韓国 大統領弾劾議案 採決へ 与党方針は“14日に最終決定”

韓国のユン・ソンニョル大統領の弾劾を求める議案は、14日午後4時から開かれる国会の本会議で採決が行われる予定です。

与党は、14日に開く議員総会で党としての方針を最終的に決めるとしていて、どの程度の与党議員が賛成にまわるのかが引き続き焦点となっています。

韓国の国会は、14日午後4時から本会議を開くと発表し、この中で、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾を求める議案の採決が行われる予定です。

議案が可決されるには、与党から少なくとも8人が賛成に回る必要がありますが、複数の韓国メディアは、賛成するとみられる与党議員が7人になったと伝えています。

与党内では、ハン・ドンフン(韓東勲)代表が、党として弾劾に賛成すべきだという考えを示しています。

これに対し、クォン・ソンドン(権性東)院内代表は13日、「今は党として弾劾に反対だが、議員たちが相談して決めることであり、虚心坦懐に意見を交わして慎重に決定をくだす」と述べ、14日の午前10時から議員総会を開いて、党としての方針を最終的に決めると明らかにしました。

一方、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表は、「国民の声は、『ユン大統領は今すぐ退け』というものだ。弾劾だけが混乱を終わらせる最も早くて確実な方法だ」と述べ、議案に賛成するよう与党議員に呼びかけました。

2度目となるユン大統領の弾劾の議案の採決に向け、どの程度の与党議員が賛成にまわるのかが引き続き焦点となっています。

国会前では13日も弾劾を求める市民たちの大規模な集会が開かれています。

13日の集会は、ソウル以外の地域からも大勢が参加していて、「即刻弾劾」などとシュプレヒコールをあげていました。

警察によりますと13日は10万人が参加する届け出があったということです。

集会に参加した19歳の大学生は「非常戒厳は国民のためではなく、大統領自身のための行動だったと思う」とユン大統領を非難していました。

一方で、大統領府の前の通りにはユン大統領を支持するメッセージが書かれた花輪が1000以上置かれ、「ユン大統領を最後まで支持する」とか「弾劾反対」などのメッセージが書かれていました。

ユン大統領の支持率 就任以来最低の11%

世論調査機関の韓国ギャラップは12日までの3日間、1002人を対象に行った世論調査の結果を13日に発表しました。

それによりますと、ユン大統領の支持率は、前の週から5ポイント下がり、就任以来、最も低い11%となりました。

支持しないと答えた人の割合は、これまでで最も高い85%でした。

また、ユン大統領の弾劾については、
▽「賛成」が75%、
▽「反対」が21%でした。

ユン大統領による「非常戒厳」について、内乱にあたるかどうか尋ねたところ、
▽「内乱だ」と答えた人の割合が71%、
▽「内乱ではない」と答えた人の割合が23%だったとしています。

内乱の疑いで拘束の警察庁長官 「大統領が国会議員逮捕を指示」

ユン大統領の「非常戒厳」の宣言をめぐり、韓国メディアは、内乱の疑いで拘束されている警察庁のチョ・ジホ(趙志浩)長官が警察の取り調べに対して、「大統領が6回、電話をかけてきて、『国会議員を逮捕しろ』と指示した」と供述していると伝えています。

警察の関係者は13日、大統領と通話したチョ長官の携帯電話を押収したと明らかにしました。

警察は、内乱の疑いでチョ長官の逮捕状を請求し、13日午後からソウルの裁判所では、チョ長官も出席して逮捕状を出すかどうかを判断するための審査が行われています。