なぜFlashは検索エンジンにひっかかりにくいのか?-SEO対策-
2007年03月06日 プログラミングTIPS
「Flashは検索エンジンに引っかからないという思い込み」にも書いたように、一部の検索エンジンでは「FlashのSWFファイルが直接検索結果に含まれる」ことがわかりました。
ですが、多くの人は検索エンジンでSWFファイルが検索できることさえ知りませんでした。
では、なぜFlashのSWFファイルは検索エンジンにひっかかりにくいのでしょうか?
今回は、検索エンジンのアルゴリズムを追いながら、それを元にFlashのSWFファイルが検索に引っかかりにくい理由を考えてみたいと思います。
ですが、多くの人は検索エンジンでSWFファイルが検索できることさえ知りませんでした。
では、なぜFlashのSWFファイルは検索エンジンにひっかかりにくいのでしょうか?
今回は、検索エンジンのアルゴリズムを追いながら、それを元にFlashのSWFファイルが検索に引っかかりにくい理由を考えてみたいと思います。
*この記事に書かれていることは、ほとんどが管理人の想像により成り立っています。あまり信頼しすぎないでください。
1.検索エンジンのアルゴリズムについて
よく「SEO対策」という言葉を目にします。日本語でいうところの「検索エンジン最適化」を意味する対策です。
つまり、Googleなどの検索エンジンで検索結果が上位になることを狙っています。
(この「SEO」にPPC広告、ディレクトリ登録をプラスしたものをSEMと呼びます)
ですが、現在のWeb業界で言われている一般的なSEO対策は、ほとんどが
「Googleの初期の検索アルゴリズム」
に基づいたものになっています。
この初期のアルゴリズムに基づいて、以下のような古い理論が持ち上げられます。
- 被リンク数を増やす
- ページランクの高いページからリンクしてもらいましょう
- 正しくマークアップする
- 構造を正確にして、title,h1,h2,h3などのタグを正しく使いましょう
- ページ内に検索キーワードをちりばめる
- ページ上部、文の先頭にキーワードを含め、さらにページ全体にちりばめましょう。キーワードが多くなりすぎるとスパム判定を喰らうので、適度にしましょう
- メタタグを設定する
- Googleでは無視されるので、いれなくても構わないでしょう
- サイトのリンクを最適化する
- パンくずリストなどを導入しましょう
- 動的なページより静的なページにする
- アドレスに「?category=1&page=1」などが含まれる長いURLはやめましょう
- アクセス解析を導入する
- アクセス解析を導入して、どのようにサイトに訪れているかを研究しましょう
検索エンジンは、日々アルゴリズムが改良されているからです。
2.SEOスパムや正しい構造をしたブログの増加
「Googleの初期の検索アルゴリズム」では、「正しいマークアップ」が非常に重要でした。それまでは、構造的に正しくないHTMLが多く、マークアップの正しいHTMLに高いポイントを与えていました。
例えば、TITLEタグとH1タグにあるキーワードを入れるだけで、簡単に検索結果の上位に入っていました。
ページ内にキーワードをちりばめれば、なお効果的でした。
ところが、SEOスパムの増加と、正しい構造をしたページ(特にブログなど)が増え始め、検索結果が当てにならない時期に突入しました。
2004年夏頃の話です。
多くのブログは「Googleの初期の検索アルゴリズム」に適していたために、重要なページが見つかりにくくなってしまいました。
例えば、ブログを更新するだけで、
- 正しいマークアップ(TITLE,H1,H2などのタグ)が簡単に実現できる
- パンくずリストなどの導入が簡単
- 月別、カテゴリー別ページなどで内部被リンク数増大
- パンくずリストなどの導入が簡単
さらには、
- トラックバックによる外部被リンク数の増大
検索してもブログばかりがヒットしてしまう時代もありましたが、最近は違っています。
重要で参考になるページがかなりヒットしやすくなっています。
つまりは、「Googleの検索アルゴリズムが進化した」ことを意味しています。
そこで、今現在の「Googleの検索アルゴリズム」を元に、SEO対策を考えてみたいと思います。
