【「いすみ鉄道」に学ぶキャパシティ管理・需要管理】
こんにちは。友原 京子です。
(知っての通り)わたしは自然の中でのんびりするのが大好き。
今日は、そんな里山をトコトコと走るローカル鉄道に見る改善の取り組みをお話しします。
「いすみ鉄道」
房総のいすみ市と大多喜町を結ぶローカル線です。
■いすみ鉄道
http://www.isumirail.co.jp/
自然豊かな里山や渓谷をのんびーり走る列車。
そのかわいらしい車体には、わたしも大好きなムーミンがペイントされていたり、
駅ではかわいらしいスイーツやムーミングッズを売っているショップがあったり、
…女子ゴコロもくすぐってくれる魅力たっぷり♪
でも、かつては廃止寸前のジリ貧路線だったんですって。
そのいすみ鉄道を再建したのが、現社長の鳥塚 亮さん。
航空会社出身で公募で社長。独特の経営手腕を発揮し、人気の鉄道路線に再生させたそうです(かっこいいっ(>_<))
このいすみ鉄道は業務改善のヒントの宝庫。
なかでも、ITILで言うところの「キャパシティ管理」「需要管理」の勉強になるって思ったので、共有しますネ!
-*-*-*-*-
イタリアンレストラン列車、居酒屋列車、ホタル鑑賞ツアー…
などなど、ユニークなイベントが盛りだくさんのいすみ鉄道。
でも、そのイベントの予約受付のほとんどが
「インターネットのみ」
ええっ!? 電話の受付はしていないの?
ここに、キャパシティ管理と需要管理のポイントが隠されています。
■キャパシティ管理の観点
小さな会社では、お客さんの窓口対応をする職員を潤沢に用意できません。
ましてや、イベント受付の専門窓口要員を置くなんてできないでしょう。
いまある限られたリソース(=ここではヒト)でいかに対応するか?
その答えが、インターネットなのでしょう。
インターネットであれば、職員が通常の窓口業務を犠牲にすることなく対応できますよね。
電話対応をするのではなく、インターネットのみとする。
これにより、キャパシティ(ヒト、モノ、システムなど)を増強せず新たなサービスを提供できます。
※最近はインターネットと並行して電話予約を受け付けるイベントもあるようです。
が、その対応を旅行代理店にアウトソーシングしていますね。
「必要なときだけ」「必要なキャパシティ」を外から調達し、職員は従来どおりのコア業務に専念するようにする。
これも経営戦略ですよね!
■需要管理の観点
むしろこの点が目からウロコでした。
予約手段を「インターネットのみ」とすることで、サービス提供者(ここではいすみ鉄道さん)が理想としないお客さんを遠ざけることができる。
裏を返せば、ターゲット顧客の獲得・維持に力を注ぐことができるのです。
詳しくは、いすみ鉄道社長ブログのこの記事を見ていただきたいのですが、
インターネットに抵抗感のある年齢層のお客さんは…
(1)手がかかり、いすみ鉄道の体制では対応しきれない
(2)クレーマーになる可能性が高い
(3)リピーターになりにくい
このような分析をしていらっしゃいます。
ターゲットとしないお客さん対応に、職員の時間と手間がかかり、
その結果、本来お客さんになっていただきたいターゲットカスタマーを獲得するチャンスを失ってしまったら…
致命的ですよね。
予約手段を絞り込むことで、需要を絞る。
「集中と選択」って、こういうことを言うのかもしれません。
とっても勉強になります!
-*-*-*-*-
ううん、まだまだたくさんの改善のヒントがありそうだ…
ただぼおっと里山に癒されて、ぼおっと美味しいモノを食べているだけじゃなくて、学ばないとナって思いました!
(と言いつつ、次行ったら多分またのんびりぼおっとしちゃいマスけど。てへっ(^_^)v)
魅力たっぷりの、いすみ鉄道さん。
友達を誘って、ゆっくり乗りに行こうかな♪
そうそう、本書にはわたしがいすみ市のカフェを訪れるシーンもありますよ~
是非景色を想像しながら読んでみてくださいネ♪
業務改善娘
友原 京子
※「キャパシティ管理」「需要管理」は、本書の第2章と第3章で具体例とともに詳しく解説しています。
■関連書籍
http://www.amazon.co.jp/dp/4863541708
「新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!」
おかげさまで、第4刷が完成いたしました(≧▽≦)
いつも応援ありがとうございます!!
みなさんのそばに置いて、お仕事の改善に役立ててくださいネ