長南瑞生著『不安が消えるたったひとつの方法』で不安の原因と解決法が分かる
私が大学に入学したのは平成7年。その頃は、パソコンも携帯電話も、まだまだ普及していませんでした。外出時の電話は、電話ボックスを探し、テレホンカード(電話のプリペイドカード)を入れてかける。大学のレポートは手書きが当たり前でした。それが今は、パソコン、スマートフォンを持っているのが当たり前、電子マネーで簡単に支払いを済ませたり、いたる所で機械が自動でやってくれる世の中です。そんな時代がくるとは……。とは言え、わずか20年程度で、こんなにも世界は便利になってしまったのですから、驚きです。振り返ると、あの頃は、どうやって友だちと待ち合わせたりしていたのだろう、と疑問に思うくらい、便利さにどっぷりつかった生活をしています。ところが、こんなに便利なものが身の周りにあふれているのに、そんなに「幸せ」って感じじゃないのは、どうしたことでしょう?それよりむしろ、「不安」を感じている人の方が多いように思いませんか?仕事、家庭、人間関係のような身近な不安から、日本の政治、世界情勢といったグローバルな視野でも、あれこれ不安を挙げればキリがありません。わずか20年で、世の中を大きく変えるほど、科学技術を進歩させたのは、不安をなくして、幸せな世の中にするためなのに、実現した便利さ、快適さと、自分の「幸せ」の実感がかみ合わないことに、違和感を覚えている人は少なくないのではないでしょうか。そんな私たちが感じる「不安」にも、実は2種類あることを、ご存じでしょうか?しかも、そのうちの一つが解決されれば、世の中がどれだけ不安に満ちていても、変わらない大きな安心に満たされた人生が送れるというのです。そのことを、分かりやすく解き明かしている新刊が、長南瑞生氏の「不安が消えるたったひとつの方法」(KADOKAWA)です。長南瑞生氏は、ブッダの教えをもとに、私たちの人生の不安は、「生活の不安」と「人生の不安」に大別できると述べています。そして、不安と向き合い、2つの不安の違いを知ることで、本当の幸せへと歩みを進めることができるとアドバイスしています。この本を読むと、「不安」と向き合う勇気が与えられます。不安の絶えない人生に、希望の光を見出すことができます。なぜなら、単なる処世術ではなく、いつの時代、どの国でも通用する普遍性をもって、人間が抱える不安の根本原因を明らかにして、その解決法を教えているからです。長南瑞生氏自身の実体験と、数多くの著名人の言葉、そして時代を超越して輝きを放つブッダの教えが、説得力をもって、面白く、分かりやすく書かれてあり、あっという間に最後まで読ませます。春は新生活が始まったり、新年度を迎える季節ですから、こんな時こそ、避けられない不安から目を反らさず、真正面から見つめて、自信をもって胸を張れる一歩を踏み出したいものです。この春に、ぜひとも読みたいイチオシの一冊です。▼詳しくは、こちらをご覧ください。(長南瑞生氏のサイトです)仏教ウェブ入門講座http://true-buddhism.com/item/fuan/