ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
ホビー用途としても大ヒットした「PC-8801」シリーズと、日本でRPGを有名にしたソフトハウス「BPS」
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2017年6月14日 07:10
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編から「NEC PC-8800シリーズ PART1」と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から「BPS」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! -NEC「PC-8800シリーズ PART1」- -
ホビー用途として大ヒット! 機種も数多く発売される
PC-8001の上位機種として、その当時にNECが出した答えが1981年発売のPC-8801だった。PC-8001とは違い、200ラインまたは400ラインのグラフィック画面や広大なメモリ空間などを持ち、ビジネスモデルとしてアピールしていく。しかし翌82年、PC-9801が登場すると、PC-8801はホビーユースへとシフトすることになる。特に、グラフィック画面を使ったゲームはPC-8001とは比べようもなく、あっという間にその座を奪い取っていく。
その流れを決定づけたのが、1985年に現れたPC-8801mkIISRだ。グラフィック面だけでなくサウンド面でも強化が図られ、同じ年にリリースされた『テグザー』などがキラーソフトとなり、一気に普及することとなった。
同年、実験的なハードとしてPC-8801mkIITRを登場させる。先を見越したハードではあったものの、内蔵モデムが300bpsというスピードだったため実際に利用するには厳しく、すぐに姿を消した。
同年末、SRの廉価版としてPC-8801mkIIFRが、SRの機能強化版として5インチ2Dと2HDの読み書き可能なドライブを2基搭載するなどしたPC-8801mkIIMRが、それぞれ登場する。
特に、FRはSRが高くて手が出なかった層にダイレクトヒットし、パソコン御三家の戦いを決定づけるものになったともいえるだろう。
なお、MRが搭載したドライブで2Dのディスクに書き込むと、SRやFRなどの2D専用ドライブ搭載機種では読み込むことができなくなることもあり、一部の層からは嫌われたとの話も。
ちなみに、PC-8801mkIIからFR/MRまでは、CMキャラクターとして武田鉄矢氏が起用されている。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス編 -BPS- -
日本でRPGを一気に有名にした、老舗ソフトハウス
1983年、ヘンク・B・ロジャースが横浜の菊名に設立。社名の由来は、Bullet-Proof Softwareの頭文字から。ちなみに、彼の実家の仕事は宝石流通業だ。
ヘンク氏は、日本のマイコン少年たちにD&DやRPGの想像力の世界を伝えたいと思い“入門的なD&Dゲームを作る”という目的のもと、本格RPGとなる『THE BLACK ONYX』(黒瑪瑙)を生み出す。魔法を取り入れなかったのは、呪文は日本のRPGビギナーにとってマイナス効果しかないからと思い、わざと削ったようだ。
1984年1月に発売された『THE BLACK ONYX』(1作目)はその後、続編となる『THE FIRE CRYSTAL』(2作目)が同年末に登場。1作目で鍛えたキャラクターをインポートしてプレイするシステムを採用し、より歯ごたえのあるゲームに仕上がっている。
以後、3作目として『THE MOONSTONE』開発中との記事が何度も雑誌に掲載されるが、残念ながら消えてしまう。のちに発売されたタイトルは、『アーコン』『ミュール』『イプシロン3』『対局囲碁ゴライアス』などの渋めのものにくわえ、あの『テトリス』が1988 年に登場している。
残念ながら、2001年2月22日に会社の解散が発表され、同年3月31日をもって解散した。