鹿児島 JR川内駅で貨物列車脱線 JR九州が会見で謝罪

12日、鹿児島県薩摩川内市にあるJR鹿児島本線の川内駅で貨物列車が脱線しました。JR九州は現場付近で12日終日、運転の取りやめを決め、再開には時間がかかるという見通しを示していて、国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官が脱線の原因を調べることにしています。

12日午前3時ごろ、鹿児島本線の川内駅で熊本市の熊本操車場から鹿児島駅に向かっていた、機関車1両と貨車11両のあわせて12両編成の貨物列車が脱線しました。

けが人はいませんでした。

貨物列車はコンテナを載せていて、現地で調査を行っているJRの担当者の報告では、機関車1両と貨車の部分の2両が進行方向左側に脱線しているということです。

国土交通省によりますと、運転士が走行中に揺れを感じ、非常停止を行って確認したところ、機関車の6軸すべて、貨車の1両目の4軸すべて、2両目の3軸が脱線していたと報告があったということです。

この影響で、JR九州は鹿児島本線の川内駅と隈之城駅の間の上下線で12日は終日、運転の取りやめを決め、再開には時間がかかるという見通しを示しています。

この事故を受けて、12日午後、国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人が現場に入り、脱線の詳しい原因を調べることにしています。

JR九州 鹿児島支社長が謝罪

脱線事故を受けて、JR九州とJR貨物は、12日午後3時半から鹿児島市で会見を開き、JR九州鹿児島支社の海老原毅支社長は「このたびはお客様、関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございません」と謝罪しました。

【動画 8秒】ヘリコプターで上空から撮影

JR九州“乗車券・定期券で九州新幹線 乗車可能”

JR九州は、鹿児島中央駅と川内駅の間について、乗車券や定期券などで九州新幹線に乗車できる対応を列車の運行が再開するまでの間、続けることにしていて、駅の係員に切符や定期券を提示してほしいとしています。

国交省 事故調査官を派遣

国土交通省によりますと、JR貨物からは運転士が走行中に揺れを感じ、非常停止を行って確認したところ、機関車の6軸すべて、貨車の1両目の4軸すべて、2両目の3軸が脱線していたと報告があったということです。

国の運輸安全委員会は、事故調査官2人を現地に派遣し、詳しい原因を調べる予定です。

貨物列車をめぐっては、11月にも北海道のJR函館線で走行中に脱線する事故が起きています。

鹿児島中央駅では

鹿児島中央駅では、復旧まで時間がかかる見通しだといった内容のアナウンスが繰り返し放送されています。

在来線の改札の前にはダイヤの乱れの発生を伝えるホワイトボードが立てられ、通勤・通学の時間帯の午前7時半ごろには多くの学生が運転再開を待っている様子が見られました。

高校1年生の2人組は「いつもこの時間に電車に乗って学校へ行っているが、きょうは事故の影響でずっと待たされています。早く学校に行けるようになってほしいです」と話していました。

また、高校3年生の生徒は「けさ7時過ぎにここにきて電車が止まっていることを知りました。午前10時くらいまで待ってみようと思いますが、ダメだったら帰ります。受験が迫っているので、休みというのは痛いです」と話していました。

JR川内駅では

通学時間帯の午前8時すぎのJR川内駅の在来線の改札口付近には、通学できない多くの高校生が待機して学校からの指示を待っていました。

いちき串木野市にある神村学園前駅に向かう予定だった高校生は「駅に来て友達に聞いて運転見合わせを知りました。補講があるので困ります」と話していました。

川内駅から鹿児島市内の病院に向かう予定だったという60代の男性は「駅に来て運休を知りました。鹿児島本線はよく使うので困りますが仕方ないです。新幹線で向かおうと思います」と話していました。

いちき串木野市にある高校に向かう予定だったという男子生徒は、駅のいすに座って勉強していました。

男子生徒は「運休で友達は帰りましたが、自分は集中できるのでここで1時間くらい勉強しています。遠隔で授業が行われる可能性もあるので、このあと一度、家に帰ります」と話していました。

同じく高校に向かう予定だったという女子生徒は「列車が運休していて学校に行けませんが、担任から今後の対応について連絡がくることになっているので待ちたいと思います」と話していました。