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厳しい費用対効果基準をクリア。 新規獲得数110%のチャットコマース®運用施策とは

Written by Sayaka Yatabe | 2024/12/20

地域社会の発展と子どもたちの未来のために「共存共栄」の理念のもと、挑戦を続ける「NOVAホールディングスグループ」。その中核事業の1つ、株式会社NOVAランゲージカンパニーで は、“駅前留学”、“NOVAうさぎ”でお馴染みの「駅前留学NOVA」、マンツーマン英会話に特化した「Gaba(ガバ)マンツーマン英会話」という2つの英会話サービスを展開しており、ともに競合他社の追随を許さない外国人講師を中心とした実践的なレッスンのクオリティを高く評価され、現在、語学教育事業のトップシェアを獲得している企業です。

そんなNOVA、Gabaの両ブランドの課題は、英語学習における敷居の高さからくる新規獲得のハードル。興味を持ってWebサイトを訪れたものの、他社サービスとの比較検討のために離れようとしているユーザーが多数存在するため、いかに顧客を繋ぎとめて来客まで育てるか。その顧客プロモーションの仕組みをZEALS(ジールス)のチャットコマースを活用して構築しました。 この取り組みは、英語ネイティブではない多くの日本人の英語を得意科目にするため、カスタマイズ性の高いレッスンを提供するGabaと、英語で悩む人たち誰もが気軽に始められる環境を提供するNOVAという2つのブランドのビジョンに基づき、それぞれの生徒に最適なレッスン内容を提案する申込導線を作り上げたものです。今回この取り組みの全景とキャンペーンの効果について、2つのブランドのマーケティングを統括する、株式会社NOVAランゲージカンパニー 英会話企画部 次長の木島 健太氏にお話をうかがいました。

株式会社NOVAランゲージカンパニー 英会話企画部 次長 木島 健太氏

コロナ禍で変化した英語教育への需要 離れようとする生徒をつなぎ止める施策を検討

日本の英語教育業界を盛り上げ、お子様から高齢者まで幅広い層に英語教育を届けるために通いやすいスタイルを追求するNOVAと、大胆不敵な人生目標を応援するためにビジネスパーソン向けに個人の目標に応じた教育を提供するGaba。両ブランドともに、国際舞台で活躍できる人材の育成や、国内外の交流を通じた多様な文化への総合理解を促進することを目指し、英会話に重要なリスニングやスピーキングの上達はもちろん、文法から実践的なイディオムやフレーズまでも習得できる独自のカリキュラムに沿って英語学習を提供しています。

「日本において英語教育への需要は常にあります。日本人が最も苦手としている、英語を外国人と自然に話す、聞くというスキルは座学ではなかなか身につかない。また、語学の根底はコミュニケーションですから、ただ話せる、聞けるだけでなく、自分の意思や感情まで伝えなくてはいけません。そこで両サービスともに、ただ単に英語を学ぶ、話す機会を提供するだけでなく、外国人が日常的に使うリアルなフレーズを教えたり、「L」や「R」など日本人が伝えづらい発音を1つ1つ矯正したりと、実践的な英語力を積み上げられるようにしています。そのうえで、NOVAではできる限り通いやすいよう様々なコースを用意し、Gabaでは『英語でプレゼンをするので練習を見てほしい』といった個別のカスタマイズ要望に応えるなど、1人1人の生徒様に寄り添った高品質なレッスンを提供しています」(木島氏)

高品質なレッスンを提供することで人気を博してきた2つのブランドですが、コロナ禍でマーケティングにおいて大きな課題にぶつかりました。海外との交流が閉ざされ、リアル上のビジネス機会が減少したことで英語の需要が低下したことや、対面での接触回避の意識の高まりから、対面型スクールの需要が減少したのです。

「飲食業界や旅行業界同様に、対面型中心の英語教育業界もこの課題に直面しました。世間的にリモートが推奨され、WEB会議が一般化されたことで、オンラインを中心とした格安英会話レッスンが急激に増えました。NOVAに関しては、早くからオンラインレッスンに力を入れていたため回復も早かったのですが、Gabaに関してはハイレベルなビジネスパーソンにも数多くのレッスンを提供していたこともあり、苦戦を強いられていました。それまでGabaは交通広告等のオフライン広告を得意としておりましたが、コロナ禍で上手くいかず、急ぎデジタル広告へとシフトしましたがなかなか上手くいかなかったようです。私はその渦中の2022年、マーケティングを立て直したいと当時の経営陣からオファーを受けてGabaに参画。Gabaのコンセプトを再定義しつつ、デジタルマーケティング全般の見直しも進めていました。そんな最中に出会ったのがZEALS社のチャットコマースサービスでした」(木島氏)

