アメブロが最近自分の備忘録になりつつあります。
前回のJEEP アンリミテッドもそうですが、意外に国内の事例はあまり出ていなくて北米のフォーラムやらで事例を見漁って原因追求のとっかかりにする事が多いです。まあプライベーターやらプロフェッショナルが混在しているので様々な修理事例がありますが車検の無いアメリカではディーラー以外の修理工場のテクニシャンも存在するので色んなアプローチを参考にしています。それでダメなら国内のテクニシャンに依頼する形になります。
今回はGM では割とメジャーな不具合のボディコントロールモジュール関連によるエンジン始動不良についての修理作業をノートしておきます。
車両は07y シボレー タホ 5.3L-V8
オーナーの話ではまずキーレスが効かなくなり、鍵でドアを開けてキーを刺してオンにするがメータークラスターは点灯するがセルモーターが回らない。コードリーダーも接続出来ないと言う状況でした。
入庫してから自分が確認した際はキーオンにしてもクラスターの電源すら入らずブラックアウトしたままで全く電気が来ている気配がありませんでした。
気になったのはシガーソケットからの大量の電源供給、USBやらでとにかくアクセサリー電源を取ってたので全て外しました。
バッテリーの充電量を確認すると要充電レベル、バッテリー自体は交換して2年くらい。念のため新品のバッテリーに交換しました。バッテリー端子の腐食による不具合もよく聞く車種なので端子とフューズブルリンクとボディアース端子を確認しながら接点をクリーニング。次にエンジンルームのフューズボックスを開けて地道にフューズ飛びの確認と接触端子のクリーニング。運転席側の車内側のフューズボックスも同様に確認とクリーニング。
再度キーオンにするが症状は変わらず。
北米の症例で見たチェックポイントは一通り確認した後に行きついたのがボディコントロールモジュール(BCM)です。キーオンにしてまずはここが要とも言える回路でイモビライザーやらエンジンやらミッション、エアバッグと言った主要なセクションに繋がるゲートウェイです。
このタホには7つのカプラーが付いているタイプでした。GM のトラックやSUVにはこのタイプのBCMが採用されていてシボレーやGMC、キャディラックもこの方式になっています。そしてこのBCMの不具合も割とメジャーなトラブルの様で似た様な症例を沢山目にしました。一概にこれが全ての原因だとは言い切れませんがこちらも不具合の原因になり得るパーツだと言う事です。
本来であればMDSを使って車体側のコンピュータ経由でBCMに車両情報をリライトする事になります。
しかし現在はMDSが無くても解決する事が分かりました。イモビライザーキーの再登録も出来ます。唯一エアバッグの通信だけ社外のスキャンツールでセットアップが必要ですがMDSを使わずに普通に元通りにエンジン始動することが出来ました。
エラーコードはイレースしてやれば警告灯も消えてくれます。
昔と違って2007くらいだとBUSだったり複雑なワイヤリングやらセンサーが増え始めてきた年代なのでこういう電気的な回路のトラブルは要注意ですね。5Aのフューズでエンジンかからなくなるとか、折れ曲った配線の中が断線していて電源入らなくなったりとか、目に見えない電気系のトラブルは本当に厄介です。
内燃機関の時代から電気自動車になるのを文明の進歩だとか地球環境に配慮とかカーボンフリーとかで手放しで喜べないのが自分のホンネです。
開発するのは凄いけど、壊れた時どうなるのか想像したくありませんね。
そんな印象の修理でした。