当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

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2020-01-01から1年間の記事一覧

The Best Years of Our Lives

「"わたしがおまえたちを滅ぼすとして、それがおまえたちとなんの関係がある?"」 (劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』) はじめに この文章は、2020 Advent Calendar 2020 の第21日目の記事として書かれています。昨日は june29 さん、明日は pbn broadcast さんで…

COBOLのコードは未だに我々の金を握っており、バリバリ現役である

www.wealthsimple.comこの文章は、1969年にトロントの高校を出たばかりの、特に人生の目標もなかったトーマスの話から始まる。彼の父親は大工だったが、あいにく彼は不器用ときた。そこで母親が彼に新奇なものを勧めた。「コンピュータプログラミング……とか…

もうすぐ20歳の誕生日を迎えるウィキペディアとそれを祝う(?)書籍の刊行

yamdas.hatenablog.comこの文章でワタシは、「ウィキペディアは来年の1月15日に20歳の誕生日を迎える」「Wikipedia は非営利では今や世界最大のウェブサイトであり、20年はキリが良いので、来年のはじめにはなんらかのイベントがあるんだろうな」と書いたが…

いよいよ現実的な話題となったGAFAの解体を考える上で重要なサリー・ハバード『Monopolies Suck』

jp.techcrunch.comいわゆる GAFA に代表される、プラットフォームを握るテック大企業を独占禁止法違反に問えという声は年々大きくなる一方だったが、遂に Facebook に対して米連邦取引委員会が分割を要求するところまできた。この問題についてはワタシも、テ…

「クイーンズ・ギャンビット」を観て将棋ファンとして思ったこと

今年世界的に大ヒットした Netflix の「クイーンズ・ギャンビット」だが、少し前にワタシも遅ればせながら完走した。観る前から評判を聞いていたので、ep1 がまったく面白く感じなくて不安になったが、アニャ・テイラー=ジョイが登場してからは素晴らしい。…

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その38

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、Amazon 版にまた新しいカスタマレビューが追加されていた。もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて: 続・情報共有の未来作者:yomoyomo発売日: 2020/07/20メディア: Kindle…

お前も技術的負債にしてやろうか! もしくは技術的負債と和田卓人さんをめぐるシンクロニシティ

みんな大好き、技術的負債の話題である。t-wada.hatenablog.jpまずはエチケットペーパーというか議論の前提として、和田卓人さんのブログエントリをはっておく。技術的負債という概念の生みの親であるウォード・カニンガムの説明を読み直すと、「技術的負債…

はやくも「AI倫理」の問題が争点となってきた(し、それをテーマとする本も刊行される)

wired.jpwww.itmedia.co.jpはやくも「AI倫理」がホットな問題、というかコンフリクトの争点になってきた……という書き方は少し勇み足で、管理職から見て扱いずらかった AI 研究者を機を見てお引き取りいただいた、というのが実態に近いのかもしれない。たとえ…

太陽光発電の価格がこの10年で9割近く下落しているのに驚く

ourworldindata.org再生エネルギーによる発電に期待しない人は多いに違いない。化石燃料でなく再生エネルギーで電気をまかなえるようになればよいのだが、再生エネルギーは石油や原子力に比べて発電にコストがかかるので、現状では化石燃料への依存は不可避―…

2020年に観たNetflix映画の感想まとめ(主に『Mank/マンク』)

毎年20本以上の新作映画を映画館(や機内放送)で観てきたのだが、ご存知の通りの事情で2020年に映画館で観た映画は8本だけとなる(はず)。実に寂しい話である。その代わりと言ってはなんだが、今年は Netflix で何本か新作映画を観たので、その感想をまと…

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その37

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、前回の更新で Amazon 版に低い星のカスタマ評価がついたことを触れたら、それに同情してくださってか、5つ星のカスタマレビューが2個追加されていた。もうすぐ絶滅するという開か…

ますます「暗い森」になりつつあるインターネットの中で個人ブログを書くことの意味

yamdas.hatenablog.com昨年6月に公開した文章だが、先日「パブリッシングの主軸をはてなからnoteに移した/移しつつある人たちをまとめてみた」で紹介したところ、初めて読んだ人が多かったようで、はてなブックマークが増えていた。この「暗い森」になりつ…

OpenStreetMapは企業からの編集参加が増えており伸びしろがありそう

joemorrison.medium.com誰でも自由に利用できる世界地図を作るプロジェクトである OpenStreetMap についてはこのブログでも何度も取り上げている。例えば、昨年 OpenStreetMap が2018年のフリーソフトウェア財団の FSF Awards を受賞したことを取り上げたが…

キャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』刊行&早くも出る彼女の新刊『Do It Like a Woman』(追記あり)

キャロライン・クリアド=ペレス(Caroline Criado Perez)の『Invisible Women』のことは「Five Booksで2019年最高の本をジャンル別に探す(もしくはカタパルトスープレックス賛)」で取り上げているが、『存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけ…

Mental Flossが選ぶコメディ映画の最高傑作30本

www.mentalfloss.comこのようなオールタイムベスト映画選出記事は珍しくないが、Mental Floss がやってるのがポイントなんでしょうな。以下その30本を紹介するが、年代順に並んでおり、数字は作品のランキングではないのに注意。 クライド・ブラックマン、バ…

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その36

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、久しぶりに Amazon 版のページを見たら、星がついている。おっ、誰かレビューを書いてくれたのか! と勇んで見たのだが……もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて: 続・情…

