沖縄県南城市の職員らに対するセクハラを巡り、不信任決議を可決した市議会を解散した古謝景春南城市長が22日、那覇市の県庁記者クラブで記者会見を開いた。古謝市長は「第三者委員会の辞職提案や市議会の不信任決議をうのみにせず、市長である私の言い分にも耳を傾けて市政のあり方を検討していただきたい」と訴えたが、その弁明には矛盾が多かった。被害者や議会、メディアへの責任転嫁を重ね、被害者の傷をさらに深める形になった。
古謝市長の記者会見は、9月26日の不信任可決後初めて。代理人弁護士の大城純市、大城陽菜、岩井洋の3氏が同席し、1時間対応した。
古謝市長は冒頭、11月9日投開票の市議選を念頭に、「正しい情報と私の意見を表明することで、市民に正しい政治的選択をしてもらいたい」と会見の目的を語った。
しかし、失職を回避するため、約2500万円の税金がかかる市議会解散に踏み切った理由については、同席した弁護団に説明を委ねた。記者から「なぜ市長選で自らの信を問わないのか」と問われたが、古謝市長は「きょうはその話は」と回答しなかった。「(市政)混乱の状況は議員がやっている。私がやっていることではない」と議会の責任を主張した。
不信任可決を後押しした被害者の職員に対する「口止め」の音声記録については、市長は「情報が切り取りされて情報操作されている」「犯人捜しではないし、口止めでもない」と主張した。

しかし、琉球新報が報じた職員の音声記録は、市長室の入室から退室までのやりとりを全て明らかにしている。その中で古謝市長は「『変なことやられていない』って言ってね」などと職員に発言していた。
古謝市長はこの日の記者会見で、「職員から近づいてきて、『当選おめでとうございます』と言ってハグを求めてきた」と被害者に責任転嫁し、「これに応える行為はセクハラではない」という主張まで繰り返した。
しかし、市長は8月時点では「僕がここ(市長室)でハグしたさ」などと発言しており、矛盾している。被害者は、琉球新報の取材に「私がハグを求めることは絶対ない」と市長の主張を否定。「(2022年の市長選で)古謝市長の返り咲きが決まった時から周囲に過去のセクハラの相談もしているので『おめでとう』と言うわけがない」と反論した。
1時間で打ち切った会見で古謝市長は「正しい情報」と繰り返したが、別の被害者は「被害者をさらに苦しめる会見だった」と語った。
記者会見する古謝景春南城市長(中央)と弁護団=22日午前10時52分、県庁記者クラブ(大城直也撮影)
