千秋VS冬馬だと思ったのに
「やっぱ冬はみかんの季節だよね。」ニコニコ顔でダンボールからみかんを選ぶ夏奈。こたつに持って行くと、本を読んでいる千秋と冬馬がいた。冬馬は横になっていたが、千秋はなんだかそわそわして落ち着きが無い。そして意を決して手を伸ばすと、同じみかんを取ろうと冬馬も手を伸ばし鉢合わせになった。翌日学校で2人の対立が表面化した。「絶対口聞かないよ。許さないよ。」「俺も絶対許さない。」威嚇しながら絶好宣言をし互いに譲らない。「マコト君止めてよ寝えお願い。」助けを呼びに来たユカから、喧嘩を止めるように言われたマコト。「よし俺は行く。野球に行くから自分で何とかしてくれ。」仲裁に入ると思いきや、ユカをほったらかしにして帰ろうとした。自分では千秋と冬馬の喧嘩が止められないと理解していたからだ。
しかし帰ろうとした瞬間、不機嫌な様子は朝から続いていると気付いたマコト。「内田。喧嘩は昨日から続いているんじゃないのか?冬馬は昨日南の家に行った。そこで何かあったんだ。夏奈に事情を聞けば、何か分かるかもしれない。こんな時に備えていつも変身セットは用意してあるんだ。」喧嘩の原因が、昨日南家で起きた事に関係があると推理した。マコちゃんに変装し夏奈に会いに行った。しかし2人は喧嘩しているように思えたが、実はある人物の悪口を互いに言い合っていた。「二度と口を聞くかバカ野郎。」「あんなにケチだとは思わなかった。」2人は意気投合し包囲網を敷いた。夕方喧嘩していると勘違いしたマコトとユカは、千秋達が見たのと同じ状況に遭遇した。
「千秋と冬馬が喧嘩をしている?悪いけど事情は知らないな。」夏奈には全く心当たりが無く、みかんの筋を丁寧に取っていた。するとマコトがこたつの上に置いてあるみかんを取ろうとした。その時伸ばした手に強烈なチョップを食らった。更には自分の近くのみかんに腕を伸ばしたユカは、脳天チョップの洗礼を浴びた。選びに選んだみかんを取られる事を嫌がる、夏奈の独占欲が炸裂した。同じ頃南家で起きた事件を知らない千秋と冬馬。帰り道で昨日の出来事を振り返っていた。「私と夏奈は、自分で食べるみかんを箱から選んでいるからな。昨日はこたつから取ったのはよくなかった。」「俺も何の断りも無く取ったのはよくなかったよ。」完全に夏奈を目の敵にとっていたが、頭を冷やし自分にも非があると認めた。「大人気ないよな。まあ私達の方が大人だから謝っておこう。」大人気ない夏奈に対し、大人の自分達が謝ろうと決め南家に帰ってくると、みかん戦争の真っ最中。しかも投げ付けたみかんが、千秋に直撃した。「このバカ野郎!」目付きが変わりぶちキレた千秋。みかんを巡る戦いはエスカレートするのだった。(兄弟ならではの話なんですけど、夏奈は自分で選んだものだから譲りたくない。だけど千秋と冬馬は怒った事を悪かったと認め謝ろうとした。どっちが子供か分からない、喧嘩エピソードでした。食べ物の恨みは怖いなあと再認識しました。)