円相場 一時1ドル=157円台に 日銀 植田総裁の発言受け

19日の東京外国為替市場、日銀の植田総裁の追加の利上げをめぐる発言を受けて、円を売ってドルを買う動きが急速に進み、円相場は午後6時前に一時、1ドル=157円台まで値下がりしました。

日銀は19日までの2日間、金融政策決定会合を開き、追加の利上げを見送ることを決めました。

これを受けて東京外国為替市場では、日本とアメリカの金利差が縮まりにくいという観測から、19日正午前に、円相場は1ドル=155円台まで値下がりしました。

さらに午後に開かれた会見で、植田総裁が今後の追加の利上げのタイミングについて、「来年の春闘に向けたモメンタム(勢い)など、今後の賃金の動向について、もう少し情報が必要だ」などと発言したことから、日銀が来月の会合でも利上げを見送るのではないかという見方が出るなどして、円安が一段と進み、午後6時前には、円相場は一時、1ドル=157円台まで値下がりしました。

1ドル=157円台となるのは、ことし7月23日以来およそ5か月ぶりです。

午後5時時点の円相場は、前の日と比べて2円89銭円安ドル高の1ドル=156円46銭~49銭でした。

また、ユーロに対しては、1円45銭円安ユーロ高の1ユーロ=162円64銭~68銭でした。

ユーロは、ドルに対して1ユーロ=1.0394~96ドルでした。

市場関係者は「今月は追加利上げを見送っても、来月は利上げするのではないかとみる投資家も多かった。ただ植田総裁の発言を受けて、来月の追加利上げも見送られるのではないかという見方が急速に強まり、一段と円売りドル買いの動きが進んだ」と話しています。