結婚式直前に他界されたお父様がいらっしゃいました。
「娘と歩くんだから、かっこよくしないとな」言って、
病気で体中が痛いはずなのに、タキシードを新調されたお父様。
病院の廊下で何度も何度もバージンロードを歩かれる練習をされていたお父様。
そんな光景を花嫁に見られて「練習じゃないぞ、リハビリだからな」と照れていたお父様。
お父様は花嫁とバージンロードを歩かれることを楽しみにされていました。
しかしながらその思いも叶わず、結婚式の数週間前に他界をされてしまいました。
現実とは非情なものです。
花嫁もとても悔やまれ悲しまれました、最愛の父を亡くしたと言う事、
そしてお父様とバージンロードを歩くことを花嫁も楽しみにされていたからです。
お母様や新郎とバージンロードを歩かれることも考えられたそうなのですが、
お父様と歩かれることを選択されました。
天国のお父様と歩かれることを。
一人でチャペル扉の前に立つ花嫁、
その腕はまるで花嫁のお父様と腕を組まれているようでした。
そして花嫁はまるでお父様と入場されているかのようにバージンロードを歩かれました。
お父様は実際にいらしたのかもれませんね。
そして天使も花嫁と花嫁のお父様をエスコートしていたのかも知れませんね。
一歩一歩ゆったり歩かれるお父様と花嫁、
色々な思いが巡ったのか花嫁の目からは感動の輝きが光っていました。
お父様はそんな花嫁を気遣うように歩いていたのでしょうね。
チャペル内に雲の隙間から太陽が現れ、チャペル内にまばゆい光が照らされました。
それはお父様からの祝福、そしてずっと守り続けるという愛の光だったのでしょうね。
父のやわらかな愛を感じた感動の結婚式でありました。
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