木島氏は、コロナ禍の市場の動きやNOVAホールディングス社の経営方針に合わせ、マーケティング戦略全体を見直すことが急務となり、広告出稿先や過去実施していた施策すべての広告戦略を再検討したといいます。徹底的な広告最適化や各種MAツールの見直し、公式サイトのUI/UXやコンテンツ改善、高評価口コミの獲得等各施策を実施した結果、1人あたりのCV単価を大幅に下げることに成功しました。しかし効率化の一方で、全体の流入数が減った分、確実に体験レッスンの申し込みなどの成果に繋げる必要がありました。そこで、Web広告経由でLP(ランディングページ)を訪れた潜在層がサイト訪問後に、何らかの理由でサイトを離れてしまう、いわゆる離脱層向けの施策に注力をしました。

「私はこれまでの職歴で、複数の企業にてマーケティングを手掛けましたが、共通して大事にしていることはサイト訪問ユーザー1人1人の繋ぎ止めです。サイトの離脱要因は様々ありますが、どの業態も再訪を期待してはならず、特に教育業界では、一度他のサービスに流れたら戻ってくる可能性は低いです。その上、語学学習は比較検討要素が多く、意思決定に時間と決断力を擁します。それをLP等による一方通行型のコミュニケーションで完結させるのはなかなかハードルが高い。もっとインタラクティブな方法でユーザーをつなぎとめる新たな施策は常に模索していました」(木島氏)

教育業界における豊富な導入実績とコミュニケーション設計の秀逸さからZEALSを導入

サイト訪問者をつなぎとめる施策を模索する中で、有力な選択肢としてあがったのがZEALSのチャットコマースでした。チャットコマースは、Webサイトで意思決定をできずにサイトを離れるユーザーに対し、LINEなどSNSの会話に繋いだ上でニーズを拾い上げながら適切なオファーをします。

「先ほどお伝えしたとおり、徹底的な獲得効率化が命題でしたので、多くの外部ツールや提案施策は導入を見送っていました。ただ、そんな中、ZEALS社の提案は目が止まりました。興味をいだいた訪問者を離脱させない仕組みとしてよく練られていると思います。離脱防止タイミングでのバナー提示によるLINEへの誘導導線、比較検討層誘導後のLINE上でアンケート診断を用いたパーソナライズ化しつつインタラクティブなコンテンツ、顧客に合わせたコミュニケーション設計、最適なタイミングでのプッシュ通知などなど。それを”ライフインフラ”のようになくてはならないSNSであるLINE上で実施できることに魅力を感じました」(木島氏)

また、ZEALSが提供するチャットコマースの機能的な部分だけではなく、提案に関わったZEALSの社員の姿勢に共感したことも導入を後押ししました。

「私も過去代理店やBtoB企業から様々な提案を受けてきまして、当然営業トークが抜群に上手い方や、ロジカルに説明できる方と多数会ってきましたが、ZEALSの担当者はサービスやプロダクトのことを語るのではなく、どれだけGabaのビジネスにつながる結果を期待できるかのシミュレーションをしっかり提示してくれました。かなり細かな条件をお伝えしましたが、その1つ1つに真剣に向き合おうとしてくれている印象を受けたのです」(木島氏)

加えて、教育業界においてZEALSが豊富な導入実績があったこと、そしてLPからLINEでの会話に繋ぐ一連のコミュニケーション設計が優れていること、またLINE上でのコンテンツなどのシナリオ設計の質が高かったこと、さらにはこうした設計を公式Webサイトや提案時に提出した少ない資料をベースに作成していたことに、『テクノロジーなどの仕組みを推すだけでなく、コンテンツとしてのクリエイティブなど提案を構築するための企画としてのデザイン力も高いと思った』と付言しています。

会話やクリエイティブがパーソナライズされたGabaのLINEアカウント上の会話体験

スピードと質の両輪を意識した改善サイクルで費用対効果も早期に向上

チャットコマース導入にあたり、NOVAホールディングス全体のデジタルマーケティングの戦略と、各ブランドのマーケティング施策との整合性を図りながら、ZEALSの担当者と「どのタイミングで、何のコンテンツを出すのか」といった具体的な施策を入念に進めていきました。ポップアップの表示率、LINEへの登録率、そして実際の契約率などの数字の推移をモニタリングした結果、「多くの媒体・施策よりも、結果が上回っていた」(木島氏)と話しています。

