“こども短歌”2024年を詠む あの大発見や活躍も歌に

“こども短歌”2024年を詠む あの大発見や活躍も歌に
日本に古くから伝わる「短歌(たんか)」。
いま、SNSなどで広がり、若(わか)い人たちに人気があるんだって。

子どもたちに、はやりの「短歌」で1年をふり返ってもらったら…
2024年を代表するキーワードが次々と出てきたよ。

「こどもニュース探検隊(たんけんたい)」のぼく、ニュースター(10さい)が、話題のあの人にも短歌を詠(よ)んでもらったよ。

ではご一緒に、レッツ短歌!

いま、短歌がブーム

いま「短歌」の人気が高まっているって知ってた?

SNSでは若い人たちを中心に、短歌がたくさん投稿(とうこう)されていて、歌集(かしゅう=短歌を集めた本)も新しいものがたくさん出ているんだって。

短歌は、5・7・5・7・7の31音で表す詩(し)のこと。
俳句(はいく)とはちがって、季語(きご=季節(きせつ)を表す言葉)は入れなくてもいいんだよ。

SNSで広がる

どうして、若い人たちに人気があるのかな?
東洋大学 准教授(じゅんきょうじゅ)の高柳祐子(たかやなぎ・ゆうこ)さんに聞いてみたよ。
東洋大学 高柳さん
「短歌は何気ない言葉、短時間でできるということで手軽です。さらに若い人たちはSNSで“何文字以内”というのに慣(な)れているので、相性(あいしょう)がよいのではないでしょうか」
こちらはSNSで人気に火がつき、初めての歌集がベストセラーになった注目の歌人(かじん)、上坂あゆ美(うえさか・あゆみ)さん。
まっすぐで、鋭(するど)い切り口が特徴(とくちょう)なんだそう。
「怒っても 変わることない 世の中で 血のように赤い リップが売れる」
世の中への怒(いか)りと、リップの色を重(かさ)ねた、はっとするような歌だにゅ~。
その上坂さんといっしょに、ことし話題となった場所をたずねて、子どもたちに短歌を詠んでもらったよ。

書道教室で

まずやってきたのは、都内(とない)の書道教室。
ことしの大河(たいが)ドラマ「光る君へ」。
吉高由里子(よしたか・ゆりこ)さんが実際(じっさい)に書いている文字も話題になったんだ。
この教室では生徒の数が過去最高(かこさいこう)になったんだって。
デジタルの時代だからこそ「字を習わせたい」という親などがふえているんだそう。

さっそく、短歌をつくってみよう~!どんなのができたかな?
「値段(ねだん)がね さいきんずっと 成長期 大きすぎるのも いいことなのかな」
生徒
「アイスとか100円ちょっとで買えていたのが、120円から160円くらいになって、こんなに高くなっていたんだって」
お小遣(こづか)いをあげて~、とか言わないの?
生徒
「特にないです。食材費(しょくざいひ)とか、お母さんの財布(さいふ)にも直撃(ちょくげき)しているはずなので」
お母さん思いだね。次は、夏の思い出について。
「せんぷうき あついときこそ しごとちゅう おかげでわたし すずしかったよ」
ことしは「猛暑」(もうしょ)。本当に暑(あつ)かったよね~。
「夏休み ストパをかけて うれしいな かがみにうつる ちがう私」
ストレートパーマをかけて、サラサラの髪(かみ)で毎日ご機嫌(きげん)なんだって。
上坂さん
「短歌では見たことないじゃないですか、“ストパー”って言い方。それを使っているのが、すごくいいと思った。本当の気持ちが出ている感じで、すばらしい」

フェンシング教室では

続いては、フェンシング教室。
ことし夏に開かれたパリオリンピックでは、日本は金メダル2つを含(ふく)む、全部で5つのメダルを獲得(かくとく)して盛(も)り上がったよね。
こちらはメダリスト3人が所属(しょぞく)するクラブ。
この中から、未来のメダリストが生まれるかも。
「黒ねこの ノアちゃんごしに 見たテレビ オリンピックに むちゅうになった」
上坂さん
「ただテレビに夢中になっているだけじゃなくて、前にいる(黒ねこの)ノアちゃんとか家族の雰囲気(ふんいき)も切り取れている、いい歌だなと思います」
次は、大会でもらった意外なモノについて。
「大会で 優勝(ゆうしょう)したら 米もらい ママもハンバーグも よろこぶな」
大会の賞品(しょうひん)が、なんとコシヒカリ10kgだったんだって!
お米が手に入りにくい時だったから、お母さんがとても喜(よろこ)んだそうだよ。
子どもたちならではの目線(めせん)で、力作がいっぱい!
「値上(ねあ)げ」や「猛暑」、そして「米」。ことしらしいキーワードがたくさん出てきたね。

