結婚しようと約束したスズメとカズヤの2人。泳げないスズメは、浮き輪を装着して手を繋ぎ川を渡ろうとした。探しに来た教師達は、川の中に入って行く2人を見て慌てた。「消防に電話を!」ベテランの鈴木は、中に入ったが途中で断念した。「今村・高森死んでなんになる。戻って来なさい。」小太りの田中の戻れの声は2人には届かず、一心不乱に歩き続けた。「嘘?ユメミ

あそこに」橋から2人の姿を確認したイチコ。一緒に走って来たユメミに2人の様子を知らせた。「カズヤ君ここから2人の未来が始まるって言ってた。」「何かを一緒に越えようとしているんだ。」結婚を約束した2人が、未来に向かって歩む儀式だと理解した2人は大声で声援を送った。(大人には自殺に見えるけど、子供達にはそれぞれの目標に向かって挑んでいる。馬鹿げているけど結婚をしたい彼らが、最初に挑む共同作業って事でしょうか?)



 同じ頃ユメミと出会えていないムントは、グンダールから放たれた古の刺客に襲われた。滅びた後の世界で、アクトの量が少なく苦戦するムント。「ムントは今天上人が償うべき過去と向き合っているのです。私達が負うべき罪をただ1人背負っている。」過去の天上人がアクトを巡る戦いで使用した人形と合間見える事が、過去との邂逅だとトーチェに教えたリュエリ。魔導国を救うべく戦うムントは、たった1人で過去の遺物に命を脅かされていた。(この危機を脱しなければ、アニメにならない。若本の送る刺客に対して勝って、救世主と考えているユメミと会わないと行けない。どうやって危機を脱するのか?)



 スズメとカズヤは、互いに声を掛け合いながら必死に川を渡り続けていた。「不思議、あんなに頼りないのに。いつも私達が守って上げなきゃって思っているのに。」「今思い返すと、本当はスズメが私を支えてくれた気がする。」守ってあげないといけない存在だったのに、頑張っている姿を見た2人は、その認識を改め逆に支えられていると考え始めた。「小学校2年の時、私スズメとクラス同じだったでしょ。その年の夏、クラスで隣町の丘陵公園に行く遠足があったんだけど、その朝熱が出て行けなくなったの。誰も居なくて1人きりになったの。このまま1人きりだったらどうしようって思った。でもスズメが家に来てくれたの。何も言わなかったけど、スズメあんなに遠い公園から何キロも歩いて私の所へ!わからない道を行ったり来たりして、それでも諦めないで

歩いて来たの。」ご飯を食べる約束を果たすべく、ユメミが病気で不安になった時、知らない道を歩いて駆け付けた事を思い出し、スズメ優しさを再認識した。「それでももうちょっと考えて行動しなきゃ。やり方がめちゃくちゃだよ。」スズメなりのやり方だが、それは非常識な事だと非難したイチコ。とってもいい娘だスズメ。普通は休んだらハイ終わりですけど、ユメミが寂しそうにしている時に約束を果たすべく来てくれたなんて、自分だった涙が出ますね。本当の友達なんだなって感じましたただやる事が常識外れだからイチコは心配でしょうがない。)



 ムントが刺客のレーザー攻撃に晒され絶体絶命の大ピンチ。大爆発が発生して、様子を見ていたトーチェも思わず声を上げた。魔導国を支える柱はまた崩壊してしまい、ついに残り1つとなってしまった。そして手を繋いでいたスズメもにもピンチが訪れた。カズヤと手が離れてしまい流されてしまったのだ。しかし流れに逆らい必死に泳ぐカズヤの頑張りで、何とか再び手を繋ぎ直し

見守っていたイチコは思わずガッツポーズ。噂を聞きた他の生徒達も集まり、2人の声援を送り始めた。その声に後押しされただ前に進む2人と仲間達の心は、目標に向かって1つになった。

この行為が本編とどう絡むか疑問なんですけど、私はネガティヴなユメミを動かすには十分だと思います。スズメはユメミにとって大切な存在だから、カズヤとの関係も上手く行って欲しいと願っているに違いない。だから目的を達成した後どういう反応を示すか楽しみです一方魔導国を

