誰も傷つけたくない!傷つきたい、自分でちゃんと…!
何事からも逃げない、目を背けていちゃいけない
痛みを伴う色だって、すべてをみたいの。自分で!


厨二アニメ、映像だけすごいアニメ…とか聞いた後での視聴だったので
あまり期待していなかったのですが、逆にそれが良かったのでしょうか?
むしろいい印象のほうが強くてびっくりです(笑)


マトとヨミの友情物語になると思いきや、
思春期の少女たちの精神的な成長物語になりましたね。
キャラ設定が中学生なのでこの展開には納得できましたし、
最終的な話の落ちどころも個人的には満足だったかと。


確かにこの作品が嫌われる理由もわからなくはないですし、
私もちょっと苦手だな、と思う部分もありました。
でも全体としては割と分かりやすいストーリーを描いてくれていたので
ある程度の世界観を理解してしまえば話にどんどん引き込まれましたね。
私がきっちりと話を理解できたのかどうかはわかりませんが(笑)



マトにとってのユウ、ストレングスが消えることはユウの悩みを消すことになる。
ストレングスの決意も、考えてみればユウが大好きだからなんですよね。
入れ替わることでストレングスが知った友情。現実の素晴らしさ。
それを知る以前のストレングスはユウを現実に戻すことなんてできなかったでしょう。

確かに辛いこともあるけれど、友達がいる素晴らしい現実を知ってほしい。
ストレングス自身が感じてきた現実の素晴らしさをユウにも感じてほしい。
ストレングスの考えは的を得ていますし、ユウが大好きだからこそ出る結論ですね。

ストレングスからしてみれば、現実の素晴らしさを知ったのですし
自分がそこに居座り、ユウをあの世界で戦わせ続ける事だってできたはずです。
でも、ユウが大好きだから、元は自分がユウの痛みを受ける存在だから
自分が消えて、ユウを現実に戻そうと考えたわけですね。

こうして、今後ユウは現実での痛みも悲しみも喜びも、
すべて自分で受けることになるでしょう。

Cパートでまたストレングスが復活していましたが、
「この世界で」という言葉が強調されていましたから
彼女たちはもう現実の痛みを受けるだけの存在ではなくなったということなのでしょうね。




マトが出した結論は正しいとは言い切れない結論でした。

でも傷つけられるばかりでは「友情」は成り立ちませんし、
逆に傷つけるばかりでも「友情」は成り立ちません。
最初のヨミとカガリの関係はまさにこの状態でしたから、
それをみてマトが感じたことだと思えば納得はできますね。

時には誰かを傷つけることも大事だという言葉だけを聞くと
首をかしげてしまいそうですが、ちゃんとそうした結論に至るまでの過程が
描かれていたので説得力はあったかと思います。
それをみて、聞いてどう感じるかは人それぞれですね。

私は誰かを故意に傷つけることが正しいことだとは思いません。
おそらくマトがいう「誰かを傷つける」ことも
「故意に傷つける」ことではないと思うのですが、
それでもそれが「正しい」と言い切ってしまうのは、
ちょっと違うような気もするのですよね。
難しいところではあると思いますし、この辺の解釈は
個人の価値観の違いによって大いに違ってくるでしょうね。
ストーリーの一部としては筋が通っていたので文句はないのですけれどw



こうして考えてみると、この作品はいい作品だったと思います。
散々な酷評されっぷりだったのは、マトの考え自体を
受け入れられる価値観の人が少なかったのかもしれませんね。
私も100%は受け入れられなかったですしw

ただ、作品の内容に沿った結論であると割り切れば見え方が違ってきます。
私も自分の価値観を押し付けてみると納得のいかない作品になっていたかもしれませんね。



結局、作品の善し悪しなんてものはなくて、個人が気に入ればそれでいいのですが
この作品の評価があまりにも低すぎるのはちょっと残念ですね。
だからといってこの作品を受け入れられなかった人が悪いわけでもないですし、
無理にすすめるようなこともしないですけどw

映像面でも優れていたので、私はこの作品を高く評価したいです。
この作品に関わったスタッフ、キャストのみなさまお疲れ様です!ありがとうございました!