自動車というドーピング
ちょっとした距離の用足しに自動車を使う人は普通にいます。距離にして、1km未満でも自動車を使う人は普通に沢山います。500mくらいでも自動車を使う人がかなりいます。
直接自動車を持っていなくても、ちょっとした距離のところに家族などに送り迎えして貰うと言う事も日常の事でしょう。・・本人ならば1往復で済むところを、送る人が帰って来てまた迎えに行くものだから、結局2往復する事になります。・・かなりな無駄をみんな普通の事としてやっています。
それならば、便利なようにもう一台車を買ってそれぞれ使えと言う事で一家に複数台自動車があるのも普通になってしまいました。田舎では、電車に乗るのに駅まで自家用車・・・と言う場合も日常の事になっています。通勤で電車を使う人が駅まで自家用車で送って貰ったり、駅前に駐車場を確保したり・・。鉄道会社もパーク&ライドと言うサービスを行っています。(・・・本来ヨーロッパなどで実施されているパーク&ライドとは違う感じです・・)
自動車そのものばかりではありません。駐車スペースも必要になります。自動車通勤の場合、自宅(近く)と職場両方の駐車スペースが必要になります。それから、各施設・・・公共施設から、様々な小売店、サービス施設まで・・広い駐車場を確保しています。かなりのスペースと経費とが必要でしょう。その店を利用する場合、自動車で来た人も自動車を利用しなかった人も、間接的に駐車場の施設費も払わされている事になるのです。駐車場の面積のほうが売り場の面積より広そうな店舗も沢山見受けられます。・・・全国の駐車スペースは、現在使われている自動車の何倍分もあるでしょう。
・・そのスペースや道路を耕地にしたら・・・耕地でなくとも、そのまま草地や森林にしたら・・と思わずにはいられません。。実際来るべき食糧不足の事態では、駐車場を潰して耕地にしよう・・・という動きも出てくるでしょう。・・それに備えて、駐車場は、コンクリート等で固めず土のままで・・・と思うのですが、今どき舗装していない駐車場は珍しいでしょう。
現代社会は、必要のない、環境破壊の商売で溢れていますが、自動車社会によって、それが加速された面がかなり大きいでしょう。自動車の普及と道路の整備によって、職場も遠くなり、営業エリアも拡大されています。免許証を持たなければ採用してくれない会社も沢山ありますし、車がないと成り立たない職業も増えました。こんな社会で、運転免許を持たない事や自動車を使わない事は、仕事をするのに同業者と比べて不利になる事が多いのです。【ドーピングしたほうが強い】娯楽も自動車を使って遠くまで行く人が増えました。・・・高速道路の無料化によって、無闇に遠くまで出かける人も激増しました。・・・その結果、移動の時間のほうが、実際に現地にいる時間よりも長いなどと言う事も日常茶飯事時の事となったでしょう。
公共交通機関の利用ならば、まだ時間を有効に使えると言うものです。
一見便利な自動車と言うものを使い過ぎて、歩く量が減り、運動不足に陥り病気になる・・・なんて事も普通によくあることとなって来ました。まさにドーピングです。
最近は若者の自動車離れも進んできた・・・と言う事のみ考察すれば、若者も利口になって来たといえるでしょう。そう、マイカーを持たなければかなりの出費を抑えられ、生活にもゆとりが出てくるというものです。自動車会社の派手なコマーシャルに踊らされずに、自動車というドーピングから解放されていくべきでしょう。・・・と言っても、個人には限界があります。政府も自動車会社優遇政策はやめ、エコカー減税とか補助金なんて全部廃止し、逆に贅沢品として税金を沢山掛け、高速道路も高くすべきです。また、公共交通網をしっかり整備すべきでしょう。
庶民も、無闇に遠くに行くようなドライブのような娯楽は止めて、もっと有意義な事をしたほうがいいでしょう。・・・別に有意義でなくとも他に楽しくて、環境負荷の小さい娯楽も沢山ある筈です。
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