すでにTwitterでもお知らせしましたが、東京都が(自称)汚染除去の実験とするデータの中に初期値が含まれていない問題で、世界的に権威ある科学
誌、Natureのウェブサイトで、記事が取り上げられました。
もし、ここまできて白を切る、あるいは自らの正当性を主張できるほどの高い科学的分析能力を都が持ち合わせているなら、それはまったく、ものすごいもので す。
Nature
Missing data spark fears over land clean-up
http://www.nature.com/news/2010/100426/full/news.2010.199.html
まずは導入部だけ訳をつけます(作成中なので、別途お知らせします)。
「欠陥データが土壌汚染除去への不安を巻き起こしている」
現在、東京では、世界最大の鮮魚市場(築地市場)の移転をめぐる議論が勃発している。
新市場予定地の土壌は、危険なレベルの有害化学物質で汚染されており、さらには東京都が、自ら実施を試みている汚染処理対策の鍵となるデータを隠蔽していることに批判が寄せられているのだ。
概略解説が毎日新聞にもあります。
もう一度、お東京都様の反応を確認します。なぜ都議会議員からの求めに対しても初期値を言えないか。
都民にどう説明したら分かりやすいかを専門家に問い合わせているため
つまり、
都民を封じ込めるための対策を専門家に作らせているため
であると考えざるを得ません。
Natureの記事は、この問題の本質的な異常さを扱っています。
初期値がなければ何を調べているのか分かりませんし、実験では、ものすごく古いデータ(汚染は広い範囲に移動します。つまり、ゆく川の流れは絶えずして元の水にあらず!)と実験後のまた、黒塗りデータに対して、共産党の求めに応じず、公開を拒絶した経緯についても書かれてます。
要するに、事前データとして、専門家会議で調査した過去の古い情報(同じ地点と言いながら、別の土、別の試験方法)を採用しています。
ある有識者の先生は、
「数年前、家の台所にゴキブリがいた、それ で今その場所に殺虫剤を撒く
。そんなこ とに何の意味があると言うんだ」とおっしゃっていましたが、まったくその通りで、そんな比較をしても何の意味もありません。
昔、虫がいた場所に、後からこっそり殺虫剤を撒いて、ほら、今は虫がいません、そんなばかな。
以下の画像の表が3月の中華報告です(表の部分をクリップしたもの)。
東京都が3月10日に早々に、一部の実験のうち、中温加熱処理と洗浄処理で、汚染除去できた、などと発表していたのは、どう好意に解釈しても(しないけれど)、翌日の予算対策のためだったとしか思えません。
ほとんどの食品偽装事件すら、これ↓に比べると、程度としてまともに思えてしまいますね。恐ろしいことです!
何を比べているか知らせないままに「汚染物質処理完了」としていることの証拠がこちらです。
(しつこいかもしれまsんが)先日の喩えを繰り返します。
~~~
はじめに熱を測らず、ただ熱冷ましを 飲ませて平熱を確認したって、その薬は熱が下げる効果がある、とは言えませんね。
または、本当はお腹が猛烈に痛いのに、そのことに は絶対に聞く耳を持たず、頭痛薬を飲ませて、その後、頭痛だけはないことを確認しても、その結果だけから、その人が「頭痛薬のせいで完璧な健康状態になっ た」とは言えません。
さらに言えば、今回の場合、そもそも、使用前・使用後で、同じ人を対象にデータ取りをしているかすら定かではありません。
~~~
実験公開当日の写真から実験(と称するもの)の紹介です。
ま ず、これ。職員によって提示された実験の位置の図です。
毎度のように、ウェブ公開したものを引き伸ばしています。
やたらと微生物処理を見せて「ハイテクぶり」を誇示しようとしたのでしょう。痛々しいことですが、すべか らくそれで逃げおおせていたのがイシハラ都政でした。
凡例を転記し、注をつけます。
■ 掘削微生物処理: ベンゼン単体汚染の場合
ただ、現実、ベンゼンだけ単体のところなどありません。
■ 原位置微生物処理: ベンゼン、シアン化合物、重金属を含む複合汚染
中間報告として東京都のサイトに内容あり、という当日説明あり。
資料を残さずしゃべるのは自由・・というわけにいかないですよ。
■ 洗浄処理: シアン化合物、重金属、低濃度のベンゼンを含む複合汚染
本来は洗浄のためのプラントを作るが実験では屋外処理で行っているそう。
これが都が、「汚染物質処理完了」と3月に勝手に報告したもの。
■ 中温加熱処理: 油膜が見られる土壌汚染でのベンゼン汚染
400~600℃で揮発させる。中間報告がサイトにありという当日説明。
でも、ベンゼンがあるところにベンゾピレンの可能性、でしたよね?
