女性議員が子連れで出席できる議会は、女性とこどもが住みやすい社会を作ることができると思う #子連れ会議OK (追記あり)
- 2017/11/27
- 18:10
赤ちゃんをよそへ預けることができなかった女性議員が議会に子連れで出席しようとして拒否されました。
●赤ちゃん連れ出席を熊本市議会認めず 開会遅れる
[2017年11月23日]
https://www.nikkansports.com/general/news/201711230000263.html
熊本市議会で赤ちゃん連れ議員の出席認められず。
— ハフポスト日本版 (@HuffPostJapan) 2017年11月22日
⇩
世界には議場で授乳した議員もいましたよ #男女格差114位ショックhttps://t.co/NbrHlxu8dK
このツイートについてるリプライも女性議員を非難するものが多いです。
パフォーマンスだと冷笑したり、「ルールを守れ」「迷惑以外の何物でもない!自分さえ良ければいいのか?周りが迷惑!」「自分の主張を通すために子供使うなよ」等々の非難を加えるたりするよく見慣れた光景も展開されて、ため息が出ます。(それにしても、ルールを守れ、子どもを政治のだしに使うな、というテンプレがホントに好きですね、日本人って)
テレビもこんな感じだったようですね↓
なんでTBSはこれを「迷惑行為」っぽい文脈で取り上げてるのか謎。女性が出産しても職場に復帰できるというのは、政府が主導してる女性活躍、働き方改革の主要なテーマだろうに。そりゃジェンダーギャップ指数過去最悪を更新し続けるわけだよ。 https://t.co/n1jobGjVWq
— 津田大介 (@tsuda) 2017年11月22日
欧州でも最初は子連れで議会に出席することにかつては批判と賞賛がありましたが、今では子連れ出席を受け入れています
1974年、世界で初めて市議会に子連れで現れ授乳までした、当時のデンマーク人女性市議会議員のティーナ・シュメーゼスさん。当時世界的ニュースなった。デンマーク人女性の真骨頂とも言える大胆な行動でした。この人の行動が先例となり、子連れで議会に現れる女性議員が出始めました。#子連れ会議OK pic.twitter.com/eQ30XnEa2Z
— 北欧留学情報センターBindeballe (@bindeballe) 2017年11月26日
●国会に赤ちゃんを連れてきたのは、スペインの政治家が初めてではない。世界各国での動きは?
http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/25/baby-congressman_n_9067452.html
●熊本市議会で赤ちゃん連れ議員の出席認められず...でも、世界にはこんなにいます
http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/22/kumamoto_a_23285061/?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
議場でおむつ替えや授乳もあり。
カナダのハッサイニア議員は「こうしたことが考慮されないと、女性、特に若い女性が政治に関わることを思いとどまってしまうようになります。これは非常に残念なことです」。
オーストラリアのラリッサ議員はTwitterで「娘のアリアが連邦議会で授乳された初めての赤ちゃんになったことを誇りに思います。議会には、もっとたくさんの女性や親たちが必要です」と述べています
小さな子どもは時に親から離れられないときがあります。ですから託児所を完備する他に、子どもをつれて入ることもOKという選択肢があれば、小さな子どもを持つ女性達が議員としてより安心して活躍できると思うし、子どもにとっても良いことだと思います。
これを「ママ議員」に限らず「パパ議員」にも認めるようになって欲しいですね。議会がそうなっていくことが男女格差を解消し、子育てを社会全体でバックアップしていくことにつながると思います
しかし熊本市議会はなんとか子供連れて議会出席できるように計らうんじゃなくて、「何らかのけじめをつけなければいけない」と緒方議員への処分の内容を検討し、来週に予定されている議会運営委員会へ諮るんだそうです。なんとも逆方向に進もうとするんですね
●赤ちゃん連れで市議会に出席 緒方市議を処分検討へ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171123-00000005-rkkv-l43
この女性議員に対し懲罰を与えようとする態度は、議会は未だ男社会で、ミソジニー(女性嫌悪)がまだまだ無くならないのだな、と実感させられます
赤ちゃんを同伴した熊本市議が処分されるようですが、ここで欧州議会における赤ちゃん達の様子を御覧下さい。 pic.twitter.com/ZWt0EfJDep
— 異邦人 (@Beriozka1917) 2017年11月24日