3.被リンク数・質が重要
Googleなど多くの検索エンジンでは、被リンク数・質が検索結果に重要な影響を及ぼします。これは昔から変わっていません。
PageRankの高いサイトからリンクしてもらうことが重要だと言われていますが、外部に公開されているPageRankとGoogle内部で持っているページランクとは違うので、それほど当てにはなならないかもしれません。
それよりも、そのサイトに関連しているサイトからリンクをしてもらうことが大事です。
また、サイト内部からのリンクとサイト外部からのリンクの取り扱いも違います。
この辺りのことは、「GoogleSitemap」というサービスを使うと理解しやすくなります。
(モザイクのところにページ名とリンク数が書かれています)
上図のように、外部リンクと内部リンクに分かれ、各ページごとにそれぞれ被リンク数と被リンクサイト、最終検出日を確認できるようになっています。
外部リンクと内部リンクに分けられているということは、被リンクに対する重み付けも違う可能性が高いと考えられます。
またページごと(ファイルごと)にリンク数を表示できることから、ページ(ファイル)単体での被リンク数が検索結果に影響しています。
4.被リンクキーワードが重要
そのサイトに関連しているサイトからリンクをしてもらうことが大事だと述べましたが、現在ではリンク時のキーワードがかなり重要になってきています。(モザイクのところにキーワードが書かれています)
上図のように、サイトのコンテンツのキーワード、サイト外部からのサイトへのリンクキーワードを表示できます。
これも被リンク時のキーワード(アンカーテキスト)が重要だと示す手がかりとなります。
一時期、グーグル爆弾(Google Bombing)が話題になったように、被リンクキーワードはとても重要な要素です。
関連リンク:ITmedia News:Google、グーグル爆弾の対策を表明
5.検索クエリとクリック数が重要
昔のアルゴリズムではほとんど語られなかったのが、この「検索クエリとクリック数」の関連性です。(モザイクのところにクエリ名が書かれています)
上図のように、検索クエリとクリック数を表示できるということは、この辺りも検索結果に影響を与えている可能性が高いと考えられます。
クリック人気度(click popularity、クリック・ポピュラリティ)と呼ばれているもので、
「クリックされるページ=良いページ」という理論です。
6.アクセス数・人気度みたいなものが重要っぽい
そして最後に、SEO対策でほとんど聞かれないのが「アクセス数・人気度」についてです。「Googleの初期の検索アルゴリズム」では、存在しなかった項目かもしれませんが、現在ではかなり重要になってきていると感じています。
上記クリック人気度と合わせて、
「アクセス数・人気度が高いページほど上位に表示される」
と感じています。
この要素のおかげで、現在のような質の高い検索結果が得られていると思います。
この人気度に関して、特にYahoo!のサーチエンジンで顕著で、時期によってはかなり重要度の高い要素となります。
ただし、Yahoo!の検索アルゴリズムはころころと変更されているため、あまり安定度はありません。
7.現在のSEO対策
上記のアルゴリズムを踏まえて、現在のSEO対策を考えてみます。昔のSEO対策と比べて、現在では以下のような傾向があると考えられます。
- 外部サイトからのリンク数とリンクキーワードが大事
- 昔と変わらず重要
- マークアップの重要度が昔に比べて下がった
- それほど正しくないマークアップでも検索上位に来るはず
- アクセス数を増やし、人気を高める
- アクセス数が多ければ、適当な構造&被リンク数が少なくても上位に来るはず
8.Flashが検索エンジンにひっかかりにくい理由を考える
SEO対策の話ばかりになってしまいましたが、ようやく本題です。FlashのSWFファイルが検索エンジンにひっかかりにくい理由を考えてみます。
- FlashではHTMLのような正確なマークアップやキーワードをちりばめることが難しい