一本の柱で支えようとしているガスは、天上世界が倒れるのは時間の問題だと思っていましたけど、たった1つの希望の存在も気付いているみたいでした。それがユメミだというのは、分かっているかどうか、今の時点では不明ですけど。)



 ついにカズヤとスズメは、手を繋いで川を渡りきった。お互い顔を見合い笑顔で成功を喜び、見守っていたクラスメイト達も歓声を上げた。一方で人形はアクトを使い果たし消滅すると共にムントもアクトを失いかけ、消滅の危機に瀕していた。「ムントお前の国と共に消えるがよい。」地上に落下し始めた魔導国と共に消滅しろと願うクンダール。そして魔導国消滅の影響は、喜びと大人達の心配が交錯する現代日本にも及んで来た。雲の上から大陸の影が迫り、ただ1人見えるユメミは驚きを隠さなかった。「イチコ、私みんなの未来守れるかな?」目標を達成して未来に向けて歩み始めたカズヤとスズメを見て、消極的だったユメミが未来を守れるかどうか尋ねた。当然

イチコには信じられないことだが、ユメミはムントが言っていた事が現実になろうとしていると感じ始めていた。「そんな事あっちゃいけない!イチコ、お母さん、私皆の未来守って来る!」大切な人がいる未来を消してはいけない。ついにユメミが動き出した。(カズヤとスズメの行動は、ユメミを決起させる為の伏線だったんですね。頑張りと絆がユメミの心を動かし、自分にしか出来ない

ムントを助ける為の行動を始めた。ちょっと強引な理由付けですけどね。)



 今までユメミしか見えなかった天上世界。しかし落下してくる魔導国の姿は、空を見上げ人々にも見る事が可能になった。UFO・飛行機様々な憶測が飛び交う中、イチコだけはユメミの話を思い出し、空に浮かぶ大陸だと気が付いた。「ねえカズヤ、これユメミの空だよ!」手を繋ぐスズメもユメミの話していた事だと伝えた。「おばさん、ユメミはあの空の浮島をずっと見ていたんだ。あたし信じていたけど、今まで見る事が出来なかった。でもやっと見る事が出来た。ユメミはあたしが連れ戻すから心配しないで。」ユメミの母ノゾミにユメミの言っていた空の風景だと教え、連れ戻しに行くと言ってイチコは後を追った。その頃ムントの存在を必死に探していたユメミ。人生の中で、ずっと思っていた事を考えていた。5歳ぐらいの時初めて見た空は、最初誰でも見る事が出来ると思っていた。しかしそれを他の子供に教えても「嘘つき」呼ばわりされ信じてもらえず

自分だけが見えていると知った。(イチコとスズメだけが、ユメミの言葉を信じていた。だからイチコは親友を追ったのだと思いました。友情で繋がっているのは幼稚園の時から。深く考えないようにしても、スズメの頑張りに心を動かされた。消極的で内向的な性格の女の子が、未来を救うべく立ち上がる。心境の変化がきちんと描かれているのはいいですね。)



 しかし自分だけが持つ能力は、孤立感を与えるだけだった。ついには夢や非現実の事だと目を背けようとした。「これは夢じゃない。このままじゃいけない。私皆の未来を守る!」橋の上に着いた時自分の弱さを力に変えて、未来を守る意志を固めたユメミ。橋の上は、滅びた世界に繋がりムントが目の前に現れた。「来たか!お前の声は時空を超えて、俺様に届いた!それこそが未来を開く者の力、これこそ運命の娘だ。同じ力を持つ俺達は、アクトの循環を生み出す力を持っている。」存在が消滅しようとする中、ついにムントはユメミと出会った。そして運命の力を持つ

娘だと、呼びかける声を聞いて理解した。「私はムントを私の力で!」壁に飛ばされながら、必死に近づこうとするユメミ。その姿は連合国の長老達に驚きを与えた。「これがムントの狙いなのか?」リスクを背負い地上に降りた狙いに気付き始めたグンダール。ムントも壁に抗うユメミに手を伸ばし始めた。ついにユメミが奇跡を起こし、2人の手が繋がった。気がついた時には、追ってきたイチコの手に抱かれていた。どうなったか分からないが、多くの人が見上げた空の存在に気付いたのだから、いつかムントに会えるとユメミは思い始めていた。