これらの写真にに比べて、この男社会の権威的な縮図
↓
緒方議員は少し涙ぐむ場面もあったとか。
とうとうBBCでも報道されました。
For crying out loud 👶
— BBC News (World) (@BBCWorld) 2017年11月24日
Japanese politician forced to remove baby from council session https://t.co/O0BzhWq1LN
日本は保育園が圧倒的に足りないし、近所に保育園ができれば子どもの声がうるさいと建設反対運動が起きる事に見られるように、働く女性と子どもに冷たい国ですが、それが市議会という公的な場所でも現れた形です
これで「女性が輝く社会を」とか、「四人産んだら表彰」とか、子どもがいない家庭は税を重くするとか、何の冗談かと。
一方で沖縄の北谷町議会では、控え室を保育スペースにして補正議員が働きやすいよう環境を整えようとしています。熊本市とは対照的ですね。こういう取り組みがもっと進んで欲しいです。
働く女性と子どもに寛容な社会はみんなが生きやすい社会だし、働く女性と子どもに不寛容な社会は多くの人々が生きづらいと感じる社会だと思います。
●赤ちゃん連れ議員を処分する熊本、保育スペースを作る沖縄
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20171126-00078566/
(引用開始)
熊本の緒方市議と全く同様に、事務局に相談し、緒方議員はけんもほろろに突っぱねられ、宮里議員は「女性議員が働きやすい環境づくりにつながる」と保育スペースを提要する方針を固めたそうです。
ここから分かるのは、
「神聖な議会なんだから、子どもなんて連れてくるな」
「赤ちゃんが泣いたら、議論に集中できなくなる」
なんていうのは、単なる排除の論理でしかない、ということです。
【今必要なのは「処分」ではない】
熊本市議会、特に議長である澤田昌作(自民党)議員のやるべきことは、処分でも謝罪を求めることでもありません。
熊本市議会は子育てしている母親を排除するような場ではなく、工夫と柔軟性によって、誰しも参加できる場所なんだ、ということを証明することです。
そして市議会だって変われたんだから、熊本の企業や地域社会も、子育てフレンドリーな場所に変われるんだ、みんなで変わっていこうよ、とリーダーシップを取っていくことです。
熊本市民の皆さんも、このまま49人の市議会で、女性がたった3人しかおらず、圧倒的多数の男性たちが、1人の女性を「ルール違反だ!処分だ!」と取り囲んで攻め立てる、という構図を放ったらかしにしておいて良いのでしょうか?
この機会を生かして変われなければ、熊本は、いや日本の地方議会はいつ変わるのでしょうか?
最後にヨーロッパの議会の写真を貼っておきたいと思います。(写真は省略)
ヨーロッパの人々にできて、我々にできないことなんて、あるのでしょうか?
(引用ここまで)
こちらのツイートもチェックです。特にこの記事↓は読んでみてください
〈「訴え方がおかしい」と言われても、「じゃあどうやって訴えるの?」と言わざるを得ません〉と。 →赤ちゃんを市議会に連れ込むことは、悪いことなのか?(駒崎弘樹) - Y!ニュース https://t.co/TVo4xc70li
— Shoko Egawa (@amneris84) 2017年11月24日
「ここは日本だから」とか様々な理由をつけて進んだ国の話を拒否する人って、進歩を拒否してどんどん世界から遅れた国になり、少子高齢化もどんどん進んで経済的にも後退してゆくゆくは日本なんか滅んでもかまわないと思っている人なのかな~?そういう人たちが「愛国」とかチャンチャラおかしい! https://t.co/y54yP0El9O
— 島岡まな (@manna2010able) 2017年11月23日
#子連れ会議OK
— 働くママ@育休中 (@socialmamatokyo) 2017年11月25日
私の職場では既にそうで、隔週で子連れお母さんと会議しています。たまにキッズがご機嫌ななめだったり騒ぐときもあります。でもそれを迷惑がるような不寛容なメンバーはいませんし、議論が停滞して困ったこともありません。やればできるもんです。→
いつでも子供連れて行くんじゃなくて、そういうことがあってもいいってこと。1か0かじゃなくて、そのときどきの選択に対して、寛容な社会になれば、子育てだけじゃなくて、すべての人が生きやすくなるはず。#子連れ会議OK
— ゆもあひる (@yumoduck19) 2017年11月26日
批判ツイートの多くが的外れすぎる。
— 子育てとーさん (@kosodate10_3) 2017年11月26日
常に子供を連れて会議をしましょう!会議は子連れ同伴で!
って話ではなくて、いかんともしがたいときに子連れでもいいよ。
そういう時あるよね。お互い様だよね。ってことでしょ。
言葉をそのまま受け取りすぎやしませんか?
