柏原新道で鹿島槍ヶ岳(2889m)へ 1日目その1
3日前、ズル金コースで金峰山を登ろうと大弛峠まで行くも、荒天で撤退(涙)
中1日仕事を挟んでの、次なる遠征先はこの山。
鹿島槍ヶ岳(2889m)

後立山連峰の南部エリアに位置する高峰で、南峰(標高2889m)と北峰(標高2842m)からなる双耳峰。
古くは後立山(ごりゅうざん)や釼斧岳(ケンノフ)、鶴ヶ岳(ツル岳)、獅子ヶ岳(シシ岳)など様々な山名で呼ばれていたが、現在の山名は大正初期に陸地測量部が尖った山頂の様子から、鹿島槍ヶ岳と呼んだことに由来するとされる。
日本百名山、花の百名山、新・花の百名山、日本百高山(第36位)などに選出されており、後立山連峰の盟主とも呼ばれる。
登山ルートは、扇沢出合から爺ヶ岳(2670m)経由で登る柏原新道ルートが最もポピュラーで、ほかに東麓の大谷原から登る赤岩尾根ルートや日本三大キレットの八峰キレット経由の主稜線縦走路などがある。

柏原新道ルートは鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)まで、片道約10.9㎞、累積標高差約2270m、標準CT(登り)8時間のロングハイクで、往復(標準CT14時間30分)だと亀足の私には1泊2日でもかなり微妙な行程。
途中、種池山荘(たねいけさんそう)と冷池山荘(つめたいけさんそう)の2ヶ所の山小屋があり、亀足を考えれば2泊したいところだが連休は2日間のみ(涙)
初日にできる限り鹿島槍に近づいておきたいので、1日目は冷池山荘で宿泊。2日目(最終日)に鹿島槍に登頂し、一気に扇沢まで下山するプランを計画。
新型コロナ対策のため小屋泊、テン泊とも要予約のため、7月頃から日々山荘のHPで予約状況を確認するも、お盆の時期のせいか軒並み満室が続く。
半ば諦めていたところ、先週若干の空きありに修正されており、ソッコーで予約。
無事予約受付完了で、前半戦の金峰山遠征とともに準備を進めていたが、やはり気になるのがお天気。
てんくらで鹿島槍の登山指数を確認すると、両日ともほぼC。

しかも15~20m/s以上の強風が吹き荒れる予報。Orz
日本気象協会では、15日が雨の晴で、16日が晴のち曇とやや希望的な予報。

ただし16日の風速は最大25m/sとてんくらより厳しい数字(-_-;)
てんくらには何度も裏切られているので、気象協会の予報に一縷の望みを託し、決行することにした。
帰宅後、登山口のある長野県大町市に向けて北陸道(E8)を北上。

23:00 北陸道越中境PA(下り)

深夜割引(0~4時)適用のため、ここで3時間ほど時間調整の仮眠zzz
3:30 扇沢出合橋詰パーキング(無料)(標高約1350m)

お盆なので厳しいかと思いきや、余裕で駐車できた。またここで仮眠第2部zzz
アラームで5時に起床。

到着時空いていた両隣は埋まっていたが、まだ2台ほど余裕があった。
扇沢橋を渡った先の通称三角パーキング(無料)もまだ空きがあった。

この一帯の無料駐車場はハイシーズン中はすぐに埋まるため、満車だと約15分先の大町市営駐車場(無料)もしくは扇沢有料駐車場まで行かないとならない。
どんよりとした雲が覆ってるものの、雨はまだ降っていない。

ドーピング剤でエネルギー注入。

OPP対策は三角パーキングの仮設トイレを利用。

準備を済ませ、登山口に向かう(5:29)

ハイシーズン中だが、登山相談所は閉まっていた。

お盆だから相談員の方も休みなのかな?
5:32 柏原新道 扇沢出合登山口(標高約1350m)

ここから主稜線上にある種池山荘までは、距離約4.8㎞、累積標高差約1360mで、鬼倍率※は約3倍。標準CTは3時間30分で、目標CTは約5時間30分(休憩含む)
※地元の鬼ヶ岳(533m・距離約1.4㎞・標高差約430m)の何回分であるかで、急登ぶり表す独自指標。
自宅で作成してきた登山届を忘れずに提出。

今年度は種池山荘、冷池山荘とも要予約の注意喚起看板。

予約なしの場合、小屋泊は+3000円、テン泊は+2000円(特定日のみ)の割増料金がかかるようだ。
いきなりガケ崩れ危険‼の注意看板。

これか! とりあえず1枚、

ってそんなことしていないで、さっさと通過しろってことか(笑)
柏原新道は種池山荘2代目小屋主の故柏原正泰氏が、

昭和30年代後半から昭和41年頃にかけて自らツルハシやスッコプを手に持ち、独力で開いた登山道。残念ながら正泰氏は昨年(2021年)永眠(92歳)されたそうだ。合掌
通称モミジ坂と呼ばれる急坂を登っていく。

