袴田さん無罪確定受けた捜査事実確認おおむね終了 結果公表へ

58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で、袴田巌さんの無罪が確定したことを受けて、静岡県警察本部が進めてきた当時の捜査についての事実確認がおおむね終わり、県警が年内にも結果を公表する方針であることが関係者への取材でわかりました。

58年前に今の静岡市清水区で、みそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件の再審で、一度死刑が確定した袴田巌さん(88)の無罪が10月に確定しました。

判決では、有罪の決め手とされてきた「5点の衣類」などの証拠を、捜査機関がねつ造したと判断したほか、警察官や検察官による取り調べを非人道的だと指摘していて、静岡県警察本部は無罪の確定を受けて、当時の捜査についての事実確認を始めました。

刑事部長以下およそ20人の態勢で、当時の捜査記録などから捜査の経緯や実態を確認するとともに、元捜査員やみそ製造会社の元従業員などに聞き取りを進めていましたが、この作業がおおむね終わり、県警が年内にも結果を公表する方針であることが関係者への取材でわかりました。

県警は、取りまとめた結果を「現在の捜査に教訓として生かしたい」としていて、ホームページなどで公表する見通しです。

一方、最高検察庁も、袴田さんの再審請求の手続きが長期間に及んだことなどについて検証を行っていて、まとまり次第、公表する方針です。