猟銃訴訟 1審判決取り消し 公安委の処分認める判決 高裁

砂川市でヒグマを猟銃で駆除した猟友会の男性が、その際に住宅の方向に発砲したとして道の公安委員会から猟銃を所持する許可を取り消されたのは不当だと訴えた裁判の2審で、札幌高等裁判所は男性の訴えを認めた1審の判決を取り消し、道の公安委員会の処分を認める判決を言い渡しました。

北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)は、6年前、砂川市の要請を受けてヒグマを駆除した際、住宅の方向に発砲したことを理由に道の公安委員会から猟銃を所持する許可を取り消されたのは不当だとして、処分の取り消しを求めました。
1審の札幌地方裁判所は、「形式的に法令違反となる余地があることを理由に猟銃所持の許可を取り消すことは社会通念上、著しく妥当性を欠き、違法だ」などとして、公安委員会の処分を取り消す判決を言い渡し、被告の道はこれを不服として控訴していました。
18日の2審の判決で札幌高等裁判所の小河原寧裁判長は男性の発砲によって弾丸が周辺の建物に到達するおそれがあったとしたうえで、「周辺にいた3人の生命・身体も危険にさらした。処分をした公安委員会の判断は裁量権の逸脱・乱用に該当しない」などとして、男性の訴えを認めた1審の判決を取り消し、道の公安委員会の処分を認める判決を言い渡しました。
判決について、原告の池上さんは、「危険がなく、安全が確保された状況で発射したにもかかわらず、このような判決が出たことは納得できない。ヒグマへの対策が急がれる中、このような判決が出たことでハンターが猟銃を使用することをちゅうちょしてしまう。最後まで争いたい」と述べ、上告する考えを示しました。
公安委員会の事務を担う北海道警察本部は「当方の主張が認められたものと考えております」とコメントしています。