プロレス学部プロレス学科 初級講座2 セール 1-2セールの構成要素 | 株式会社コーガンズ・エンターテイメント

プロレス学部プロレス学科 初級講座2 セール 1-2セールの構成要素

セールの構成要素としてどのようなものが必要スキルなんでしょうか。

なんとなくですが思い当たるフシが3つほどあります。

 

1.的確な動作を求められる表現力、演技力

やられた技や行為に適当な声、表情、体の動きを合わせていく作業。

割かし年取ると上手くなると思います。

これは四十肩などの実際の経験で90度以上上げようとすると激痛が走るなどの

経験値が生むクオリティでしょうか(笑)

 

パントマイムは効果的だと思います。

例えば対透明人間

全てセール任せですからね。

やっぱり参考文献は男色ディーノvs透明人間っすよね。

 

【参考資料】

https://www.youtube.com/watch?v=jcZ41h962SU

 

2.この反応で正しいと読み解ける読解力

この技ならこれくらいの反応が妥当であるという判断基準かな。

痛い声を出すのも突発的な声の出し方なのか、徐々に痛がった方がいいのかとか
正解ではないけど状況によって望ましいとされる、または新たな解釈で観客に
説得力を届ける。これが読解力かと思います。

 

例えばでかい一物対サド

必要な腕攻めに苦しむ一物は叫びながらコーナーポスト(ここでは審判台)に

腕を叩きつけて痛みを散らすのであった。

 

これは山田組若頭というトンパチなキャラクターと加えてこの対戦自体が敗者団体追放というシチュエーションなのです。痛くて動けない位なら感覚が麻痺した方がマシなんだと腕を審判台に打ち付けるという様が負けられない闘いに対する勝利への執念として一瞬で観客に伝わる非常に素晴らしい解釈であります。

 

https://www.youtube.com/watch?v=mid2IqrE_rU

 

https://www.youtube.com/watch?v=FfC0oHJ6E5Y

 

映像あったんですがまさかのそのシーン声だけ???(笑)

でもいい試合なんで見てね。

 

読解力に関してはこちらもご参考下さい。

 

読解力2

http://ameblo.jp/haretakogan/entry-12034185837.html

 

 

例えばショーンマイケルズvsハルクホーガン

 

これはオーバーセルの例だと思います。

昔から小さいからと小者扱いされていたショーンはホーガンの事が嫌いだった。

煽りでも徹底的にバカにするんです。

 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm3516725

 

 

そしてこの試合。

ショーンは徹底的にホーガンの攻めをオーバーセルで返すんですね。

するとどうなるんでしょうか。

 

そうホーガンが逆に弱く見えてしまうんですね。

少しの力でポンポン飛んでいくショーン。

対処に困るホーガン。

いつもいいとこ取りのいっちょ噛みで美味しい所をもっていく彼に対する

身を削って闘ってきたショーストッパーとしての皮肉を交えた挑戦状なんですね。

ホーガンも場をコントロールしようと必死なんですがどうにもならないですね。

これ最後握手しないんですよ。

次の日のRAWは仕事としてタッグ組みますけどね。

ある意味凄い印象的な試合でした。

でも不思議と嫌悪感はなかったんです。

嫌いをビジネスにしてちゃんと着地させたんじゃないかなと思うのです。

 

んで今年のレッスルマニアの

 

HHHvsスティング

 

スティングの味方でNWOとしてホーガン出てきます。

HHHの味方でDXとしてショーンが出てきます。

わーって混戦になるんだけど最後はみんな握手でノーサイドなんですが

・・・ホーガンが握手に行こうとするとショーンがかわすんですよ。

あぁリアルだな、と思うのです。

 

そういえばWWEの殿堂スターである

ハルクホーガン、ストーンコールド、ロック

とは全然絡んでない気がします。

レスリングスタイルとかの違いもあるんでしょうか。

彼の好き嫌いが見えますね。

 

逆にセールしないという読解もありますよね。

例えば物凄く怒っている時。

ストンピングとかされてもひたすらノーセール

目は血走る

 

あっこれは爆発するよー怖いよー

 

って観客に届けるセールですね。

 

時と場所と相手や空気感全てを駆使して最もお客さんに届く表現を選択したいところですね。

 

 

3.感情移入を促進させる心理学

人は感情移入しますと距離感が近く感じます。

自分の身近に感じる人はどうしても応援します。

もし、それが意図的に操作出来たら凄いと思いませんか?

 

人は自意識過剰です。

見られていると感じると距離感が近くなります。

好きになっちゃうかも。いや無意識と言っていいかも。

 

観客の無意識を支配しろ

 

人の無意識に働きかける方法はいくらでもあります。

例えば入場で二秒止まって見てください。

するとその選手の向いている方に

座っている人は自分が見られていると感じます。

見られてるって思うと距離感が近くなります。

 

例えば大鷲透選手。立ち止まってゆっくり周囲を見渡します。

これはわざと観客の視線集める作業をしています。

ハレタコーガンは大鷲選手の入場はパクらせて貰ってます。

 

例えばザロック。

コーナーから観客にアピールした後、ピタリと動きが止まります。そしてゆっくりロボットダンスのように後ろを向くとそこには対戦相手が。

観客の視線を支配して相手へ向ける事でこれからの対戦に対する緊張感がまします。

さらに自分が特に意識して向かっているんだと演出する事で相手を強く見せているのです。

ハレタコーガンはこれもパクらせて貰ってます。

 

例えばチャレンジマッチ。

実力差があるマッチアップが主だよね。

だから弱い方は攻められてる時間がどうしても長くなる。ここで攻められてる方が

逆エビ等を食らう時はなるべく痛い表情を四方に飛ばす事を意識して欲しいなと。

痛い顔見て、感情移入して、声援が集まるからね。

セールも凄い痛い感じを出して欲しいね。

観客の視線が集まって逆転した時の盛り上がりがセールしない場合とは段違いだと思います。

 

セコンドではよく「顔飛ばせ!」と言っています。

観客にいい顔を見せれば上記の効果が得られるからです。

 

例えば遺恨マッチとか喧嘩マッチ。

この場合ベビーヒールというよりかはどっちも主張があってぶつかるケースが

多いと思います。その場合は両方正義なんですね。

そういう場合はやっぱり攻めているレスラーの方に視線を集めたいところ

 

凄惨とか

壮絶とか

 

殴っている人の怖い顔を見て貰うことでそういう試合なんだって感じて欲しい。

だからセールとしてはやられている時はうずくまったりしてなるべく顔は見せないように

気を付けてます。

これは個人的見解かもしれませんが顔隠すことによって相手をグッドに見せているつもりです。

その後大逆転みたいな展開(ベビーヒールっぽいシチュエーション)がない限りはそう努めてます。

 

 

つまり

演技力、読解力、心理学

これらを駆使してレスラーは観客を魅了することに勢力をつぎ込むのです。

 

セールひとつで試合というものは全然違う色を見せると思います。

レスラーたるものいつも会心のセールというものを求めているかと思います。