2020.8.16
書籍『イノベーション・スキルセット』を読み終えたので、感想やメモをまとめます。
デザイナーやエンジニア、商品企画職、マーケティング職に加えて、経営者向けの内容でもあると感じました。なぜならイノベーションに必要な人材の特徴や技術、組織編成や育成方法についても書かれているからです。
全体を通して、組織の組み立て方やチーム編成、デザイナー教育にも活用できることが多い印象を受けます。個人にとっても、これから何をどのように学習していけば良いかについて、道しるべとして多くを学べると感じました。デザインの歴史にも触れられており、第1次産業革命から現在までの流れを学べた点も良かったです。
この本では、イノベーションを「価値創造と社会浸透の2つが実現すること」と定義されています。Wikipediaではイノベーションについて次のように書かれています。
イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。
Wikipedia
ニュースやキャッチコピーなどで見聞きするイノベーションという言葉ですが、自分が使うことはこれまでほとんど無く、明確な定義を調べたことはありませんでした。本書がきっかけで、イノベーションという言葉の意味を捉え直せました。
イノベーションのメリットを考えてみます。新しい価値が生まれ、浸透することで、究極的には関わる人の「人生が豊かになること」がイノベーションのメリットなのではないかと思います。もう少し期間を限定して分解すると、以下のようなメリットにつながると考えました。
この本を通じて、新たに知った言葉や意味を再確認した言葉をまとめました。
※自分が解釈した内容をまとめたもので、意味が誤っている可能性があります。
価値創造と社会浸透の2つが実現すること。
アイデアを考え、具現化し、社会浸透まで実行する人材のこと。アイデアを考えるだけではイノベーターとは呼ばない。
矛盾した対立構造の事柄を複数の視点で捉えて、矛盾を越えて発展させること。揚棄(ようき)ともいう。以下はWikipediaからの引用です。
ドイツの哲学者であるヘーゲルが弁証法の中で提唱した概念。あるものをそのものとしては否定するが、契機として保存し、より高い段階で生かすこと。矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること。という二つの意味を有する。古いものが否定されて新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのでなく、古いものが持っている内容のうち積極的な要素が新しく高い段階として保持される。
Wikipedia
電子工学のこと。電気工学の一部または隣接分野。電子機器、コンピューター、通信機器なども含む。
機械工学、電気工学、電子工学、情報工学を組み合わせた学問や技術分野を指す言葉。機械装置と電子工学を組み合わせた和製英語。
「接続された」という意味の言葉。IoT(Internet of Things)の分野では「インターネットに接続された」状態を指す。
モノのインターネット。様々な「モノ」が常時インターネットに接続された状態で相互に制御する仕組み。もしくはインターネット経由で通信することを意味する。
優位性や利点、強み、長所のこと。
ロボット工学。ロボットの設計、構築、運転、管理などを研究する学問。
企業の課題に対して専門的な意見を提案し、課題解決に導く企業のこと。
物事を複数の角度から捉えたり考えたりすること。多角的に捉えて考えること。
境界を越えること。別領域の分野に進出すること。
『イノベーション・スキルセット』には、デザイン思考という言葉が登場します。このデザイン思考について疑問に思ったことをメモしておきます。内容を読んでみたのですが、物事(プロジェクト)に臨むときの普段の考え方とデザイン思考の違いがわからず、自分にはまだ区別がついていません。
この書籍で書かれているデザイン思考とは、物事(プロジェクト)を進めるうえで複数人で認識を共有しやすくするために、「考え方の過程を体系化したもの」と解釈しました。
デザインとエンジニアリングに加えて、ビジネスデザイン領域の知見を学んだり実践したりしていきたいと思います。
例えばWebサイトやアプリケーションを構築する際にも、商品企画やマーケティングの観点で課題解決のために今必要とされていることと、長期的に必要とされることを複数の視点で考えられるように意識したいと思います。