話題の子どもたちも一首

さらに、ことしニュースなどで話題になった子どもたちにも!
自分のことをふり返って、短歌にしてもらったよ。
小森日菜子(こもり・ひなこ)さん(中学2年生)。
「わたしはニホンオオカミの新しいはく製(せい)を発見しました」
こちらのはく製は、国立科学博物館(こくりつかがくはくぶつかん)でヤマイヌの一種として保管(ほかん)されてきたけれど、実は、現在では絶滅(ぜつめつ)したニホンオオカミとみられることがわかったんだよ。
この大発見をしたのが、日菜子さん。
小さいころから、絶滅動物が大好きだった日菜子さん。
小学4年生のとき、博物館のイベントで倉庫(そうこ)を見学中に、名前のないはく製に目がとまったんだって。

およそ4年間、研究をかさねて、専門家(せんもんか)とともに論文(ろんぶん)を発表したんだよ。
すごいにゅ~!
はく製との出会いの瞬間(しゅんかん)を短歌に詠んでくれたよ。
「一目見て ピピッと反応 レーダーが 私の目には ニホンオオカミ」
日菜子さん
「本能的(ほんのうてき)に『ニホンオオカミじゃね?』ってなった感じですね」
このニホンオオカミのはく製で、新しい研究もすでに始めているんだって。
新発見も近いかもね!
日菜子さん
「楽しみにお願いします」
応援(おうえん)してるにゅ!
続いてはこちら。
核兵器(かくへいき)をなくさなければならないと言い続けた「日本被団協(にほんひだんきょう=日本原水爆被害者団体協議会)」がノーベル平和賞(へいわしょう)に選ばれたよね!
平和への思いを短歌にしてくれるのは、広島県の佐々木駿(ささき・しゅん)さん(11さい)。
生後7か月から英語を勉強しているんだ。
この特技(とくぎ)をいかして平和記念公園のガイドをしているんだって。
3年間で1000人くらいを案内したそうだよ。
「こちらは、ぼくのひいおばあちゃんです。日本語で『被爆者』(ひばくしゃ)と言います」
原爆(げんばく)のことや、被爆者だったひいおばあちゃんの体験を世界の人に伝えているよ。
そんな駿さんの短歌が、こちら!
「黒い歴史(れきし) 知れば知るほど 怖(こわ)くなる それでも伝える ガイドの使命」
駿さん 
「僕のガイドで伝えることは小さなことかもしれないけれど、実際(じっさい)に起きたことだから、その事もきちんと伝えなきゃいけないガイドの気持ちを短歌にしました」
たのもしいね。

短歌づくりのポイント

歌人・上坂あゆ美さんに、初めてでもできる短歌の作り方を教えてもらったよ。
ポイント1
「心が動いた一瞬(いっしゅん)に注目する」
短歌にしたいことを思い出して、短い文章(ぶんしょう)にまとめるんだ。
上坂さん
「自分が『ここ いいな』とか『これ 変だな』とか『これ むかつくな』みたいな。その一瞬だけを、写真みたいなイメージで歌にするっていうのがオススメです」
ポイント2
「ぴったりな言葉を探(さが)す」
たとえば「冬」について。思い浮(う)かべたものをどんどん書いていくと…
「冬の味覚(みかく)」→「あたたかいもの」→「焼きイモ」と。
3つ目くらいに出てきた言葉をつかうと、その人らしい歌になりやすいんだって。
上坂さん
「かっこつけた言葉より、ふだんしゃべる言葉で、本当の気持ちを歌にした方がいい。自分だけの見方が大事です」
ポイント3
「その人だけの言葉を使う」

たとえばフェンシングであれば、その競技(きょうぎ)にしかない言葉「フルーレ」を使うなど、具体的な言葉を使うと、その人ならではの短歌になりやすいそうだよ。
背伸(せの)びせず、自分の気持ちで詠んでみよう!
年末年始。みんなもいっしょに、レッツ短歌~!
ここからはおさらいクイズだよ。ぜひチャレンジしてみてね!

動画はこちらから