4.5畳の恋人 はじめに
実質4.5畳の部屋に2人で暮らしいてる恋人の話です。……といいますか、お恥ずかしいことに私(IT企業勤務・勇太郎)と一級建築士・夏子のノンフィクション日記です。ワケあって、過去から執筆しております。2006年12月、大変なことになりました……。現在は2008年1月、過去を振り返って書いて行きます。大変なことになるまでのいきさつをお読みください。はじめての方は、ブログの左側にある「ブログテーマ一覧」の1話からお読みください。
ゴマブックスより書籍化決定しました!
ゴマブックスさんより書籍化されることになりました。私のブログをお読みくださっている皆さまのおかげです。また、ゴマブックスの編集者の皆さま、担当の安井さま(と、夏子ファンの奥さま)のお力があってのことです。今後とも、実話の夏子と私の物語を見守っていただければと思います。どうぞこれからにご期待ください(何を!?)。
ケータイ小説化しました!
ケータイ livedoor さんのケータイ小説になりました! ケータイでも手軽に読めるらしいのですが、当人の夏子は「私が悪者っていうイメージが定着しゃうじゃないのよ!」と激怒していましたが、焼肉を数回おごるにつれて怒りが小さくなり、いまは焼肉を食べさせてもらう口実になってむしろ喜んでいるのが見て取れます。
こちらから読めます
『4.5畳の恋人。』について
アメーバブックスのブロガーインタビュー
テレビ東京『うぇぶたまww』で紹介されました
アメーバニュースに載りました!(2008年1月5日)
ならいいじゃない
引っ越した……。
そしてついに、2007年を迎えた!!
いま思えば、いろいろあった。
2005年に夏子と出会い、夏子の飯を作り、
夏子にモノを買い与え、夏子の肩をもみ、
夏子の暴走を止め、夏子の……夏子の……
夏子にしてやってばっかりじゃん!!!!
でもいま思えば、普通はできない経験を
夏子から得ていたのかもしれない。
……いま思えばだけど(´Д`)。
夏子はとても魅力ある女性だったが……
もう戻りたくない、夏子のいる日々。
夏子 「お腹すいた!」
俺 「もうすぐできます(´Д`)」
夏子 「せっかくの新年なのにチャーハン?」
俺 「いや、あのさ……なんで家にくんの?」
夏子 「いいじゃん近いんだから!」
俺 「ダメじゃないけどさ……なんかおかしいじゃん?」
夏子 「なんでよ」
俺 「あれほど出て行けって言ってたのに……」
夏子 「勇太郎は夏子のこと好きなんでしょ?」
俺 「もうその手は効かないよ」
夏子 「ぷんぷくりーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「かわいく怒ってもダメだよ」
夏子 「嫌なら家に入れないでよ」
俺 「せっかくきたのに追い返せないでしょ」
夏子 「追い返せないんでしょ?」
俺 「追い返すのはかわいそうでしょう」
夏子 「夏子はかわいそうな子なの」
俺 「……」
夏子 「明日棚とかもってくるから置かせてね」
俺 「夏子、ここおれんちだからな」
夏子 「夏子の別荘でしょ?」
俺 「……(´Д`)」
バイバーイ!
夏子は大晦日に実家に帰ることになった。
別々に暮らしてお互いの生活をエンジョイ(?)していたが、
今年最後ということで、俺の家でお茶をすることにした。
夏子 「なんかものが増えてる!!」
俺 「ガラステーブルだけ買ったよ」
夏子 「何も買わないとか言ってたのに約束違反!!」
俺 「そんな約束してない (´Д`)」
夏子 「でもなんで、フトンとテーブルが部屋のすみに?」
俺 「ああ、なんか落ち着かなくて……」
夏子 「ほら!! 急に広いところに住んだから落ち着かないんでしょう」
俺 「う、うん。そうかもしれない。部屋のはじにかたよりがち」
夏子 「そういうもんなのよ。4.5畳くらいがちょうどいいのよ」
俺 「それはもうカンベン (´Д`)」
夏子 「夏子はそこに住んでいるのに失礼よね」
