アークザラッド/山田桜丸/スーパーファンタジー文庫

アークザラッド (集英社スーパーファンタジー文庫)



世界が崩壊に瀕する時。世界を清め、元に戻す聖櫃を開ける為、少年と少女は立ち上がる。新鋭ライターが挑戦する、人気RPGのノベライズ。


主人公たちが何を思ってそういう行動を取ったか、ってのが理解できないところが多く、あまり感情移入できませんでした。私が考える面白くないノベライズの条件に、「これ、メディアを変えた意味がないんじゃないか?」というのがあります。例えば、小説が強くてRPGに弱いのって、心情表現だと思うんですよ(最近のゲームは疎いのでよく知りません。FF8とか饒舌に過ぎるくらいスコールの内面吐露があったけど)。ゲームだと、プレイヤーが自分で主人公を操って話を進めてくからまだ気にならないけど、小説媒体では作者がそこらへんを意識して隙間を埋めてやらないと、ただのト書きになってしまう。このノベライズも、そんな感じでした。


それと、気になったのがあとがき。

はじめまして、山田桜丸です。コバルト文庫では、これが初めての本になります。名前のせいでよく、男とまちがえられるんだけど、実は、れっきとした女です。


……?


この後も、久美沙織や新井素子、氷室冴子などの名前を挙げ、自分が思春期時代いかにコバルトを読んでいたか、今回そんなコバルトで書かせていただけて幸運です、みたいなことが書かれているのですが、当然これはコバルト文庫からは出ていません。


同じ集英社から出ているから、スーパーファンタジー文庫とコバルト文庫を間違えたとか?にしても、編集チェックとかで気付きそうなもんだし。実は、最初はコバルト文庫から出る予定だったとか?……コバルトって、ゲームノベライズなんかしてましたっけ?


このあとがきの謎が気になって、夜も眠れません。誰か、ここら辺の真相を知っている方がいましたら、是非とも教えてください。