マスク氏 ヨーロッパ主要国の政権批判など繰り返す 各国警戒感

アメリカのトランプ次期政権で要職を任されることになっている実業家のイーロン・マスク氏がヨーロッパの主要国の政権批判などを繰り返し、各国は内政に干渉しようとしているとして警戒感を強めています。

アメリカのトランプ次期政権で政府支出の削減を図る組織を率いることになっているマスク氏は、イギリスのスターマー首相がかつて検察局の長官として児童の性的虐待事件に適切に対応しなかったと主張し、みずからが所有する旧ツイッターのXに6日「アメリカはイギリス国民をその専制的な政府から解放すべきだ」と書き込むなど批判を繰り返しています。

これに対してスターマー首相は会見で名指しを避けながらも「うそや誤報を広めている人たちは、被害者に関心があるのではなく自分自身に関心があるのだ」と反論しました。

また、マスク氏は来月、議会選挙が行われるドイツをめぐり、移民や難民への排他的な主張を掲げる右派政党への支持を表明しています。

これについてフランスのマクロン大統領は6日各国に駐在するフランスの大使を前に「世界最大規模のSNSの所有者が、ドイツなどの選挙に直接介入することを誰が想像しただろうか」と述べ、懸念を表明しました。

また、ノルウェーのストーレ首相も地元メディアに「ソーシャルメディアでの巨大な権限とばく大な経済的資源を持つ人物が、他国の内政にこれほど直接関与することは憂慮すべきだ」と述べるなど、ヨーロッパ各国は警戒感を強めています。