山崎国連大使 ガザ停戦実現できず「心重い」 無念さにじませる

日本が国連の安全保障理事会の非常任理事国としての任期を今月末で終えるのを前に、日本の山崎国連大使がNHKのインタビューに応じ、ガザ地区での停戦を実現できないまま任期を終えることに「心は重い」と振り返るとともに、核軍縮や平和構築に一層力を入れていく考えを示しました。

日本は去年とことしの2年間、12回目となる安保理の非常任理事国を務め、ことし3月には、議長国としてガザ地区での即時停戦を求める初めての安保理決議の採択に尽力しました。

この決議についてNHKとのインタビューで山崎和之国連大使は、アメリカが拒否権を行使しないとわかったのは会合が始まる「30秒前だった」と述べ、ぎりぎりまでの交渉で採択されたことを明かしました。

しかしその後、ガザ地区での停戦が実現していない現状に、「安保理の任期はもうすぐ終わるが心は非常に重い。現実に人が救われなければ価値はない」と述べ、安保理の一員として世界の平和と安全に対する責任を十分に果たせなかった無念さをにじませました。

また、日本が安保理から外れる来年については、広島・長崎への原爆投下から80年となることなどから、核軍縮や核の不拡散に一層力を入れるとともに、紛争後の復興や再発防止に関わる国連の平和構築委員会への貢献を、さらに強めていく考えを示しました。

日本は次は2032年に行われる非常任理事国の選挙に立候補することにしています。