これも「汚染物質処理完了」と3月に勝手に報告したもの。
■ 中温加熱処理⇒洗浄処理 油膜が見られる汚染土壌でのシアン化合物、重金属汚染
同様に中温加 熱処理してから洗浄プラントへ。
工法も結果もおかしなことだらけです。別途書きます。
■ 地下水汚染処理 ベンゼン、シアン化合物、重金属汚染
同様に中温加熱処理してから洗浄プラントへ。
この実験がまた、怪しさ炸裂。説明にも矛盾満載、こちらも別途書きます。
さて、これが実験の写真・・・というわけではないですね。
イシハラ都政が実験であることを強弁するしたいがために、血税を投入して設置した何かの設備の写真、と呼ぶのが比較的正確です。
工法、とも言えず、お金を使って何かしてみます、ということをひとまず示したパネル。
ということで、続きます!!!
===
このエントリーは、以下を受けた連載の第3回です。
2010-04-25
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<1>(豊洲新市場見学会概略:参加者情報)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10517165495.html
2010-04-26
イ シハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<2>(実験見学会公開への都のスタンス)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10517841920.html
===
だから、もう、汚染物質大量投棄のヘドロの埋立地で生鮮品市場操業な んて到底無理です。
===
もし、ここまできて白を切る、あるいは自らの正当性を主張できるほどの高い科学的分析能力を都が持ち合わせているなら、それはまったく、ものすごいもので す。
Nature
Missing data spark fears over land clean-up
http://www.nature.com/news/2010/100426/full/news.2010.199.html
まずは導入部だけ訳をつけます(作成中なので、別途お知らせします)。
「欠陥データが土壌汚染除去への不安を巻き起こしている」
現在、東京では、世界最大の鮮魚市場(築地市場)の移転をめぐる議論が勃発している。
新市場予定地の土壌は、危険なレベルの有害化学物質で汚染されており、さらには東京都が、自ら実施を試みている汚染処理対策の鍵となるデータを隠蔽していることに批判が寄せられているのだ。
概略解説が毎日新聞にもあります。
毎日 2010/4/29
築地市場移転:土壌汚染 の除去実験に疑問 英 科学誌が記事
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100429k0000m040141000c.html
東京・築地市場(中央区)の移転予定地となっている江東区豊洲の土壌汚染問題を巡り、英科学誌「ネイチャー」電子版が、東京都の対応に疑問を投げかける記 事を掲載した。築地は世界一の魚市場として海外からの観光客にも人気があり、この問題に国際的な注目が集まりそうだ。
記事は、都が豊洲 で1月から続けている汚染除去実験を特集している。都が実験前の土壌の汚染濃度を公表しないまま、3月に「2種類の処理方法で無害化が可能と実証された」 と中間発表したことを取り上げ、「実験が有効だったかを判断するのは不可能との声が都議会からも上がっている」と紹介した。
筆者の同誌アジア太平洋特派員、デービッド・シラノス キーさんは「実証されたと主張するなら(実験前の)汚染濃度のデータを出すべきだ。世界の学者も興味を持つと思って記事を書いた」と話す。
都の担当者は公表していない理由を「過去に調査した際の汚染濃度と実験前の汚染濃度が違ったため、都民にどう説明したら分かりやすいかを専門家に問い合わせているため(管理人:すごいですねー。都民は愚かなので専門家の先生に聞くということですか。専 門家の先生、また宿題が増えてさぞ困っていらっしゃるでしょうねー)。できるだけ早く公表したい」と話している。【真野森作】
もう一度、お東京都様の反応を確認します。なぜ都議会議員からの求めに対しても初期値を言えないか。
都民にどう説明したら分かりやすいかを専門家に問い合わせているため
つまり、
都民を封じ込めるための対策を専門家に作らせているため
であると考えざるを得ません。
Natureの記事は、この問題の本質的な異常さを扱っています。
初期値がなければ何を調べているのか分かりませんし、実験では、ものすごく古いデータ(汚染は広い範囲に移動します。つまり、ゆく川の流れは絶えずして元の水にあらず!)と実験後のまた、黒塗りデータに対して、共産党の求めに応じず、公開を拒絶した経緯についても書かれてます。
要するに、事前データとして、専門家会議で調査した過去の古い情報(同じ地点と言いながら、別の土、別の試験方法)を採用しています。
ある有識者の先生は、
「数年前、家の台所にゴキブリがいた、それ で今その場所に殺虫剤を撒く
。そんなこ とに何の意味があると言うんだ」とおっしゃっていましたが、まったくその通りで、そんな比較をしても何の意味もありません。
昔、虫がいた場所に、後からこっそり殺虫剤を撒いて、ほら、今は虫がいません、そんなばかな。
以下の画像の表が3月の中華報告です(表の部分をクリップしたもの)。
東京都が3月10日に早々に、一部の実験のうち、中温加熱処理と洗浄処理で、汚染除去できた、などと発表していたのは、どう好意に解釈しても(しないけれど)、翌日の予算対策のためだったとしか思えません。
ほとんどの食品偽装事件すら、これ↓に比べると、程度としてまともに思えてしまいますね。恐ろしいことです!
