トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

屋根にFRPを被せていけません。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

雨漏り修理の依頼をもらったので、っていうか、ここのところ、原因究明しては修理っていう日々を送っていて、9月に入って何軒目なのか分かりませんが、またもや行ってきました。今回、問題になったのは、この屋根です。

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何が問題かというと、これ、屋根にFRPが吹き付けられているんです。FRPが被せられていると、どこから入っているのかの特定ができなくなってしまうんです。けっこう古い家なので、通常であれば雨漏り箇所の特定は比較的簡単ですが、今回は雨漏りしている場所がとても入り組んでいて、すでに特定が難しいのに加えて、FRPがあることにより、瓦をめくって調べることができなくなってしまっています。

FRPを被せるなんていうのは、はっきり言って「臭い物に蓋をする」という工法で、やるべきではありません。本来、雨漏りさえ修理すれば、瓦の屋根はとても長持ちします。ところが蓋をしてしまうことで、屋根は呼吸できなくなり、下地が傷むことにもなります。被せるなんて、何一つ良いことは無いんです。今回の屋根では、そもそも修理しないといけない箇所をそのままにしてFRPが被せてあるのが見てとれます。つまり「屋根のことなんて何も知らない素人」が施工しているんです。

 

現在、僕が屋根の面倒を見させてもらっている家でも、FRPを勧められたことがあるらしいです。全力で止めましたけどね。もしかすると「葺き替えより安くて簡単に全体の雨漏りを止められて、頑丈にできるよ」なんて甘い言葉で勧誘されるかもしれませんが、騙されないでくださいね。