「駅で女性にわざとぶつかって進む」「歩きながらセクハラをする」……そんな卑劣な行動をとる男性の存在が、ネット上で話題になった昨今。

こうしたニュースが出るにつけ、ものすごくビックリしたのが、職場の男性陣から「本当にこんなことあるの!? 信じられない!」という声が挙がること。いや、めっちゃよくありますよ? 知らないのかい??

路上で女性が男性から受けるハラスメント、被害者たる女性からするとよくありすぎて麻痺すらしている感じですが、被害に遭うことのない男性にとっては想像しがたい、信じられないものなのかもしれません。

路上で受ける(おもに声による)セクシュアル・ハラスメントは「キャット・コーリング」と呼ばれます。ナンパ、唐突な話しかけ、容姿についての掛け声、など、道を歩いていると飛んでくる不快な仕掛けのこと、だと考えてよさそうです。

【10時間ニューヨークを歩くだけのムービー…なのに!】

YouTubeでは、そんな「キャット・コーリング」を告発する1本の動画を観ることができます。

アメリカ・ニューヨークの街を、女性が10時間歩いてみる、ただそれだけの映像。それだけなのに、投げつけられる「キャット・コーリング」の多さがものすごい! 「やってみた」系のムービーだと思って観ていくと、しだいに恐ろしさを感じずにいられなくなる作品です。

【後から後からやってくる…】

女性のスタイルは露出多めでもフェミニンでも特になく、クルーネックの黒Tシャツに黒のジーンズと、いたってカジュアル。顔つきもまったくの無表情で、無言でスタスタと歩くのみ。

そんな彼女に声をかけてくる男性は後を絶たず。「なにしてんの?」「やあ美人さん」「スゲェいい女!」「笑ってよ」「話をしよう」と、次から次へとやってきます。

中にはお尻をじろじろ眺めて「セクシーだね」と言ったり、声を無視したにもかかわらず5分ものあいだ無言で後をついてきたり(!)する人もいて、ただただ恐怖。ここに出すことがはばかられるような卑猥な言葉も飛んできて、ひたすら不快。

【道を歩くのが怖くなる…】

10時間のあいだに「キャット・コーリング」してきた男性は100名以上。しかも、数え切れないほど受けた「ウインク」や「口笛」はカウントしていないとのこと。

この動画のタイトルは「10 Hours of Walking in NYC as a Woman(ニューヨークをひとりの女性が10時間歩いてみた)」、「キャット・コーリング」に対する意識改善の目的で2014年に公開されている作品です。その再生数、2018年6月時点で4600万回以上。

【女性が思いっきり反撃するパロディー動画も観てほしい】

さて、こちらの動画がネットで大いにバズった後に制作されたのが、秀逸すぎるパロディー動画

ドキュメンタリーとして公開された “本家” を忠実になぞっていくスタイルで、女性の歩き方も服装もほぼそのまま。声をかけてくる男性たちの位置やシチュエーションもかなり再現度が高いのですが、大きく異なるポイントがひとつ。

それは「女性が容赦なく反撃しているところ」! 中指立てたり飲み物ぶっかけたりビンタしたり催涙ガス噴射したり、食べているホットドッグをはたき落として足で踏みつけたりと、「そこまでやる!?」と思うほど強烈な反撃の連続。

しかしながらよく観ると、反撃の強さはキャット・コーリングのひどさに比例しているようでもあります。ホットドッグの男はかなり不愉快なことを言っているし、催涙ガスをかけられる男は長い時間つけまわすなどしていました。

不快きわまりないキャット・コーリングを受けたら、こんなふうに反撃をしてやりたくなる。でも普通は報復が怖くてできないわけで、それをかなえてくれる超胸スカムービーだとも言えるでしょう。

【ぜひ比べてみてね】

アメリカの状況と日本の状況は多少異なるにしても、街を行く女性たちが嫌な思いをしたり、危険な目に遭ったりすることがあるのは同じ。そんないやな事例、少しずつでも減っていってくれればいいですよね。

ちなみに動画ですが、まず先に “本家” を観てからパロディー動画を観るほうが、不快感→爽快感を味わえるかも。男性も、この順番で観れば女性たちが日々体験している現実というものを実感できるのではないかと思んです。というわけで、ぜひこの順番でご覧になってみてくださ~い!

参照元:YouTube[1][2]
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼まずは本家からどうぞ

▼続いてパロディー動画です(最後に出てくる「女性と出会いたいなら出会い系アプリでどうぞ!」というメッセージが最高)