独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)は2012年5月22日、同機構が実施する情報処理技術者試験の出題範囲やシラバスの変更を発表した。出題範囲には、「クラウドコンピューティング」や「仮想化」、「標的型攻撃」といった項目が新たに加わり、リモートアクセスで使う「コールバック」や開発支援ツールの「CASE」などが削られた。例えば、IT関連の知識を広く問う午前の部の出題範囲では、従来の約680項目のうち約30項目が削られ、新たに約150項目が加わって約800項目になった。

 大幅に見直されたのは、セキュリティ関連の用語。例えばこれまで「ウイルス」とされてきた用語は「マルウエア」に変わり、マルウエアの一つとして「コンピュータウイルス」や「ボット」「スパイウエア」といった用語が使われるようになっている。

 なお、今回加わったクラウドコンピューティングや仮想化という項目は、過去の試験においても既に出題されている。IPAによれば、「より試験内容が明確になるように、具体的な用語を挙げた」としている。ただしビッグデータなど、過去の出題範囲になかった用語が加わっており、従来の参考書ではカバーしきれない可能性がある。