- 「Flashは検索エンジンに引っかからないという思い込み」によれば、Flash内のテキストも読み込んでいるので、一応検索エンジンにはひっかかります。また、以前よりもマークアップの重要度が低くなっていると考えられるので、それほど大きなハンディにはならないかもしれません。
- 外部サイトからのリンク数とリンクキーワードが大事
- まず、外部からのリンクに関して問題があります。HTML内にFlashを埋め込んでいるサイト(YouTubeのようなサイト)ではリンクの時点で、「HTMLにリンク」が貼られます。Googleの場合、ページ(ファイル)単体の被リンク数を重要視するので、HTML埋め込み型Flashの場合は、SWFファイルへの被リンク数が増加しません。
リンクキーワードに関しては、多くの場合「サイト名」のみに限定され、Flash内の遷移先のページ名などは考慮されません。 - アクセス数を増やし、人気を高める
- アクセス数が多いFlash埋め込み型サイトは問題なく検索結果上位に表示されています。SWFファイル単体サイトの場合は、単体で公開しているページが少ないので、SWFファイルが検索に引っかかりにくくなっています。
9.Flashが検索エンジンにひっかかりにくい理由の結論
FlashのSWFファイルが検索エンジンにひっかかりにくい理由として、以下の結論を導き出しました。Flash埋め込み型サイトの場合、埋め込んだHTMLにリンクが集中し、SWFファイルそのものへのリンクが少なかったから。とてもシンプルで、当たり前の結論になりました。
SWFファイル単体にリンクしているページが少ないので、検索結果上位に表示されないのも当然の結果だったわけです。
そして、もう一つ問題が生まれます。
SWFファイルへの検索結果には、SWFファイル内のテキストが検索対象になることが証明済みです。(Flashは検索エンジンに引っかからないという思い込みより)
ですが、HTMLにFlashを埋め込んだ場合、そのSWFファイル内のテキストが検索対象になるのかどうかについては疑問を感じます。
今の検索アルゴリズムだと、HTMLに埋め込まれたSWFファイル内のテキストは検索対象になっていないような気がします。(本当かどうかはわかりませんが)
したがって、Flash埋め込み型サイトのSEO対策には、埋め込むHTMLページ内にも検索対象としたいキーワードを表示しておいた方が良いと考えられます。
つまり、パーマリンクを生成してHTML内にキーワードを表示させておくことが大事だと言えます。(Flashのパーマリンクについてはまた今度)
フルFlashサイトなど、SWFファイル内のテキストで検索してもらいたい場合は、HTMLを使わずSWFに直接リンクしてもらった方がSEO効果は高いかもしれません。(いろいろと不便な面もありますが)
10.実験
「SWFファイル単体が検索エンジンに引っかかりにくい」のは、SWFファイル単体へのリンク数が少ないからだと結論づけましたが、実証はありません。
そこで、実際にみんなで「SWFファイルへリンク」してみれば実証できると思います。
実験用にSWFファイルを作ってましたので、みなさんのページ(ブログなど)から以下のタグでリンクを貼ってみてください。
<a href="https://zapanet.info/flashseo.swf">Flashを使いこなす</a>Flashを使いこなす
検索結果に反映されるために、適度な検索ワードとして「Flashを使いこなす」を選んでみました。(最初、「FlashのSEO対策」にしようかと思いましたが、上位表示が難しそうなのでやめました)
数十サイトからリンクされれば、SWFファイルであってもGoogleでかなり上位に表示されるのではないかと思います。(それだけのリンクをしてもらえるかはわかりませんが…)
結果は後日発表したいと思います。
追記:FLASHだって検索結果1位を目指せます!-SEO実験結果-
関連リンク
- Flashは検索エンジンに引っかからないという思い込み
- 「Webデザインで特に注意すべき10のヒント」の間違い
- もしかしてAdobeの時代が来るのか?
- Flex2,ActionScript3.0が優れている9の理由とAjaxとの差
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