XPRIZE財団の創設者が考える2020年代を方向付ける20のメタトレンド

peterhdiamandis.medium.comFour short links で知った文章だが、これを書いているピーター・ディアマンディスって誰だっけと調べたら、XPRIZE 財団の創設者で、スティーブン・コトラーとの共著もある人だった。レイ・カーツワイルと Singularity University…

ロボット・AI時代にその危険性と人間の専門技能の擁護を説くフランク・パスクアーレ『New Laws of Robotics』

IoT

Frank Pasquale(彼の苗字はパスクアーレ、パスクァール、あるいはパスカルのいずれで表記したものか)のことは、4年以上前に「我々は信頼に足るアルゴリズムを見極められるのか?」で引き合いに出しているが、彼の前作『The Black Box Society』はちゃんと…

アメリカの映画/ドラマで使われる小道具のお札の作り方

アメリカの映画やドラマで大量の紙幣が登場する場面があるが、本物のお金を常に使うわけはなく、撮影用の小道具のお札を使う。その小道具のお札にフォーカスした動画が面白い。『ラッシュアワー2』、『オザークへようこそ』、『ブレイキング・バッド』、『ダ…

パブリッシングの主軸をはてなからnoteに移した/移しつつある人たちをまとめてみた

旧聞に属するが、こういうツイートをしている。ブログがnoteに移っていたりします。元ブログがはてなの場合はそれが顕著です https://t.co/5wWnCInrgD— yomoyomo (@yomoyomo) October 30, 2020 おそらく加野瀬未友さんの元々のツイートからはズレた指摘かも…

ブレイディみかこさんから新刊『ブロークン・ブリテンに聞け』を恵贈いただいた

ブレイディみかこさんから新刊『ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain』を恵贈いただいた。ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain作者:ブレイディ みかこ講談社Amazonasin:B08L6741WR:detail彼女のブログで新刊の話を知り、…

ソイレントの共同創業者が説く「シリコンバレーを没落させた3つの嘘」

www.robrhinehart.comYuta Kashino さんのツイート経由で知ったブログエントリだが、その著者は Soylent の共同創業者である起業家のロブ・ラインハートである。Soylent(の初期)については、2016年の邦訳が出た以下の記事が参考になる。wired.jpこの記事に…

エマニュエル・トッドのトランプ支持やトマ・ピケティのバラモン左翼批判にも通じるマイケル・サンデルの「能力主義の横暴」

courrier.jp実際にこの記事を読んだのは Yahoo! ニュースなのだけど、そちらは既に消えているのでこちらをリンクする。既に他の人も指摘しているが、ドナルド・トランプの再選を望むエマニュエル・トッドや、トマ・ピケティの新刊『資本とイデオロギー』にお…

キャス・サンスティーンが行動科学と公共政策を論じた薄い本を期間限定で無料公開している

アメリカの著名な法学者であるキャス・サンスティーンが、11月12日までの期間限定で新刊 Behavioral Science and Public Policy を無料公開している。New book: BEHAVIORAL SCIENCE AND PUBLIC POLICY. FREE book (free, that is, for about 2 weeks). On nu…

自らの「呪い」から解放されること、なにより生きのびて書き続けること

cakes.mu嘉島唯さんの文章を読んで、ワタシはある二人のことを思い出した。一人はブルース・スプリングスティーンである。www.afpbb.comこの記事のタイトルにもなっている話は重要ではない。重要なのは、この記事の中で出てくる「純粋な恐怖と自己嫌悪」とい…

矢吹太朗『Webのしくみ Webをいかすための12の道具』を恵贈いただいた

yamdas.hatenablog.comこのエントリを書いたのが6月半ばで、その時点では7月刊行予定だった矢吹太朗『Webのしくみ Webをいかすための12の道具』が、今月ようやく発売され、少しだけお手伝いしたワタシも恵贈いただいた。Webのしくみ: Webをいかすための12の…

AIは新しい芸術を「創造」できるか?(そして、それをテーマにする書籍が来月刊行される)

www.oreilly.comここでも何度も取り上げている O'Reilly Media のコンテンツ戦略担当副社長マイク・ルキダスが、またしても AI について書いている。今回のテーマは「AIと創造性」で、GPT-3 の公開がこの議論を再び活発にしたとルキダスは書く。面白いのは、…

オープンソースな義足は人工器官の研究を促進するか

spectrum.ieee.orgズバリ、オープンソースな義足 Open Source Leg の紹介なのだけど、義足(義肢)の設計情報と臨床試験の詳細をオープンソース化によりオンラインで自由に利用できるようにすることで、人工器官の研究者を支援したいというミシガン大学アナ…

書肆侃侃房の人気ウェブ連載「現代アメリカ文学ポップコーン大盛」が書籍化される

note.com書肆侃侃房のウェブ連載マガジンweb侃づめの人気連載が、そのまま『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』の書名で今年末に書籍化とな。現代アメリカ文学ポップコーン大盛作者:青木耕平,加藤有佳織,佐々木楓,里内克巳,日野原慶,藤井光,矢倉喬士,吉田恭…

星の子

星の子 通常版 [Blu-ray]発売日: 2021/03/03メディア: Blu-ray誘われて観に行った。ワタシの観た回は客は全部で5人だった。正直、今観たいのは『スパイの妻』だったが、ワタシの住処から一番近いシネコンではやってないのよね。芦田愛菜の出演作を観るのは『…

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