ゴールデングローブ賞 SHOGUN 作品賞など4賞 真田広之さん主演

アメリカですぐれた映画やテレビ作品などに贈られるゴールデングローブ賞が発表され、真田広之さんがプロデュース・主演した「SHOGUN 将軍」が、テレビドラマ部門の作品賞をはじめ主演男優・女優賞などあわせて4つの賞を受賞しました。

第82回ゴールデングローブ賞は5日、西部カリフォルニア州のビバリーヒルズのホテルで発表と授賞式が行われ、真田広之さんがプロデュース・主演したアメリカの作品「SHOGUN 将軍」がテレビドラマ部門の作品賞を受賞しました。

さらにテレビドラマ部門の主演男優賞に真田広之さん、主演女優賞にアンナ・サワイさん、テレビ部門の助演男優賞に浅野忠信さんがそれぞれ選ばれ、ノミネートされた4つの賞すべてを受賞しました。

真田さんは、受賞後のスピーチで「私の人生に関わってくださったすべての方に感謝します。みなさんが私をここに連れてきてくれました。そして、世界の若い俳優やクリエーターに『自分らしくあり続け、自分を信じ、決してあきらめるな』と伝えたいです」と述べました。

浅野忠信さんは「みなさんは私のことを知らないかもしれません。私は日本の俳優で浅野忠信といいます。本当にありがとうございます。本当にありがとうございます。今夜東京に戻らなければならず、あすの朝には再び撮影です。これは自分への大きなプレゼントです」と興奮気味に語り、会場から大きな拍手と歓声が起きていました。

「SHOGUN 将軍」“本物の日本文化”発信

「SHOGUN 将軍」は、1975年に発表され世界的にヒットした、戦国時代の日本が舞台の小説が原作の作品です。

真田広之さん演じる徳川家康をモデルとした架空の武将が、日本に漂着してきたイギリス人航海士と関わることで戦乱の窮地をくぐり抜け、天下統一を目指す物語を10回のドラマシリーズで描いていて、せりふの大半が日本語というアメリカでは異色の作品です。

真田さんは主役を演じるだけでなくプロデュースも務め、衣装やたてなど各分野に通じた専門家を起用。演技の所作や小道具、衣装なども監修し、これまでのハリウッド映画などでは日本から見ると違和感があった描写を改めて「本物の日本文化」を発信することが強く意識されました。

リアリティーのある演出や迫力あるアクションが随所に盛り込まれ、激動の戦国時代の物語を壮大なスケールで描いています。

そして去年、アメリカの優れたテレビ番組などに贈られるエミー賞で、ドラマ部門の作品賞のほか、真田さんが主演男優賞を受賞するなど、1つのシーズンの作品として合わせて18の賞を受賞し、エミー賞で最多の受賞記録を打ちたてました。

真田広之さん 日本を代表する国際派俳優

俳優の真田広之さんは、東京出身の64歳。

ジャパンアクションクラブの出身で、1970年代から80年代は「戦国自衛隊」や「里見八犬伝」などの作品に出演し、アクションもできる二枚目俳優として人気を集めました。

その後、1990年代にかけては映画「麻雀放浪記」やNHKの大河ドラマ「太平記」、テレビドラマ「高校教師」などコメディーから恋愛ドラマまで幅広い役柄をこなし、演技力も高く評価されました。

2003年に公開され、トム・クルーズさんや渡辺謙さんと共演したハリウッド映画「ラストサムライ」への出演以降は活動拠点をロサンゼルスに。

その後も「47RONIN」や「ブレット・トレイン」などハリウッドのアクション映画に武士やヤクザなど日本人の役で次々と出演、日本を代表する国際派俳優として活躍しています。

授賞式前のレッドカーペットでは…

5日、授賞式を前に出演者たちがレッドカーペットを歩き、真田さんやアンナ・サワイさんも姿を見せました。

真田さんは「共演者やプロデューサーとの再会を祝いつつ無心で臨もうと思います」と話していました。

また、サワイさんは「考えると緊張してしまうのでどうなるかわかりませんが、ノミネートされたというだけでうれしいので楽しみたいです」と話していました。