【ギンガの森へ】ありがとう、炎の兄弟! | 大魔神カノンのブログ

【ギンガの森へ】ありがとう、炎の兄弟!

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さて、今朝の『海賊戦隊ゴーカイジャー』第20話、皆さんはご覧になられましたか!?

1999年にオンエアが終了した『星獣戦隊ギンガマン』。その翌年に制作されたオリジナルVシネマ、『救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン』での活躍が見納めかと思われた、黒騎士ヒュウガ(小川輝晃くん)と、ギンガレッド・リョウマ(前原一輝くん)の勇姿を、11年ぶりに見ることができたのです!

でも、まさか11年後に『ギンガマン』のオリジナルキャストが、ギンガマンとして「戦隊シリーズ」に戻ってくるとは思ってもみなかったですし、ワンシーンとは言え、2人が共演するシーンが観られるなんて、何かジーンと来ちゃいましたね(ノ_・。)

何にもまして快挙だったのは、俳優業を休止して、彼なりの“ギンガの森”に帰っていた、前原くんが、今回のためだけに俳優として復帰し、遠方のロケ地や大泉学園に度々赴いては、ひたむきにリョウマを演じてくれたことです。

既に彼自身(http://twitter.com/gingared_ryoma)や、小川くん(http://twitter.com/pinsclub)、さらに前原くんの友人である、ガオブラックこと酒井一圭くん(http://twitter.com/junretsu_sakai)のツイッター、そして東映公式HPの「みどころ」のコーナー(http://www.toei.co.jp/tv/go-kai/story/1196008_1843.html )などで、今回の復帰に至る経緯に関しては、語られていますが、とはいえ、何故、“脱役者”していた彼が、再びリョウマを演じようと思ったのでしょうか。そこにあった彼の「想い」とは。

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今から8年前、「演ずること」を糧としながら、生きる喜びと苦しみとを味わっていた前原くんは、光と影のコントラストが厳然として存在する「芸能界」の摂理を横目に見ながら、自らの役者としての信条とそれとをどう刷り合わせていくかで、モヤモヤした想いを抱いていたそうです。

そんな中で、彼にある転機が訪れ、そして彼は決断します。自分が力になれるのなら、その人のために何かをしたいと。

彼は、穏やかな“ギンガの森”へと旅立ち、そこで奥様と暮らし始めます。ご夫婦は、2人の娘さんを授かります。

そして、2011年。上の娘さんは、パパが昔、ヒーローだったことを全く知らずに、「ニチアサ」のヒーローたちの活躍を応援するようになっていました。その様子を見ながら、かつてヒーローだったパパは、子供たちにとって、ヒーローがどんなに頼もしい存在なのかを改めて感じるようになります。

折しも、スーパー戦隊の歴史は、35年の歳月を重ねていました。

そこでは、レジェンド大戦で力を奪われた先輩たちが、新たなる戦士たち、ゴーカイジャーに「大いなる力」を授ける、という物語が紡がれていたのです。

しかし、そんな記念すべき年に日本を襲ったのは、東日本大震災でした。

多くの日本人が、一瞬にして夢と未来を、命と糧を、生きてきた証と足場を奪われてしまいます。不安や絶望、戸惑いや不信が、この国を包み込んでいきました。

この時、前原くんの心の中に、1つの「想い」が生まれたのです。まるで、炎のつぶてのように。

「こんな時、本当にヒーローがいてくれたら…」

かつて、ギンガレッドとして、地球のピンチに立ち向かっていた彼は、子供たちにとって、心の支えとなるスーパーヒーローが今、正に必要なのではないかと考えたのです。それは、自分のすぐ側にいる、小さくて健気な眼差しに触れて感じたことなのかも知れません。

「ヒーローだった自分に何かできることはないだろうか?」

たった一度の人生の中で、ヒーローを演じるという稀少な体験をしていた彼は、自分だからこそ出来る何かがあるのではないかと思ったのです。その想いは、まるでリョウマの持つ炎のアースのような勢いで彼を突き動かしていきます。

暗く冷たい闇の中で、小刻みにその身を振るわす子供たちに、暖かく力強い光を見せてあげたい。伝説のヒーローが、手を取り合いながら確かに生きている姿を見せることで、彼らに元気と勇気を取り戻してもらいたい。

震災で子供たちが体験した出来事は、ともすれば、生きる希望をも失いかねない大きな大きな災厄だったに違いありません。

目の前に悲しい景色が広がっていたとしても、明日を信じて、くじけずに生きて欲しい。

前原くんは、多忙な日々を送る中、“休日”を返上する形で、再びヒーローに向き合うことを決意したのでした。

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そんな彼の想いに手を貸したのは「兄さん」こと小川くんでした。

正に、今日のオンエアでのヒュウガが鎧の想いを汲んだように、小川くんは仲間たちを常に支えてくれているのです。

そして、6月。炎の兄弟は、戦士の衣裳を身に纏い、カメラの前に立ち、「大いなる力」を後輩たちに託していきました・・・。

今回のオンエアを経て、前原くんは、また普段の暮らしに戻っていきます。

けれど、彼や兄さんがヒーローの姿を借りて伝えようとした想いは、テレビの前のチビっ子たちにきっと伝わったと信じています。

そう、ヒーローの強さと優しさを信じて生きているチビたちには、自分を信じることの大事さや、共に支え合い、励まし合って生きていく仲間の大切さが伝わったはずです。

ありがとう、リョウマ、そして兄さん。

これからもチビっ子たちは、君たちの想いを胸に、未来に向けて、きっと頑張っていってくれるはずだ(^-^)b

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(高寺)

P.S.リョウマこと、前原一輝くんと久々に語り合ったひと時は、9月1日発売の「特撮ニュータイプ」に、対談として掲載される予定です。もしよろしければ、前原くん自身の口から語られた、ヒーロー復帰への想いに触れて頂ければと思います。

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さらにおまけの1枚。前原くんのアフレコの日に東映撮影所内に居合わせた、新旧戦隊スタッフの記念写真。後列左から、『ゴセイジャー』の若松チーフP、筆者、前原くん、『ゴーカイジャー』メインライターの荒川さん。前列左から『ゴーカイジャー』の望月AP、宇都宮チーフP。