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希少なクリムトの絵画、367億円で落札 現代美術として史上最高額

故レナード・ローダーさんの邸宅に長年にわたり飾られていたクリムトの絵画が、現代美術作品としてはオークション史上最高額で落札された

故レナード・ローダーさんの邸宅に長年にわたり飾られていたクリムトの絵画が、現代美術作品としてはオークション史上最高額で落札された/Courtesy Sotheby's

(CNN) 悪名高い黄金のトイレと、破壊を免れたクリムトの絵画にはいったい何が共通しているのだろうか。18日の夜、米ニューヨークの新しい米本社でオークション会社サザビーズが開催した競売は記録破りのにぎやかな夜となった。

画家グスタフ・クリムトの代表作「エリザベート・レーデラーの肖像」が2億3640万ドル(約367億円)で落札され、現代美術として史上最高額の落札価格となった。約20分にわたる競り合いの末、会場からどよめきと拍手が起きた。サザビーズにとっても世界で出品した美術品として最も高額な落札額となった。この肖像画は、クリムトのパトロンの娘を描いたもので、晩年の作。第2次世界大戦中に他の作品と離されて保管されていたため、オーストリアのインメンドルフ城で起きた火災から免れた。

この作品は、今年亡くなった米化粧品大手「エスティローダー」名誉会長だったレナード・ローダーさんのコレクションの一部だった。競売全体では、エドバルド・ムンクの作品が3510万ドルで落札されるなど、予想価格を上回る結果が相次いだ。

ここ数年減速していた高額な美術品市場にとって、今回の競売は今のところは「勝利の夜」となっている。

サザビーズのギャラリーに飾られたクリムトの作品3点/Courtesy Sotheby's
サザビーズのギャラリーに飾られたクリムトの作品3点/Courtesy Sotheby's

ローダー・コレクションに続く現代美術オークションでは、コンセプチュアル・アーティストのマウリツィオ・カテランによる、重さ220ポンド(約110キロ)の18金製のトイレが、この夜最も異例の出品となる。作品名は「アメリカ」。かつてグッゲンハイム美術館で実際に使用できるトイレとして展示され、その後、英国のチャーチル元首相の生家「ブレナム宮殿」から盗まれ、いまだに見つかっていないあの作品の別バージョンだという。今回の出品は、金の重量の時価に応じて開始価格が変動するという初めての仕組みで、入札者はそこから競り合うことになる。作品は2017年から個人所有となっていた。

マウリツィオ・カテランの「アメリカ」/Courtesy Sotheby's
マウリツィオ・カテランの「アメリカ」/Courtesy Sotheby's

今週は目玉となる出品が続き、サザビーズは落札予想価格の上限に基づき、総額で10億ドル以上を売り上げたいと考えている。競売前の展示会には、ケリー・ジェームズ・マーシャル、イブ・クライン、アンリ・マティス、セシリー・ブラウン、ジェフ・クーンズらの作品が並び、多くの観客が訪れた。カテランの金のトイレは、ビル4階の小さな鏡張りのトイレに設置され、「見るだけで触れてはいけない」というルールにもかかわらず長蛇の列ができた。サザビーズの新本社は、かつてホイットニー美術館があり、のちにメトロポリタン美術館の分館が入っていた建物で、同社が公共に対する存在感を大きく転換する意思を示している。これにより、サザビーズは市内の美術館が集まる「ミュージアム・マイル」の近くに位置することになった。

原文タイトル:In major auction night, rare Klimt painting smashes records at $236.4 million(抄訳)

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