金の大部分を出したのはさくらももこで、インドネシアに店を開きに行ったのも作者本人だ。
実際は植田さんはTBSの仕事が忙しく開店準備すら手伝えず、勿論営業はしなかった。
営業自体は現地の人を雇っていたが、最近営業を終了した。というのが実情だ。
TV局がやってしまいそうなドッキリを個人でやるなんてお馬鹿だとは思うが…
もちろん、作品自体の内容もそれほど面白いとは言い難く、
内輪ノリ(植田さんいじり)の作品であることは間違いない。
が、だからといって上記のように誹謗中傷される作品ではないと思う。
③「自慢が多い」という指摘
この指摘はあながち間違ってはいない。
なぜならさくらももこ氏は自分のありのままの生活をさらけ出してきた作家だからだ。
Amazonのレビューにこんな文面があった。
「ちびまるこちゃんや、もものかんづめなどのエッセイも、「日常を生々しいほど正直に」描いていました。
このエッセイでも、そのスタンスは変わっていないと思います。貧乏で情けなくておっちょこちょいな小学生のお話も、裕福で情けなくておっちょこちょいな大人のお話も、基本的には一本のラインでつながっていると思います。」
彼女が貧乏であったときは、彼女は自然に貧乏をさらけ出していたし、それは貧乏自慢という感じは全くなかった。彼女が自分が稼いだ金をどんなお馬鹿に使おうとも勝手ではないか。