声優になって初めてのアニメのレギュラーが、
さくらももこ先生原作の『コジコジ』でした。
双子のお姉ちゃん、風のこども【ピロロ】役
高校を卒業して数ヶ月で、本物のアフレコのやり方も分からないまま現場に行き、
他のキャストの方のやり方を見て、同じようにするのだけで精一杯。
アフレコ終了と同時にキャストの皆様に謝りながら床に座り込んだのを覚えています。
アニメに出演するのが夢で、そのデビューが、誰もが知っている、さくら先生の作品。
こんなにありがたい事はないのに、周りのキャストの皆さんのように、思ったように芝居が表現できなくて、
いっぱいいっぱいになって、実感もできなかった。
ずっと考えて出来ない自分が悔しくて、皆さんに申し訳なくて家に帰ると泣く。そんな日々がまた続く中、
こんな考え、演じさせて頂けるだけでもありがたいのに、作品にもキャラクターにも失礼だ!
まだ芝居は未熟かもしれないけど、私の全てをかけて、演じさせて頂く『ピロロ』と言うキャラクターに命を吹き込もう!
そう思えたのが、共演者の皆さん、スタッフさんの優しさ、そして、ピロロちゃんと言うキャラクター。でした。
ピロロちゃんは、とても素直で可愛くて、とにかく良い子、双子のお姉ちゃんだから、小さいけどシッカリしていているキャラ。
私がシッカリしないでどうする!キャラクターがどう喋ったら観てくれている皆様に愛されるか?
そう考えて模索していく中、芝居が楽しくなって、演じる事が大好きになりました。
アニメのキャラクターを演じさせて頂く厳しさ、喜び、楽しさ。全てを『コジコジ』で学びました。
さくらももこ先生が、ピロロと言うキャラクターを生み出してくれなかったら、私は違う人生を歩んでいたかもしれません。
コジコジは、2年の放送期間中に、スタッフさんも一緒の忘年会があったのですが、その様子を写真で撮って下さっていて、写っているお写真は全て現像して、キャストに渡して下さっていました。