俺 「ご、ごめん。でもほら、おれがいなくなって広くなったでしょ」
夏子 「実家からものをもってきたらもっと狭くなった」
俺 「…… (´Д`)」
夏子 「ねえ……お願いがあるの♪」
俺 「俺の部屋をトランクルーム化ですか (´Д`)」
夏子 「そう♪」
俺 「すこしは申し訳ない顔して言えよ!! (´Д`)」
夏子 「いいでしょう?」
俺 「うーんでも、ここらでケジメつけるためにもやめよう」
夏子 「都合よすぎ!!」
俺 「都合いいのそっちだから (´Д`)」
夏子 「夏子のこと好きなんでしょ!?」
俺 「そういう問題じゃないって。何を置きたいの?」
夏子 「ちょっとしたもの」
俺 「だからなに」
夏子 「本棚」
俺 「家具じゃん!!!!!!!!!!!!!!」
夏子 「実家からものもってきたら、置くところなくなったの」
俺 「……勘弁して」
夏子 「じゃあ、本棚あげるからもてって!!」
俺 「収納あるし、いらないよ!!」
夏子 「タダであげるのに!!」
俺 「粗大ゴミの有料シール買いたくないだろだろ!!」
夏子 「てへ♪」
俺 「てへじゃねええええ (´Д`)」
夏子 「そろそろ行かなきゃ」
俺 「うん、じゃあ、また来年ね」
夏子 「うん」
俺 「……もう大晦日だけど、年賀状書くね」
夏子 「ありがとう……。勇太郎、実家に帰るの?」
俺 「帰るかもしれないね。どうして?」
夏子 「年賀状いらないから実家からおいしい物とか送って♪」
俺 「…… (´Д`)」
夏子 「バイバーイ!」
あまりにそっけない最後だった。
これが4.5畳の生活の終わり。そして新しい生活の始まりだった。
こんなんじゃ落ち着かないでしょ?
ついに引越しが終わった。
予定より1日遅れの12月24日に引越しをした。
夏子とはいろいろあったけれども、まだ気持ちがあるのは確かだ。
夏子 「あーん、もうお別れなのネ♪」
俺 「別れで喜ばれるのって複雑だぞ (´Д`)」
夏子 「荷物は全部あっちにあるの?」
俺 「一緒に運んだジャン!!」
夏子 「ううん、新しく買ったものとかあるの?」
俺 「買ったのなんて洗濯機くらいだよ (´Д`)」
夏子 「それは良かった♪」
俺 「じ、じゃあ、もう行くね」
夏子 「うん……」
俺 「いまになってさびしくなった?」
夏子 「そうじゃないけど、一緒に行ってみていい?」
俺 「いいよ。でもなにもないけど
そして新居へ
夏子 「やっぱ広い!!」
俺 「うん、できるだけ広い部屋がよくて」
夏子 「11畳だよね? 4.5畳の2倍以上あるじゃん」
俺 「あー、そうだね。けっこう広い」
夏子 「でもさあ、こんなに広さ必要ないでしょ」
俺 「はい? (´Д`)」
夏子 「勇太郎にこんなスペースいらないでしょ?」
俺 「おっしゃる意味が……」
夏子 「夏子の荷物置いてもいいよね!!」
俺 「ここはトランクルームじゃねーよ (´Д`)」
夏子 「スペース使わないのにもったいないでしょ!!」
俺 「いや、そういう問題じゃなくて……」
夏子 「スペース独り占めするっていうの!?」
俺 「ここ俺んち (´Д`)」
夏子 「こんなんじゃ落ち着かないでしょ?」
俺 「すげー落ち着く!!」
夏子 「……そう。性格悪くなったね」
俺 「そういう問題じゃ…… (´Д`)」
とはいえ、
夏子の言った「こんなんじゃ落ち着かないでしょ?」という言葉は
間違っていなかった。それはこれから実感することになる。
不動産屋あせる「無理かも」
夏子の家の近所に引越しが決まり……
夏子 「ちゃんと洗濯機注文した?」
俺 「し、しました (´Д`)」
夏子 「よし。あとは引っ越すだけだね♪」
俺「うん。でも、契約に時間かかるらしく……」
夏子 「どういうこと?」
俺 「年内に引越し無理かもって言われた」
夏子 「嫌!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺「そんなこと言われても……」
夏子 「どうして時間かかるのよ!!」
