9日の長崎原爆の日に長崎市で行われる平和祈念式典について、長崎市は「式典を平穏かつ厳粛な雰囲気のもと円滑に行うため」などとしてイスラエルの駐日大使を招待しませんでした。
これを受けてアメリカのエマニュエル駐日大使は式典への参加を見合わせることを決めたということです。
長崎 平和祈念式典に米駐日大使欠席へ イスラエル不招待受け
9日の長崎原爆の日に行われる平和祈念式典に、アメリカのエマニュエル駐日大使が欠席することが明らかになりました。
関係者によりますと長崎市がイスラエルの駐日大使を招待しなかったことを受けた対応だということです。
イギリスのロングボトム駐日大使も同様の理由で参加を見合わせるということです。
関係者によりますとエマニュエル大使は、広島市で6日に行われた平和記念式典にはイスラエル大使が参加し、混乱が無かったことなどをあげたうえで、式典を政治問題化するもので適切ではないという認識を示しているということです。
式典にアメリカからは在福岡アメリカ領事館のアシーケ首席領事が参加し、エマニュエル大使は代わりに同じ日に都内で行われる別の式典に参加する予定です。
イギリス駐日大使も参加見合わせ
また、イギリス大使館によりますとイギリスのロングボトム駐日大使も同様の理由で長崎市の式典への参加を見合わせるということです。
イギリス大使館は取材に対し「イスラエルを長崎の式典に招待しないという決定は、ことし式典に招待されていない唯一のほかの国であるロシアとベラルーシと同様の扱いとして見なされかねず、誤解を招くと懸念している」とコメントしています。
このほかフランスとイタリア、カナダ大使館もNHKの取材に対し、それぞれの駐日大使が長崎市の式典への参加を見合わせることを明らかにしました。
欧米大使ら 長崎市に懸念示す書簡
長崎市が平和祈念式典にイスラエルを招かないことについて、G7(主要7か国)のうち日本を除くアメリカやイギリスなど6か国とEU(ヨーロッパ連合)の東京に駐在する大使らが連名で長崎市の鈴木市長に送っていたことが明らかになりました。
書簡は7月19日付けで、大使らは、長崎市から平和祈念式典への招待を受けたとした上で「イスラエルを式典に招待しないことは、イスラエルを式典に招かれていないロシアやベラルーシのような国と同列に扱うことになり、不幸で誤解を招く」として、懸念を示しています。
その上で「式典の普遍的なメッセージを維持するためにイスラエルを招待することを求める。イスラエルが除外された場合、われわれがハイレベルの参加を行うことは難しくなるだろう」として、大使らの式典への参加を見合わせる可能性に言及しています。
長崎市の平和祈念式典は、9日午前10時45分から平和公園で行われます。