#子連れ会議OK
映画監督の紀里谷さん、作家の乙武洋匡さんが「子連れ会議OK宣言」をした。
— 駒崎弘樹@子連れ会議OK (@Hiroki_Komazaki) 2017年11月25日
僕もそれに続きたいと思います。
外部の企業や個人・団体の皆さん、僕との打ち合わせ・取材・講演等には子ども連れ、完全にOKです。
この輪が広がりますように。#子連れ会議OK pic.twitter.com/c7qMaw4rEL
<追記>
緒方議員は、妊娠中から赤ちゃんを預けられる仕組みを議会として取り組んで欲しいと要求してきたのですが、議会としてはサポートしない、あくまで個人でなんとかしてくれ、という話だったようですね。それで、この問題を考えて欲しくて赤ちゃんを連れてきたそうです。緒方議員へのインタビューを追記しておきます
●荻上チキ 赤ちゃんと議場入りした緒方夕佳・熊本市議インタビュー
https://miyearnzzlabo.com/archives/45969
(引用開始)
緒方夕佳さんインタビュー
<インタビュー音源スタート>
(荻上チキ)緒方さん、こんばんは。
(緒方夕佳)こんばんは。
(荻上チキ)よろしくお願いします。
(緒方夕佳)よろしくお願いします。
(荻上チキ)さて、今回ですね、市議会に赤ちゃんを連れて行ったということで非常に大きな話題になっているわけですけども。そもそも、今回の行動に至るまでにはどういう経緯があったのでしょうか?
(緒方夕佳)去年、子供を授かりまして。その報告を議会事務局にした折に、「生まれてから、小さな赤ちゃんのいる状態での議員活動をサポートしてほしい」っていうお願いをしまして。で、具体的には「いつでも授乳をできるように議場に連れて行きたい」というような話をしまして。そしたら、「議場は難しい」と。「ならば、いま国会の方では議員用の保育所なども整備されているんですけども、熊本市議会にも託児所が作れないか? そこは議会の傍聴に来られた方も預けられるので、託児となると人間と場所を両方確保しなくてはいけないので。議員としてはまだ私しか、利用者がいないのであれば、まずは人だけの確保ができないか?」というような話をしてきたんですけども……。
(荻上チキ)ええ。
(緒方夕佳)事務局としては、「議員さん個人でベビーシッターを雇って対応してください」というような、すごく個人的なことというようなメッセージを私は受けてですね、今回、可能な範囲で出たいと思いまして。事前に事務局の方に連絡をして話して。また、同じような話をしたんですけど、「個人でベビーシッターを」っていう反応だったんですね。それで、私としては壁が立ちはだかっているように感じまして。これから私としては、子育てをしやすい世の中、子供が幸せな世の中を作っていくために、ぜひ子育て中の女性に議員になってもらいたい。そうするための環境整備をしたいって思っているんですけど。
(荻上チキ)ええ。
(緒方夕佳)そういう話をしても、どうしても前に進まない、取り合ってももらえないというような状況だったので。「個人的な問題」っていう風に扱われてしまうことにすごく疑問があって。いま、社会で子育てと仕事を両立しようとがんばっている方々も「個人的な問題」っていう感じで扱われてすごく大変で。がんばっていて、または辛い思いをしたりしていると思うんですよね。助け合わないとできないものだと思うんですけど、私たち子育て世代が「変えよう!」っていう風に声を上げた時に、どうしてもその声を聞いてもらえないっていう状況なので。その声、悲鳴のような感じで。私の今日の議場での姿っていうのはそういう声を表したいと思いました。
(荻上チキ)ええ、ええ。
(緒方夕佳)そこに赤ちゃんと座っている私の存在によって、そういうみんなの姿、みんなの声を表したい。聞いてほしい、見てほしいというような気持ちで行きました。
(荻上チキ)なるほど。海外では、議会に子供を連れてくる、赤ちゃんを連れてくるという、そういう議員の方の姿が見られるところもあるんですけど。今回、その議場に子供を連れて行くという判断をした時、なにか決意したきっかけであるとか、あるいは参考にしたことであるとか。そうしたことはありましたか?