後続者にどんどん抜かれていくがマイペース。
6:40 八ッ見ベンチ(標高約1625m)

おそらく好天だと八ヶ岳が見えるのだろうが、木々が邪魔してそれほど眺望は開けていない。板の簡素なベンチが2つあり、ここで小休止。
段差ができるだけ小さくなるよう整備されており、歩き易い。

ありがとうございます。
ハクサンオミナエシ(白山女郎花)

オミナエシ科オミナエシ属の多年草。別名コキンレイカ(小金鈴花)
ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)

キク科ヒヨドリバナ属の多年草。
ガケ通行の注意喚起看板。

普通に歩けば特に問題はないが、道幅が狭いのですれ違い等に注意。

扇沢駅(立山黒部アルペンルート)から、始発便のアナウンスが聴こえてくる。

7:24 ケルン(標高約1765m)

どうやら昭和45(1670)年5月に久保田鉄工(現クボタ)の有志が設置したようだ。
このプレート通りだと、扇沢~種池間のCTは4時間10分。

岩小屋沢岳(2630m)直下の沢にはまだ雪渓がある。

ここも道幅が狭く、左手がガケなので通行に注意。

この辺りからポツポツと雨が降ってきた(7:43)

見上げた先の稜線には種池山荘が見えている(8:04)

8:09 駅見岬(えきみざき)(標高約1900m)

山なのになぜ岬? 柏原新道では登山道が小尾根と交差する地点を岬(ざき)と呼ぶそうだ。
次第に雨足が強くなってきた(8:35)

8:40 一枚岩(標高約2020m)

柏原新道のほぼ中間地点。ところで一枚岩ってどこに? 後から分かったがどうやら足元にあるらしく、今ではあまり目立たなくなっているそうだ・
大きな岩が敷かれた道になる(9:03)

かなり雨が強くなってきたので、カッパを装着がてら小休止(9:13)

9:32 石畳(標高約2140m)

約400mにわたって路面に岩が敷き詰められている。
9:44 水平道(標高約2160m)

ほぼ水平の、足に優しいボーナス区間(笑)
蓮華岳(2798m)と針ノ木岳(2820m)にはどんよりとした雲がかかっている。

僅かに見える日本三大雪渓の針ノ木雪渓もいつか歩いてみたい。
黒部ダム建設最大の難所、破砕帯のある鳴沢岳(2641m)もご覧の通り。

9:52 包優岬(ほうゆうざき)(標高約2195m)

英語だと”ザ ケープ オブ ラブミー テンダー”っていうところかな(笑)
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)

キク科アキノキリンソウ属の多年草。
オヤマリンドウ(御山竜胆)

リンドウ科リンドウ属の多年草。
10:02 石ベンチ(標高約2215m)

座るのに手頃な大きさの岩が並んでおり、ここでも小休止。
10:15 アザミ沢(標高約2235m)

9月頃からアザミの大群落が見られるそうだ。
10:19 黄金岬(こがねざき)(標高約2240m)

ここから見られるカラマツの黄葉が見事なことから命名されたそうだ。
柏原新道最大の難所、ガラ場への注意喚起。

道幅が狭くすれ違い困難なので、前方にハイカーが見えたら手前で待機。

8月頃までは雪渓をトラバースする必要があるが、登山道上はもう消えていた。

慎重に歩けば問題はないが、濡れていると滑り易いので要注意。

10:33 ガラ場(標高約2280m)

奥の沢と呼ばれるここは崩落しかかっており、浮石や落石などに十分注意。

ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)

キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。
オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿)

ハエドクソウ科ミゾホオズキ属の多年草。
シモツケソウ(下野草)

バラ科シモツケソウ属の多年草。
トリアシショウマ(鳥足升麻)

ユキノシタ科チダケサシ属の多年草。
前方が開けてきたが、傾斜もキツくなってくる(10:48)

10:51 富士見坂(標高約2320m)

ウサギギク(兎菊)

キク科ウサギギク属の多年草。
一段と傾斜がキツくなり、雨風も強くなってきた。

矢でも鉄砲でも持ってこい!
11:09 鉄砲坂(標高約2380m)

ヘバった身体には、まさに鉄砲の玉が降り注ぐような胸突き八丁で立ち止まりが激増(笑)
標識の下に熊出没注意の看板。

ここ数日、山荘付近をうろついているとあるが、年季の入った看板でいつの情報?
ようやく種池山荘の屋根が見えてきた(11:26)

ハクサンフウロ(白山風露)

フウロソウ科フウロソウ属の多年草。
稜線直下はお花畑になっているが、ほぼ終盤。

チングルマ(実)(珍車・稚児車)

バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木。
11:35 種池山荘(標高約2450m)

タイムは6時間3分とゆるゆるの目標(5時間30分)を30分も超過する大ブレーキ。情けない…
柏原新道で鹿島槍ヶ岳(2889m)へ 1日目その2に続く…
☆ここまでのルート図☆ (クリックすると拡大します)

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