出入国在留管理庁によりますと、日本で生まれ育ったものの在留資格がなく退去の対象になっていた外国人の子どもは、ことし6月10日の時点で全国で263人で、小泉法務大臣は記者会見で、家族に不法入国や薬物使用といった重大な犯罪歴がないなど一定の条件を満たした212人に、滞在を認める「在留特別許可」を与えたことを明らかにしました。
みずからの意思で帰国した11人を除くと、全体の8割を超えるということです。
また、未就学児であることや親の犯罪歴などを理由に在留特別許可が認められなかったのは40人でした。
小泉大臣は「今回かぎりの措置だが、在留特別許可を受けた子どもたちは、日本社会で活躍してほしい。これからも在留資格のないまま滞在が長期化する子どもの増加を抑止していくことが重要だ」と述べました。
在留資格ない外国人の子ども212人に「在留特別許可」与える
日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子どもについて、小泉法務大臣は、全体の8割を超える212人に滞在を認める「在留特別許可」を与えたことを明らかにしました。
対象外の人たちが対象拡大を訴え
出入国管理法の改正に伴う措置の対象にならなかった人たちは、対象範囲の拡大を訴えています。
国は、去年6月の出入国管理法の改正を受け、日本で生まれ育ったものの在留資格がなく退去の対象になっていた子どもに「在留特別許可」を与え、滞在を認める方針を示し、対象者はことし6月10日時点で263人と発表しました。
この対象にならなかった外国人や、支援する弁護士が今月、会見を開き、対象範囲の拡大を訴えました。
会見に参加した22歳の外国籍の男性は日本で生まれ育ちましたが、すでに成人しているため対象にならず、在留特別許可が出ていません。
男性は「成人した人はなぜ対象にされないのかと思いました。小学校から大学まで通い、就職の内定を得ていたのに、在留特別許可が出ないため就職できていません。国はとても意地悪だと思います」と話していました。
アフリカにルーツがあり、在留特別許可の対象にならなかった中学生からのメッセージを弁護士が読み上げ、「毎日、一生懸命勉強しています。多くの子どもたちと家族に許可を出すと言っていましたが、私たちはまだもらっていません。私たちは忘れられたのでしょうか」と訴えました。
支援にあたる駒井知会弁護士は「この1年で一定数の子どもとその家族に許可が出たことは評価をしている。ただ、不十分であると言わざるをえず、国は取りこぼされた存在に目を向ける必要がある」と話していました。