俺 「物件の大家さんと管理会社と不動産屋に分かれてるらしく……」
夏子 「ああ、やりとりがあるのね」
俺 「そ、そう」
夏子 「夏子が連絡してあげる!!」
俺 「おいおい、無茶なことしないでよ!?」
夏子 「つつけば早くなるときがあるの!!」
俺 「待って。俺がもう一度連絡してみるから」
夏子 「……メールじゃなくて、電話して聞くのよ」
俺「は、はい (´Д`)」
不動産 「はい、○○不動産です」
俺「あ、あのー、南麻布の物件の勇太郎ですけど~」
不動産 「契約ですよね。まだこっちに書類まわってきてなくて」
俺「あー、今年中に引っ越さないとヤバくて」
不動産 「ヤバい?」
俺 「いや、なんていうか、そういう感じで」
不動産 「うーん、では管理会社にも話してみますね」
俺 「よろしくおねがいします!!」
不動産 「でも、期待しないほうがいいかもしれないです」
俺 「そ、そうですか。わかりました」
夏子 「なんだって?」
俺 「今年の引越しは期待しないでって」
夏子 「はあ?」
俺 「事務作業がいろいろあるらしい」
夏子 「夏子が電話する!! 絶対早くなる!!」
俺 「おいおい、無理なものは無理だから!!」
夏子 「いいから電話する!!」
夏子電話中……
夏子 「今年中できるって」
俺 「ど、どんな技使った? (´Д`)」
もって行くもの、残していくもの
夏子 「勇太郎、いい物件あったわ」
俺 「どこらへんの物件?」
夏子 「南麻布。ここが麻布十番だから、すぐ近くね」
俺 「な、なぜゆえ近くに……」
夏子 「近いと便利でしょ。夏子が」
俺 「はい? (´Д`)」
夏子 「夏子に何かあったときすぐこれるでしょう!」
俺「行かなくちゃならんのか……」
夏子 「夏子が何かあったらそっち行けるでしょう?」
俺 「来るのかよ!! (´Д`)」
夏子 「詳細読んでここでいいなら、問い合わせしてあげようか?」
俺 「あ……、どうしようかな」
夏子 「問い合わせはタダなんだからしなさいよ!!」
俺 「は、はい!! (´Д`)」
夏子 「いいこだね~♪」
俺 「……かんべんしてよ (´Д`)」
夏子 「ところでさ、PSPとニンテンドーDSは置いていくよね」
俺「あ、ああ。あげたものだしね。置いていくね」
夏子 「勇太郎が持っていくものって、服くらい?」
俺「おい (´Д`)」
夏子 「ほかに何かあるの?」
俺「液晶テレビとか PS2 はもってくよ」
夏子 「は? おかしくない?」
俺 「おかしくないよ。俺のだもの」
夏子 「だって勇太郎が買ったものでしょ!!!!!!!!」
俺 「うん、だから持ってくんだけど (´Д`)」
夏子 「ずるい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「ずるはしてないよ」
夏子 「勇太郎、夏子のこと好きよね?」
俺 「そんな甘えた顔してもダメ」
夏子 「そんな軽い気持ちで夏子と付き合ってたの!?」
俺 「なんぞ? (´Д`)」
<夏子のものになった俺のもの>
・マンガ単行本
・PS2
・液晶テレビ/アクオス
・ニンテンドーDS
・PSP
・ゲームソフト
<俺が持っていく俺のもの>
・服
・食器
夏子 「食器は持ってってね」
俺「なんで食器だけ……」
夏子 「夏子、料理しないもの」
俺「(´Д`)」
夏子 「ところで、引越し先に洗濯機置き場はあるよね?」
俺 「洗濯機置き場は欲しいね」
夏子 「よしッ!!」
俺「なによ (´Д`)」
夏子 「節約のために勇太郎んちに洗濯に行くから」
俺「おいおい (´Д`)」
夏子 「コインランドリーもバカにならない出費なの」
俺 「いや、そういう問題じゃなくて……」
夏子 「そういう問題でしょ」
俺「あのさ、夏子まで持っていく気ないよ」
夏子 「ハァ!? 夏子のこと好きなんでしょ!?」
俺「好きだけど、もうふんぎりついたし」
夏子 「洗濯と恋愛は別だよね? そうだよね!?」
俺「……は、はい (´Д`)」
夏子限界!! 早く出てってよ!!