何を比べているか知らせないままに「汚染物質処理完了」としていることの証拠がこちらです。
(しつこいかもしれまsんが)先日の喩えを繰り返します。
~~~
はじめに熱を測らず、ただ熱冷ましを 飲ませて平熱を確認したって、その薬は熱が下げる効果がある、とは言えませんね。
または、本当はお腹が猛烈に痛いのに、そのことに は絶対に聞く耳を持たず、頭痛薬を飲ませて、その後、頭痛だけはないことを確認しても、その結果だけから、その人が「頭痛薬のせいで完璧な健康状態になっ た」とは言えません。
さらに言えば、今回の場合、そもそも、使用前・使用後で、同じ人を対象にデータ取りをしているかすら定かではありません。
~~~
実験公開当日の写真から実験(と称するもの)の紹介です。
ま ず、これ。職員によって提示された実験の位置の図です。
毎度のように、ウェブ公開したものを引き伸ばしています。
やたらと微生物処理を見せて「ハイテクぶり」を誇示しようとしたのでしょう。痛々しいことですが、すべか らくそれで逃げおおせていたのがイシハラ都政でした。
凡例を転記し、注をつけます。
■ 掘削微生物処理: ベンゼン単体汚染の場合
ただ、現実、ベンゼンだけ単体のところなどありません。
■ 原位置微生物処理: ベンゼン、シアン化合物、重金属を含む複合汚染
中間報告として東京都のサイトに内容あり、という当日説明あり。
資料を残さずしゃべるのは自由・・というわけにいかないですよ。
■ 洗浄処理: シアン化合物、重金属、低濃度のベンゼンを含む複合汚染
本来は洗浄のためのプラントを作るが実験では屋外処理で行っているそう。
これが都が、「汚染物質処理完了」と3月に勝手に報告したもの。
■ 中温加熱処理: 油膜が見られる土壌汚染でのベンゼン汚染
400~600℃で揮発させる。中間報告がサイトにありという当日説明。
でも、ベンゼンがあるところにベンゾピレンの可能性、でしたよね?
これも「汚染物質処理完了」と3月に勝手に報告したもの。
■ 中温加熱処理⇒洗浄処理 油膜が見られる汚染土壌でのシアン化合物、重金属汚染
同様に中温加 熱処理してから洗浄プラントへ。
工法も結果もおかしなことだらけです。別途書きます。
■ 地下水汚染処理 ベンゼン、シアン化合物、重金属汚染
同様に中温加熱処理してから洗浄プラントへ。
この実験がまた、怪しさ炸裂。説明にも矛盾満載、こちらも別途書きます。
さて、これが実験の写真・・・というわけではないですね。
イシハラ都政が実験であることを強弁するしたいがために、血税を投入して設置した何かの設備の写真、と呼ぶのが比較的正確です。
工法、とも言えず、お金を使って何かしてみます、ということをひとまず示したパネル。
ということで、続きます!!!
===
このエントリーは、以下を受けた連載の第3回です。
2010-04-25
イシハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<1>(豊洲新市場見学会概略:参加者情報)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10517165495.html
2010-04-26
イ シハラ都政による「土壌汚染除去実験」の目茶苦茶さ<2>(実験見学会公開への都のスタンス)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10517841920.html
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だから、もう、汚染物質大量投棄のヘドロの埋立地で生鮮品市場操業な んて到底無理です。
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築地移転問題の全体を記した、英文のB4版チラシです。
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掘っただけで液状化する豊洲新市場予定地土壌(ここにたっぷり汚染)。
スライム(いわゆるヘドロ)をなぜか土壌サンプルケースに素手で詰める様子。
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英文解説へのリンク↓です。
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