勘と経験と読経

略すとKKD。ソフトウェア開発やITプロジェクトマネジメントに関するあれこれ。

継続学習力

『プログラマー”まだまだ”現役続行 (技評SE選書)』の柴田さんのブログを読んでいて考えたこと。仕事で関わりのある身近なエンジニアは実際のところ「技術書なんてあまり読まない」のが一般的。たいへんさびしい現実なのだけれども、実際に学習する人は20%以下とも言われるのだから、あたりまえなのだ。
 

読んだ本から実力がわかる
その人がどのような態度で学習してきたかは、「どのような本を読んだことがありますか?」とか、「最近読んでいる本は何ですか?」と聞くことでわかってしまいます。あるいは、「この一年間で何冊技術書を読みましたか?」とか、「何冊購入しましたか?」という質問でもわかります。一冊も購入していないとか、読んでいないという人は、ソフトウェアの開発経験年数が10年以上であっても、あまり信用できなかったりします。
『プログラマー”まだまだ”現役続行』(p.114)
業務を通した学習の落とし穴:柴田 芳樹 (Yoshiki Shibata):SSブログ


自分が20代の頃にけっこう影響を受けた本の一つに、リクルートワークス研究所 大久保幸夫さんの「仕事のための12の基礎力~「キャリア」と「能力」の育て方~」という本がある。

この本のなかでは20代のうちに身につける力のひとつとして「継続学習力」を上げている。当時「ワーキングパーソン調査2002年」の調査で「自分の意思で仕事に関わる新しい知識やスキルを身に付けたり、資格をとるための取り組みを行った人」はたったの18.4%だったというのだ。

でき上がってしまえば、一生の財産です。全く学習しない 81.2%でいるのか、残り 18.4%の学習組に入るのか、これは大きな違いです
仕事のための12の基礎力~「キャリア」と「能力」の育て方~

これを知った時にはけっこうショックを受けたことを覚えている。それまでも割と読書好きだったのだけれども、意識的にビジネス関係の書籍を手に取るようになった気がする。

ソフトウェア開発のPMをするようになって、メンバーを面談する機会が増えてきた。一時期は必ず「さいきんどんな技術書をよんでますか?」と聞いていたのだけど、答えはだいたい「読んでない」「ネットで調べます」だったりする。最近は期待もしないので聞かなくなっている……

後進の教育にも気を配らなくてはならなくなって、やっぱり最初は技術書を読むことを勧めるのだけれども定着率はそれなりである。やっぱり皆読書はしないのである。

べつに技術書を読んでいるから必ずしも優秀とは思わないけど、読んでいる人は柴田さんの言葉を借りると「信用できる」。そして、その割合は2割以下なのだと思っている。