4月20日の厚生労働委員会、4月27日と5月18日の文部科学委員会、そして5月25日の科学技術特別委員会において私は、福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の住民への影響を早急に調べるべきだと政府を徹底的に追及しました。

 ところが、どの委員会でも関係閣僚らは「やります。やります。検討します」と繰り返すばかりでした。福島県民全員と近隣県の県民一部への放射線量測定を私が訴えたのに対して、「私といたしましては、この調査はしっかりやるべきで、しかも早急にやらなければというふうにい思っております」(4月20日・細川厚生労働大臣)。「大臣からも、できるだけ早く対応するということで、その後もいま政府内で調整をいたしております」(4月27日・大塚厚生労働副大臣)。それが、一か月経っても、「検討の結果、まとまり次第、しかるべく対応させていただきたいと思っています」(5月25日・大塚厚生労働副大臣)というばかりでした。  

 もっと酷いのは、子供たちが遊ぶ校庭・園庭の放射線安全基準を国際常識からかけはなれた20ミリシーベルトに引き上げた文部科学省に対して、「安全だと自信を持って言い切れるのならば、その証拠として、福島の子供たち全員に大至急、甲状腺にとりつく放射性ヨウ素と全身のセシウムの測定をすべし」と主張する私に対して、「われわれとしては、いまやっておることは、いま可能な限りの知見を踏まえて私として判断させていただきました」(4月27日・高木文部科学大臣)とか、「これは政府全体、原子力安全委員会の助言をいただきますけれども、原子力対策本部として検討していくものと思っておりますので、いまここで、いつまでということについては答弁しかねます」(5月18日・高木文部科学大臣)とまるで他人事のようなセリフに終始するありさまでした。

 生物学的半減期が約8日間といわれるヨウ素は早く調査しないと甲状腺から検出できなくなるのです。だから急がなくてはならないと、私が国会で4月から言い続けてきたのに、ようやく国や福島県が重い腰を上げたのは5月27日になってから。ようやく全県民202万人の被曝線量推定を6月末から始めることになったのです。ここまで測定開始が遅れると、心配される子供たちの甲状腺からは被曝当初のヨウ素を見つけることは到底できません。

 現政権が被災地の住民の健康確保から目をそむけたのは、早い段階で住民の測定をして、もし一人からでも放射線が検出されると避難などの指示が遅れてしまった政治責任を追及されて菅政権が吹っ飛んでしまう。だから、意図的に住民の測定を遅らせてきたのではないか、巷ではいまそんな疑念が渦巻いています。

 広島の「黒い雨」被害でも明らかになりましたが、放射能汚染で長期にわたって怖いのは内部被曝です。過去の教訓にまったく学ぼうとしない、不安のどん底にいる被災者にまったく寄り添おうとしない、いまの民主党政権はまさに国民を傷つけ、国を滅ぼす政権だと私は考えます。