「もちろん対面型スクールですので来校したユーザーに対して、最終的には現場のカウンセラーが要望に沿った提案でクロージングします。ただ、一回訪問サイトから離れようとした人をLINEでのコミュニケーションを通じて来校させるところまで態度変容できる手段はあまり多くないと思います。成約率を見ても素直に興味を持って来校した人以上の結果が出ていますので投資対効果が高いと感じました」(木島氏)

こうした初期の施策が実を結び、いよいよ本腰を入れて展開をしていく段階になった際には、担当する専任のコミュニケーションデザイナーと共に、LINE上などで展開するクリエイティブや文言、ビジュアルなどでA/Bテストを繰り返したほか、コミュニケーションの動線に関してもきめ細かなPDCAを回し、最適化を試みました。

私は過去にクリエイティブディレクターをしていた経験がありますので、コンテンツのクオリティは気にする方です。その経験から見ても、ZEALSのクリエイティブの改善頻度とスピードはかなり早いと感じています。常にコミュニケーション設計やコンテンツの中身をブラッシュアップしていただいただけでなく、アウトプットの精度が高く、参考になるような提案も多くありました。ポップアップ表示が購買導線を阻害しないかという懸念点に関しても、我々の意図を汲み取っていただいて、当社の要望に配慮した形で運用していただけました。体制もしっかりしていて、提案から導入まで、期待以上でした」(木島氏)

改善のサイクルを回したことが功を奏し、効果は数値にも現れました。「Gabaでの全体のマーケティングで獲得に至った施策のうち、チャットコマースでの施策が多いときで10〜15%を占めました。そこで1年後にNOVAへの導入も決めました。NOVAはこれからですがそれでも獲得総数の4〜5%を占めています。より情報を取得したいという、意思決定に時間がかかるような商材全般に大きな可能性を感じています」(木島氏)と他事業へ紹介も検討しているといいます。

文言やビジュアルはつぶさにテストを実施

「チャットコマースをソリューションとして導入しない理由はなく、導入するかどうかで言えば、入れた方がいいです。同じようなビジネスモデルであったら、有効なのではないでしょうか。自社でも優れた顧客接点システムを開発できる可能性もありますが、それには膨大な費用と時間、維持管理がかかるため、生活に欠かせないインフラとなったLINE上にアクティブな顧客接点を設けるほうが現実的です。しかも導入を担当するZEALSの担当者が作成するコミュニケーション設計やクリエイティブ、コンテンツの質が高い。この辺を重視するマーケティングの責任者にとっては、ZELASと仕事をすることは間違いないと思っています。これまでお会いした担当者の中でも、レスポンスが早く、誠実な方が多いと思っています」(木島氏)

AIの導入や現場のカウンセラーのサポートなどコミュニケーションデザインの進化を検討

現在のチャットコマースを用いた仕組みについて木島氏は「ほぼ完成形である」(木島氏)と評価しており、今後はこの取り組みをより深化させたり、グループ会社に横展開することを考えています。

「既存の施策については、クリエイティブにさらにこだわることでコンバージョンを向上させる取り組みを進めることも考えています。ただこの仕組みを『つなぎ止める』施策にだけに留めるのはもったいないです。ZEALSのチャットコマースは仕組みとして優秀ですし、ZEALSの担当者は適したコンテンツを制作するノウハウがあります。LINEを使わないでこれを実施する仕組みを作るか、もしくはAIを導入しながら新規はもちろん、既存顧客向けの接点を強化するなど、多様な活用方法を模索していきたいと考えています」(木島氏)

また、AI導入については、英会話という商材の特性上、必ず顧客とのオフライン接点があるという特徴を生かし、現場のカウンセラー業務をサポートするツールのテスト導入も検討しています。いずれにしても、チャットコマースやAI活用を通じて、顧客体験をさらに高度化していくことを目指しています。

左から、ZEALS アカウントプランナー伊藤、同 イノベーションマーケティング部 第四局 局長 川島、NOVAランゲージカンパニー木島氏、オリコビジネス&コミュニケーションズ 川鍋氏、ZEALS アカウントプランナー 荒川