海外事例も調べた
(緒方夕佳)はい。海外の事例もたくさん集めまして。子供のいる議員……特に男女共同参画が進んでいる社会ですとか、どういう風に仕組みがなっているんだろう?っていうのはすごく調べました。たとえば、北欧では一般の労働者と同じように議員も1年半ぐらい育児休業が取れるんですね。その間、どうするか?っていうと、代理投票とか代理議員とかでその議員の意見が表明できるような仕組みになっているんですね。そういう仕組みが整っているんですね。そういうのは調べました。
(荻上チキ)うん、うん。なるほど。そういったことを知った上で、今回はアクションを起こしてみようという風にされたわけですか?
(緒方夕佳)はい。私はそういう風に「仕組みづくりをしましょう」っていう風に話しているんだけども、なかなか取り合ってもらえない、前に進まないというような……。
(荻上チキ)そうした中で本日、お子さんを実際に連れて行ったわけですけども。その時の議会の様子、反応はいかがだったでしょうか?
(緒方夕佳)通りかかった議員さんで、赤ちゃんに微笑んでいくような……「赤ちゃん、来たね」ってニコッとしていかれた方もいらっしゃいましたし。おそらく、驚いたような方もいらっしゃったんだろうと思います。
(荻上チキ)うん、うん。そして実際に本会議が、しばらく時間が止まったということですけども。これはどういうことなんでしょうか?
(緒方夕佳)私が赤ちゃんを抱いて座ったら、まず事務局の方が駆け寄ってこられて。「もう、それはやめてください」っていうような。で、議長や議会運営委員会の委員長も寄ってらっしゃって。「これじゃあ始められない」っておっしゃったんですけど……私はもう「大丈夫です。始めていただいて大丈夫です」っていう風に申し上げたんですけど、あちらは「始められない」っていう風におっしゃって、始めなかった。「赤ちゃんがいる状態では始められない」というお考えで。
(荻上チキ)それは、その時にはどういった説明を受けたんですか?
(緒方夕佳)説明というよりは、「とにかくもう出てほしい」っていうような……「とにかく、いま議場を離れてちょっと外で話しましょう」というような。
(荻上チキ)その後、たとえば具体的なやり取りなどはあったんですか?
(緒方夕佳)ありました。それから議長室に移動して、私の考えを話させていただいて。で、あちらのお考えも聞きました。そこで、私がどうしてしたのかとかを訴えさせていただいて。「自分のためだけならこんなことはしません。社会で子育てと仕事の両立で苦しんでいたり、子育てでがんばっていたり。いまの孤独の方の”孤育て”の状況で虐待にあってしまう子供たちとか。そういうような人たちのためにも、現状を変えたいという声なんです」ということを訴えさせていただいて。で、あちらからの話では、「これから子育てと議員活動を両立していくためにどういう仕組みを作れるか、話し合っていこう」っていう風に話をいただきました。
(荻上チキ)ええ、議長の方から。
(緒方夕佳)そうです。
(荻上チキ)なるほど。そうした、このやり取りをしている中で、他の議員の方から声をかけられたり、あるいは批判とか野次とかが飛んだりしたことはあったんでしょうか?
(緒方夕佳)私がまだ赤ちゃんと議場に座って事務局の方や議長や議会運営委員長が近づいて、私の周りにいた時になんか後ろの方で大きい男性の声がしていました。
(荻上チキ)内容はなにか、聞こえたものはありましたか?
(緒方夕佳)ああ、ちょっと私は近くにいる方とのやり取りに一生懸命になっていたので。はっきりとなんておっしゃっていたかは聞こえなかったです。
(荻上チキ)それは否定的なものなのか、それともサポートをするようなものだったのかというのはいかがですか?
(緒方夕佳)やっぱり否定的だったと思います。なんか怒鳴り声のような感じだったので。
(荻上チキ)なるほど。今回の行動をきっかけに、議会には「これから議論をしましょう」というような対応をするということなですけども、今後どういった格好で議論が進んでいくことを緒方さんは期待していますか?
(緒方夕佳)もちろん私も含めた形で活発な議論ができたらと。それに参加したいと思う人が参加して、自由に討議できるような場だといいと思っています。いまの熊本市議会の現状だと、3人以上の会派に所属していないと、議会運営委員会に入れないとか、そういうのがあって。1人会派だとなかなか意見を言いにくい面があるんですね。
(荻上チキ)ええ、ええ。
(緒方夕佳)私は1人会派なので、議会運営委員会とか議会の運営に関することを話し合う場ですとか、議会活性化検討会とか、そういうところで委員になれないという現状があるんですね。それよりももっと開かれたといいますか、もっと自由に討議ができるような場を期待しています。
(荻上チキ)なるほど。
<インタビュー音源おわり>
(引用ここまで)
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