ハン・ガンさんは、韓国で「非常戒厳」が出ていた1980年に軍の弾圧で多くの市民が死亡した「光州事件」などを題材に作品を執筆し、暴力や痛み、人間の尊厳などをテーマにした作品を生み出してきました。
ことしのノーベル文学賞に選ばれたハンさんは、授賞式を前にスウェーデンの首都ストックホルムで6日、会見を開き、韓国で「非常戒厳」が一時宣言されたことについて「2024年に戒厳の状況が繰り広げられたことに大きな衝撃を受けた」と述べました。
続いて、今回の「非常戒厳」の際に市民の姿をうつした生中継の映像を見ていたとした上で「素手で武装した軍人たちを制止しようとする姿も見たし、最後に軍人たちが退くときに気をつけて帰るよう、まるで息子に話しかけるように声をかける人の姿もありました」とたたえました。
また、その場にいた若い警察官や軍人について、最大限消極的に動いている印象だったとした上で「考え、判断し、苦痛を感じながらも解決策を探そうとした積極的な行為だったと思う」と述べました。
そして「武力で言論を統制する過去のような状況に戻らないことをせつに願っている」と話していました。
ノーベル賞の韓国人作家 ハン・ガンさん“戒厳の状況に衝撃”
ことしのノーベル文学賞に選ばれた韓国の作家ハン・ガンさんが、授賞式を前に会見を開き、韓国で「非常戒厳」が一時宣言されたことについて「2024年に戒厳の状況が繰り広げられたことに大きな衝撃を受けた」と述べました。