ケンセツ的視点
目次
-
リニア「談合復活」は必然?
リニア中央新幹線の工事入札を巡る大林組の偽計業務妨害事件が、ほかの大手建設会社も巻き込んだ独占禁止法違反(談合)事件に発展した。大手建設会社の「脱談合宣言」から10年余り、市場環境は当時と様変わりしている。
-
汚く嫌われ献身的な阿部サダヲ主演の“職業”は案の定…
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』で、主役の阿部サダヲは身なりの汚さや身だしなみの悪さなどでヒロイン(蒼井優)に嫌われるキャラクターを演じていると知った。「もしかしたら」とある予感を抱いて映画館へ足を運んだ。
-
建設業の批判者に期待すること
公共工事の入札制度改革を求める日本弁護士連合会(日弁連)の意見書について報じた9月25日付の記事には、後日談がある。10月18日、今度は取材ではなく意見書に対する意見を求められて、日弁連の事務局を訪ねた。
-
「そろい踏み」の無い建設産業の限界
先日、品川駅西口駅前広場の事業協力者決定を報じた際に、記事のタイトルで「そろい踏み」という言葉を使った。相撲に由来するごくありふれた慣用句だが、久々に使ったような気がした。
-
ZEHブームはもう終わるのか?
住宅の省エネ化を目指し、国が進めているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)。その普及シナリオの雲行きが怪しくなってきた。ZEHの補助事業で申請件数が伸び悩んでいるのだ。
-
巨匠コルビュジエが嫉妬した女性建築家
構造物における設計者の位置付けの多様性を、映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』(監督・脚本:メアリー・マクガキアン)を見て改めて考えさせられた。
-
復興庁非推薦? 映画「彼女の人生は間違いじゃない」
東日本大震災の報道では常磐自動車道や除染などを担当した。取材が一段落しても「この地域と住民は今後どうなっていくのか」という思いが尾を引いた。『彼女の人生は間違いじゃない』は、そのような筆者にとって必見の映画の一つだった。
-
「車はつらいよ」新公共交通が救うか
週末に映画館に入り、山田洋次監督の『家族はつらいよ2』を見た。主人公の平田周造(橋爪功)が「それは俺に死ねって言うのと同様だぞ」などと激怒するのを見て、「BRTやLRTに反対する住民には、もしかすると、これに近い感情を抱く人もいるのかもしれない」と連想した。
-
小栗旬が重機で壊したもの
土木や建築の工事現場は事態の進展を視覚的に伝えられるので映画の題材に適している。公開中の映画『追憶』では、小栗旬の演じる建設会社社長が自ら重機を運転して工事現場で働いている。
-
土砂で崩壊した市街地の日常
土砂災害といえば、主に地方の郊外や山間部で発生するイメージがあるが、実際には東京都内や近郊の市街地などでも起こり得る。その現場を目の当たりにした。
-
歌舞伎の大工を苦しめる現代的な問題
現代も歴史上も主要な職業には世間一般に浸透したイメージがあり、映画、演劇といったフィクションに影響を与え続けている。政治家や代官は大抵、権力を振るう金に汚い悪役として登場する。対照的な役回りの1つは大工だ。
-
パニック映画「サバイバルファミリー」に見た道路の底力
今年もやってくる3月11日を前に、東京都内でライフラインが寸断されたら住民の生活はどうなるかを描いた映画が公開中と知り、先日見に行った。
-
危険な擁壁の注意点は?
熊本大地震では、建築基準法や宅地造成等規制法に適合していない擁壁の崩落問題がクローズアップされた。しかし、擁壁が問題になるのは地震の被災地ばかりではない。
-
土砂が滑っても「地すべり」ではない?
土木工事と関わりのある自然災害について、土木の専門誌の視点で取材すると、時には先行報道の問題点が見つかることもある。2月15日付で報じた富山県南砺市の土砂災害は、一般メディアではもっぱら「地すべり」と報じられているが…。
-
地盤トラブル防止のカギは情報収集
ボーリング調査などのデータの共有化を図り、地下空間の安全対策を講じる必要がある——。国土交通省が立ち上げた「地下空間の利活用に関する安全技術の確立に向けた有識者審議会・小委員会」はこんな見解を示した。
-
土木技術者は生涯“受験生”
世間は受験シーズンの真っただ中だ。この季節に高校や大学などの入学試験を受けるほか、入社試験など何らかの社会人になるための試験、あとはせいぜい運転免許試験くらいで「受験」という経験を終える人が多いだろう。しかし土木技術者はそうはいかない。入職後は様々な資格試験が、人によっては中高年まで続く。
-
新海誠監督は新国立競技場も描くか
12月上旬、新国立競技場の建設現場付近の道を歩いていて、「あっ」と声を上げそうになった。現場の背後に、この秋に何回か見たアニメ映画「君の名は。」で美しく描かれた代々木界隈や西新宿のビル群が見えたからだ。
-
インフラ事業の重要性をデータで語ろう
インフラ整備の重要性を客観的に示し、広く市民にその意義を感じてもらえるようにする努力は欠かせない。現場の第一線で働く技術者たちが、インフラ整備の価値や意味をしっかりと認識し、社会に発信していくことが大切だ。
-
雨漏り事故起こしても保険が下りるなら大丈夫?
ある工務店の経営者から、こんな話を聞いたことがある。「最近、うちが手掛けた築5年の戸建て住宅で、雨漏り事故を起こしてしまった。その補修に約400万円の費用がかかったが、住宅瑕疵担保保険の保険金が下りたので事なきを得た。これほど保険金がありがたいと思ったことはない」
-
現場の「善行」を上層部は無駄にするな
歴史ファンである筆者が「善行賞」と聞いて連想するのは、旧日本海軍が下士官と水兵の功績や年功を表彰した「善行章」だ。厚生労働省が建設会社社員に授与する賞にあるとは知らなかった。