俺 「な、なに? 甘えるような声で……」
夏子 「夏子がデートしたあとにさ、うちに帰るとさ」
俺 「うん」
夏子 「別の男がいるのっておかしいよね?」
俺 「ま、まあ、普通はないかもしれないね」
夏子 「出てって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「…… (´Д`)」
夏子 「もう限界!!」
俺 「もう諦めてよ。来月末には出ていくんだし」
夏子 「だっておかしいでしょ!? 寝るときくっついて寝るのよ!?」
俺 「仕方ないよ、超狭いんだし」
夏子 「音楽聴くときも一緒なのよ!?」
俺 「へ、部屋が狭いんだから仕方ないって」
夏子 「ご飯だって一緒のもの食べてるんだから!!」
俺 「それは喜んで食ってるだろ (´Д`)」
夏子 「愛する人と寝れないのに嫌いな人と寝るのよ!?」
俺 「そんなに嫌いなのかよ」
夏子 「嫌いじゃないけど好きな人と寝たいの!!」
俺 「俺と一緒に住んでること知ってるの?」
夏子 「言えるわけない!!」
俺 「……わかった。ちょっと早いけど、不動産探しする」
夏子「本当!?」
俺 「うん。で、夏子も手伝ってくれるって言ってたよね」
夏子 「手伝う!! 早く出てってよ!!」
俺 「…… (´Д`)」
夏子 「……」
俺 「どうして俺とはやり直せないの?」
夏子 「前にも言ったじゃない」
俺 「なんて?」
夏子「一度終わった人とは好きだとしても付き合わない主義なの」
俺 「……それマジな話なの?」
夏子 「うん」
俺 「友だちにもなれないの?」
夏子 「友だちにはなれる♪」
俺 「そうか……」
夏子 「夏子が危機になったら助けてね♪」
俺 「…… (´Д`)」
……
夏子は俺が12月末まで家を出ないことを受け入れて
あきらめがついたようで、あまり興奮しなくなった。
それはそれでいいのだが、なんだかさびしい日々でもある。
夏子 「お腹すきましたね」
俺 「あ、そうだね。なんか作ろうか」
夏子 「冷蔵庫になにもないですよ」
俺 「じゃあなんか材料を買ってくる。何食べたい?」
夏子「焼肉なんかどうですか?」
俺 「焼肉!? ここで?」
夏子「外食なんてどうかしら?」
俺 「……外食はいいけど、その話し方やめようよ」
夏子「どうして?」
俺 「丁寧に話してると感じ悪いよ。不自然すぎる」
夏子 「だって夏子と勇太郎はもう関係ない人でしょう?」
俺 「でも感じ悪い。一緒にいるんだから普通にしようよ」
夏子「……ひどいよね」
俺 「なにが?」
夏子「夏子のこと好きなのにいじわるする」
俺 「いじわるしてない (´Д`)」
夏子 「してる」
俺 「普通にしてたいだけ!!」
夏子「好きならこの状況どうにかして!!」
俺 「なに」
夏子「……」
俺 「もう好きな人いないんでしょ?」
夏子「……できたの」
俺 「はい? (´Д`)」
夏子 「好きな人できたの!」
俺 「まじで? 早くない?」
夏子 「夏子は好きじゃないけどあっちが夏子のこと好きみたい」
俺 「うほッ!!」
夏子 「そしたら少しいいかなって思えるようになったの」
俺 「付き合ってるの?」
夏子「付き合ってない」
俺 「チューしたの?」
夏子 「……」
俺 「……」
夏子「……」
俺 「……」
夏子「……」
俺 「す、好きな人ができたからまた俺がうざいと?」
夏子 「……そう」
俺 「ギャグマンガかよこれ (´Д`)」
夏子 「ギャグじゃない本気!!」
俺 「夏子ファンじゃなくて、本当に彼氏として確保したの?」
夏子 「ファンでは飽き足らないみたい」
俺 「……」
夏子 「……」
俺 「……」
夏子 「……」
不動産見つかったの?
夏子 「不動産見つかったの?」
俺 「いや、まだだけど」
夏子 「そろそろ見つけないと12月に引っ越せないんじゃない?」
俺 「いやいやいやいや」
夏子 「なによ」
俺 「12月末に引っ越すわけだから、契約は12月下旬になるよ」
夏子 「えーーーーーーーーー!! 遅すぎる!!」
俺 「ボーナス出てから出て行くから、いまは無理」
夏子 「4.5畳みたいなとこに住めば安いでしょ?」
俺 「いくら安くても4.5畳は勘弁して (´Д`)」
夏子 「高望みしてない? どんなところに住みたいの?」
俺 「うーん、そうだなあ」
・風呂とトイレが別の部屋
・浴槽つきの風呂場
・10畳以上の広さ
・職場(六本木)の近く
・敷金や礼金などの初期費用が少ない
・家賃10万円くらい
夏子 「……ちょっと難しいんじゃない?」
俺 「えっ!? まじ?」
夏子 「麻布とか広尾付近を入れても難しいわ」
俺 「……どうしよ」
夏子 「わかった。夏子が探してあげるから」
俺 「まじ!?」
夏子 「うん♪」
俺 「久々にやさしいなあ。さすが一級建築士!!」
夏子 「でへへ。早く出てってほしいし♪」
俺 「幸せそうな顔して言うなよ (´Д`)」
夏子 「勇太郎いなくなったらここも6畳くらいになりそう」
俺 「夏子が次元のヒズミでも作れれば可能だな」