「南海トラフ地震臨時情報」はふだんと比べて巨大地震が発生する可能性が相対的に高まったと評価された場合にとるべき防災対応がわかりやすいよう、気象庁が「巨大地震警戒」や「巨大地震注意」といったキーワードを付けて発表する情報です。去年8月に日向灘で起きた地震では「巨大地震注意」が発表されています。
南海トラフ地震臨時情報 評価検討会を開き「調査終了」と発表
13日午後9時19分ごろに発生した日向灘を震源とする地震を受け、気象庁は、南海トラフ地震の評価検討会を開きましたが、特段の防災対応を取る必要はないとして13日午後11時45分に調査を終了したと発表しました。
一方、南海トラフ巨大地震が起きる確率は今後30年以内に70%から80%とされ、気象庁はいつ大規模地震が起きてもおかしくないことを意識し、ふだんから地震への備えを進めるよう呼びかけています。
南海トラフ地震臨時情報とは
【南海トラフ地震臨時情報(調査中)】
南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生したり、ひずみ計と呼ばれる観測機器でふだんと異なる地殻変動が観測された場合に、南海トラフ地震との関連性について調査を始めたことを示す「調査中」というキーワード付きの情報が発表されます。
この情報は2019年に運用が始まり、去年8月に初めて発表されました。
【評価検討会】
その後、専門家で作る評価検討会が巨大地震と関連があるか検討を行い、最短でおよそ2時間後に結果を知らせる情報が発表されます。
気象庁はさきほど午後10時半から検討会を開催すると発表しました。
【南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)】
プレートの境目でマグニチュード7以上8未満の地震が起きたり、想定震源域の周辺でマグニチュード7以上の地震が起きたりして、その後の巨大地震に注意が必要とされた場合に発表されるのが「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」です。
1週間は、ふだんの生活を続けながら避難経路や家具の固定など、地震への備えを改めて確認するよう呼びかけられます。去年8月に発表されました。
また、揺れを伴わずにプレートの境目がゆっくりとずれ動く「ゆっくりすべり」が通常とは異なる場所などで観測された場合も「巨大地震注意」の情報が発表されます。
【南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)】
また、想定震源域の半分程度がずれ動くマグニチュード8以上の地震が起き、次の巨大地震に対して警戒が必要とされた場合に発表されるのが「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」です。防災対応は「地震が発生した時に津波からの避難が明らかに間に合わない地域の住民は、1週間事前避難すること」などです。
【調査終了】
巨大地震注意、巨大地震警戒のいずれにも当てはまらないと評価された場合は「南海トラフ地震臨時情報(調査終了)」となります。大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではありませんが、1週間の防災対応の呼びかけなどは行われません。
【南海トラフ地震関連解説情報】
地震活動や地殻変動などの状況については「南海トラフ地震関連解説情報」が随時、発表されます。