アメリカ海兵隊 沖縄駐留の約100人 グアムへ移転開始と発表

アメリカ海兵隊は、沖縄に駐留する部隊をグアムなどに移転する計画の一環として、およそ100人の隊員がグアムへの移転を開始したと発表しました。

アメリカ海兵隊が14日に発表した声明によりますと、移転を始めたのはおよそ100人の後方支援にあたる隊員です。

発表の中で海兵隊は「グアムへの移転の開始は海兵隊の日本国外への移転の第1段階を意味する。日本政府とアメリカ政府は沖縄を含む地域のコミュニティーへの影響を緩和しつつ、日米同盟の抑止力と対応能力を強化するため引き続き協力する」としています。

また、移転先のグアムでは、日本の自衛隊が訓練場を共同で使用できることになっていて、海兵隊は「海兵隊と自衛隊が共同訓練を実施することで、同盟の抑止力、そして対応能力が強化される。日米両政府はさらなる共同訓練の可能性について引き続き協議する」としています。

海兵隊は中国軍のミサイル能力の向上などを背景に、有事の際には敵のミサイル射程圏内での偵察や攻撃を担う海兵沿岸連隊=MLRを数年以内にグアムにも配備するとしていて、部隊の再編を進めています。

中谷防衛相 名護市長に先遣隊のグアム移転開始伝える

中谷防衛大臣は、14日、名護市で渡具知市長と会談し「海兵隊の後方支援要員およそ100人の先遣隊が沖縄からグアムへの移転を開始した。非常に重要な取り組みで、引き続きアメリカ側と協力して進めていきたい」と述べ、沖縄に駐留する海兵隊員のグアムへの移転が始まったことを伝えました。

日米両政府は沖縄の基地負担軽減に向け、2006年に海兵隊のグアム移転で合意し、現在の計画では、隊員4000人以上とその家族が対象となっています。

来年にかけてまずは隊員およそ100人が移転を始め、段階的に進めていくということです。

一方、渡具知市長は、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事をめぐり「市民の不安を払拭(ふっしょく)し、一層の安全対策を講じることが重要だ」と述べ、安全に工事を進めるよう求めました。

在日米軍 海兵隊員の移転 合意内容は

沖縄の基地負担の軽減に向けて、日米両政府は、在日アメリカ軍の海兵隊員およそ9000人をグアムやハワイに移転させることで合意しています。

このうち4000人以上が、グアムに移転する計画となっていて、防衛省は、今回のおよそ100人に続いて、段階的に移転が進んでいくとしています。

移転にかかる費用は86億ドルと見込まれ、このうち日本は最大で28億ドルを負担します。

移転先では、司令部や隊舎、訓練場などの整備が行われていて、訓練場は、自衛隊も共同で使用できることになっています。

沖縄の基地負担の軽減をめぐっては、一部の基地の返還や航空機の移転などが行われています。

また、普天間基地の名護市辺野古への移設は、埋め立て工事が続いていて、政府は、移設が可能になるまで11年ほどかかるとしています。